大和市　N・M様｜屋根重ね葺き工事

作業・施工内容

大和市上草柳にお住まいのN様邸のご紹介です。

屋根の貼り替えを検討中とのことでお問合せいただきました。

築年数は36年で、今回が初めてのメンテナンスとの事。

屋根のひび割れ、色褪せが気になると仰っていました。

早速現地調査に伺い、屋根全体を点検させていただきました。

■現地調査

スレート瓦の劣化が進行している状況。

経年劣化により塗膜の撥水効果が無くなってきています。

棟板金のサビが目立ちます。

北側は特に雨染み、カビ、コケの発生が見られました。

撥水効果が失われた瓦ですので、雨水が瓦に染みこんでいます・・・

雨漏りするのも時間の問題。

屋根の軒先は乾きが一番遅いところですので、コケやカビが多く付着します。

築35年で今回が初めてのメンテナンスとなると、この劣化具合は想像の範囲内ではありましたが、

ドーマー、天窓部分は特に酷かったです。取り合い部分の板金も綺麗にしていかないと・・・・

天窓のカバーは取れていて、文房具のダブルクリップで留めてありました。

瓦の傷みが全体的に著しく、屋根を新しくする工事を提案させていただきました。

工法は重ね葺きです。

重ね葺きとは、既存の屋根材の上に新しい屋根材を葺いていく工法で、古い屋根材の撤去費が無く、通常の葺き替えよりも工期が短く済み、屋根材を新設するリフォームではお勧めの工法です。（※日本瓦からの重ね葺きはできません）

天窓部のドーマーも、屋根材と板金でリフォームをすることにしました。

まずは足場仮設工事からです。

■足場仮設工事

ガレージの屋根ですが、足場が干渉してしまうので仮設前に撤去、足場解体後に新設することになりました。

では早速足場を立てていきます。

敷地内や近隣のお住まいに塗料やごみ、高圧洗浄時の水が飛び散らないようにするネットを張ります。

また、職人や工具の落下防止の意味もあって、近隣トラブルや安全確保対策として必要不可欠なものです。

強風の日は、メッシュシートごと足場が風にあおられて倒壊してしまう恐れもある為、そのような日はメッシュはたたんで足場に縛りつけておきます。

弊社の宣伝マン、照英さんの看板を最後に張り付けて足場仮設工事は終了です。

時間にすると６時間くらいです。

結構大がかりな工事に見えますが、それほど時間はかかりません。

2、３人で組立てしていきます。

ちなみに足場の組み立てには、労働安全衛生法に定められた国家資格である「足場の組立て等作業主任者技能講習」を修了した者が作業を指揮しなければいけません。

また、足場の組み立て作業に関連する資格で「とび技能士」というものもあります。

「とび」ってよく耳にしますよね。

「とび技能士」は各都道府県の職業能力開発協会が実施する国家資格で、1から3級まであります。

この試験に合格すると、とび作業の段取り、仮設の建設物の組み立てや解体、掘削、地業など、とびに関する能力を保証され、「とび技能」士として名乗ることができます。

豆知識はここまでで、、、

次は屋根重ね葺き工事の工程に入ります。

■屋根重ね葺き工事　～防水ルーフィング施工～

通常は劣化した既存の棟板金を撤去していきますが、今回の棟板金は薄く凹凸が無いので

その上からルーフィング材を直接貼っていきます。

天窓にも新しく屋根を新設するので、びっしりシートを敷き詰めていきます。

屋根全体が防ルーフィングで綺麗に埋まりました。

採用したルーフィング材はサンシールの改質アスファルトルーフィング材「貼ってGO！」です。

良く聞く「アスファルトルーフィング」との違いは何なのでしょうか。

「アスファルトルーフィング」とはフェルト（厚紙）や不燃布にアスファルト（の原料）を染みこませたシートの事です。

水を染みこまないアスファルトが防水の役割を担い、屋根から建物内への雨水の侵入を防ぎます。

一方「改質アスファルトルーフィング」は、通常のアスファルトルーフィングに、ポリマーや天然のアスファルト等を加えることで、より性能を向上させたルーフィング材です。そのため、改質アスファルトルーフィングはアスファルトルーフィングよりも高性能で、最近は多く使用されています。

耐用年数はアスファルトルーフィングで15年～20年の寿命があると言われているところ、改質アスファルトルーフィングだと20年以上（更に高耐久なものは60年を超えるものも・・・・）です。

屋根材の下に設置されるルーフィング材ですが、屋根を長持ちさせるためにはルーフィング材こそ拘るべき重要な建材といえます。

ルーフィング施工の次は本体葺きです。

■屋根重ね葺き工事　～使用屋根材～

今回のリフォームで採用した屋根材は「オークリッジスーパー」です。

アメリカに本社があるオーウェンズ・コーニング社の屋根材で、洗練されたデザインと優れた耐久性を併せ持ったアスファルトシングル材です。

こちらのオークリッジスーパー、良いところが沢山ありまして・・・

①耐久性・耐候性が抜群！

米国規格の様々な試験でトップクラスの性能が証明されています。

その自信から長期製品保証（制限付）が受けられますので安心！

➁防水性が抜群！

主成分は良質のアスファルトですので、基本的に水を吸い込むことがありません。

③意匠性も抜群！

カラーバリエーションが7色あります。

２層構造による凹凸と、異なる色調の変化が、屋根全体に深い陰影と立体感をもたらします。

④耐藻性能がある！

粒状の彩色石に金属をコーティング。それを瓦に散りばめました。

耐藻性能を持つ石を追加することで、藻がつきにくくなる効果が。

⑤その他良いところ！

瓦やカラーベストよりずっと軽く、日本瓦のおよそ１／３以下です。

建物への重量負担を軽減します。

また、弾力性のある屋根材ですので雨音の心配がありません。

そしてもちろん有害なアスベストも含まれていません。

⑥海外製品として初めて、日本の防火認定試験に合格！

建築基準法改正により「屋根飛び火認定制度」が制定されました。

海外製品としては初めて飛び火認定試験に合格し、高い防火性能が正式に評価されました。

これにより日本の防火区域でも安心してご使用いただけるようになっています。

いかがですか？

屋根のリフォームを検討されている方は、オークリッジスーパーも是非候補に挙げてみてくださいね。

■屋根重ね葺き工事　～本体葺き～

防水ルーフィングの上に専用のビスを使いながら新しい屋根材を葺いていきます。

お選びになられた色は「ハーバーブルー」です。

ブルーと言ってもグレーに近い色味になりますので、どんな建物にでもあう合わせやすいカラーとなっています。

軒に近い部分には雪止めも新設しました。

続いて、天窓部分の屋根です。

ガルバリウム鋼板を加工した屋根材を取り付けていきます。

続いて、ドーマー壁部分にオークリッジスーパーを施工していきます。

ドーマー部分がかなり綺麗になりました。

続いて屋根全体の棟板金等取付作業です。

■屋根重ね葺き工事　～棟取付～

棟板金内部の貫板を施工していきます。

少し前に建てられた住宅の殆どが木製の貫板でしたが、今回のリフォームで使用した貫板は樹脂製で腐食に強い「タフモック」という製品です。軽量で経年劣化による耐久性の低下がない、優れた部材です。

続いて新しい棟板金を取り付けます。

素材は錆に強く軽量な「ガルバリウム鋼板」です。

棟板金とは屋根の頂点にある板金の事です。

ステンレスのビスを用いてドリルで固定し、屋根内部へ雨水が入って行かないように貫板の上へ被せます。

所々の板金をしっかりと被せていきます。

板金の取り合い部分をシーリング材で埋めていきます。

採用したシーリング材は、オートンイクシードです。

耐用年数がなんと30年を期待できる超高耐久シーリング材。

雨風・日光の影響をダイレクトに受ける屋根にはもってこいのオートンイクシード。

今回の施工でも大活躍です。

ドーマーのサッシ部分にもシーリング材を施工です。

■屋根重ね葺き工事　完成

屋根重ね葺き工事の完成です。

工期は4、5日です。（天候による）

傷みが酷く防水機能がすっかり失われていた屋根でしたが、今回のリフォームにより生まれ変わり、お客様にも大変喜んでいただけました。

担当：平野