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塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説② ~「和漆喰」とは~

屋外も屋内も、「漆喰」の壁は人気ですよね。

「漆喰」には、お住まいを心地よくする機能性が沢山あります。

また、塗り方によって、ひとつひとつ異なる表情を楽しめることも好まれていて、新築やリフォームで「漆喰」を検討している方も多いと思います。

でも、実際に情報収集を始めると、「漆喰」にもさまざまな種類があることに気がつくのではないでしょうか。

今回は「漆喰」の種類について紹介いたします。

 

 

 

まずは、「漆喰」の歴史、原料などについておさらいです。

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説①  ~原料と歴史~はこちら

 

 

 

「漆喰」にも種類があります

屋根の瓦や外壁などに使われる「漆喰」

基本的に日本の家屋に使われているのは、「和漆喰」と呼ばれる日本で作られている「漆喰」です。

これに対し海外で作られている「漆喰」は「西洋漆喰」といいます。

 

ここでは日本の漆喰「和漆喰」の種類について解説いたします。

 

 

 

 

「和漆喰」は5種類

古墳内の壁面の保護やお城の外壁、内壁の被覆、防水を目的に古くから使用され、泥壁の土の剥がれを防ぐ為に土壁面を「漆喰」で固めて保護するようになったのが「漆喰」の始まりとも言われています。

前回のブログで、原料について少し解説していますが、「和漆喰」とは、日本の原料を元に日本で作られた「漆喰」のことで、貝灰石灰、すさ、海藻のり、骨材などの原料でできています。

(※貝灰石灰、すさ、海藻のり、骨材については、下記にて解説いたします)

 

「和漆喰」は中でも大きく5種類の「漆喰」に分けられます。

 

 

① 本漆喰

神社仏閣など古くからある建物に使われているのは、ほぼこの「本漆喰」です。

製法は昔ながらの海藻を炊いてのりを作り、すさと塩焼きの小石灰を混ぜて作られます。

 

 

 

② 土佐漆喰

名前が示すように、高知県は土佐で作られている「漆喰」です。

3ヶ月以上発酵させた藁と塩焼き消石灰と水を混合し、熟成させたもので、そのため藁の成分が発色し、施工直後は薄黄~薄茶色の姿に仕上がり、乾燥して時間がたつにつれて、「本漆喰」のような白色に変化します。

練り状の製品しか存在しません。

 

 

 

③ 既調合漆喰

一般的に、「漆喰」を製造するメーカーが作成した「漆喰」です。

場所にもよりますが、現在多くの建物でみられる「漆喰」は、ほぼこの「既調合漆喰」です。

一般に塩焼き消石灰と麻すさ、粉末海藻のり、炭酸カルシウムなどの微骨材が配合された粉末製品です。

水を加え練ることで「漆喰」として使用されます。

近年では海藻のりに加え、合成樹脂を使用した製品や、化学繊維を使用した製品、顔料を混ぜて色をつけた製品もあり、また、練り置き済み製品も存在します。

 

 

 

④ 琉球漆喰

「土佐漆喰」が高知県土佐で作られているのに対し、「琉球漆喰」は琉球、いわゆる沖縄で作られている「漆喰」です。

藁と生石灰を混合したものに水を加え、生石灰に消化加熱反応を起させることで藁を馴染ませ、さらにそれを擂り潰し熟成させたものです。

「土佐漆喰」に比べ藁の混入量が多いため、紫外線で退色するまでは濃黄~薄茶色の姿に仕上がります。

練り状の製品しか存在しません。

沖縄では外壁よりも屋根瓦工事でよく使われています。

 

 

 

➄ 漆喰関連製品

これは厳密には「漆喰」と呼べないものも含まれますが、「漆喰」の機能を有するとされている塗料や海外製の消石灰が配合された塗り壁材などのことです。

日本漆喰協会による「漆喰」の定義の中に「消石灰を主たる固化材とし」とあるため、それが「既調合漆喰」との違いになります。

 

 

【原料解説】

【貝灰石灰】

消石灰の代わりに用いる。貝殻を焼いて酸化させて作る。

 

【すさ】

収縮防止やつなぎ(補強)効果を与えるもの。

麻に類する植物繊維が主に使われてきたが、現在では豆類や香辛料が輸入される際に包材となる南京袋を加工して作られているものが大半。

「土佐漆喰」「琉球漆喰」のすさには藁が用いかられるほか、上級の上塗り漆喰には紙繊維も用いられる。

関東地域を中心として「つた」とも呼称される。

 

【海藻のり】

「のり」と呼称されるが、壁に使用される場合、「漆喰」へ混入される一番の目的は「接着」ではなく「保水効果」による作業性の向上。

さらに粘度調整効果も求められる。

歴史的には布海苔、銀杏草、角叉などの海藻を煮炊きして抽出したものが使われていたが、現在は加熱後乾燥、粉末化された粉末海藻のりが主流となっていてその原料のほとんどに銀杏草が用いられている。

 

【骨材】

屋根用や壁の中塗り用として川砂などの骨材が混入される。

また、主原料となる消石灰に含まれる水酸化カルシウム分が過剰であるなどして、収縮力が強すぎる場合には、その緩衝材として微粉骨材が混入されることがある。

 

 

 

 

外壁にも屋根にも使える「漆喰」

一口に「漆喰」といっても実はさまざまな種類があり、原料にもそれぞれ違いがありました。

 

◎  まとめ  ◎

・漆喰には「和漆喰」と「西洋漆喰」がある。

・「和漆喰」は大きく分けて5種類ある。

・古くからある建物の使われているのは殆どが「本漆喰」

・「土佐漆喰」と「琉球漆喰」は似ているようで原料が少し違う。

 (土佐漆喰→消石灰+藁 琉球漆喰→生石灰+藁)

・「琉球漆喰」は多くは屋根瓦の工事で使用している。

 

 

 

今回は「和漆喰」について解説いたしましたが、またの機会では「西洋漆喰」についても解説したいと思います。

 

 

御覧いただきありがとうございました。

 

「西洋の漆喰」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説③ ~「西洋漆喰」とは~

 

「漆喰壁のメリット」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説④ ~「漆喰壁」のメリット~

 

「漆喰壁のデメリット」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説➄ ~「漆喰壁」のデメリット~

 

「漆喰壁のメンテナンス」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説⑥ ~「漆喰壁」のメンテナンスとDIY~

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