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塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説③ ~「西洋漆喰」とは~

古くから建築素材として用いられてきた「漆喰」

家の内壁や外壁、天井など、「漆喰」はあらゆる場所に使用されています。

「漆喰」はつなぎや使われる土地によって違いが出る素材です。

多くは日本で古くから使われてきた「和漆喰」、西洋で建築に用いられる「西洋漆喰」の2種類に分けられます。

以前、「和漆喰」について種類など解説しましたが、今回は「西洋漆喰」についてと、「西洋漆喰」と「和漆喰」の違いについて解説いたします。

 

まずは「漆喰」の歴史、「和漆喰」についておさらいです。

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説① ~原料と歴史~

 

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説② ~「和漆喰」とは~

 

 

 

 

 

 

「和漆喰」よりも歴史が古い「西洋漆喰」

以前のブログにも書きましたが、「漆喰」というと、日本古来のものといったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

しかし、日本で古くから神社仏閣などで「漆喰」が使われていたように、西洋でも教会やお城などで「西洋漆喰」が使われてきました。

実際、「西洋漆喰」の方が歴史も古く、1万2000年前のメソポタミア文明の遺跡から発掘されたものが最古のものとされていますが、それ以外にも、エジプトのピラミッドの内壁などにも使われていました。

 

日本とは気候や目的が違うので、配合されている成分は同じではありません。

生石灰を焼いて消石灰を作り、この消石灰に骨材、疑集剤、 保湿剤、防水剤、 無機の換気剤、塑像剤、色素、セルロースファイバー等の材料を使って、多孔質の壁層を形成します。

 

 

 

 

 

「西洋漆喰」の多様性

世界的に見れば、「漆喰」は日本以上に内外装として使用されています。

特にヨーロッパでは昔も今も「漆喰」が多く使用され、イタリアやフランス・プロバンス、エーゲ海周辺などは、「漆喰建築」が多く、私たちが魅せられている風景は、「漆喰の風景」といってもいいほどです。

「西洋漆喰仕上げ」は、単一な「日本の漆喰仕上げ」と異なり、様々な「漆喰仕上げ」があります。

イタリアの建築家カルロ・スカルパが設計したヴェローナ市民銀行のような、繊細で美しい「漆喰磨き」もあれば、住人がハンドメイドで塗る、粗く手触り感のある「漆喰」もあり、まさに色々で、多種多様です。

 

 

現在、国内においても伝統的な「漆喰」だけでなく、「海外の漆喰仕上げ」のような多様性、新しい発想の「漆喰」が消費者の選択肢を増やしています。

「伝統」や「格式」、あるいは「白壁」や「職人技」という従来の「漆喰」に対する印象は、「自由」や「手軽さ」「多彩」など、より柔軟で現代的になってきています。

 

 

 

 

 

「西洋漆喰」の種類

「西洋漆喰」にも「和漆喰」と同様にいくつかの種類があります。

イタリア、スイス、フランスなど各国にある「漆喰」ですが、代表的な「西洋漆喰」としては、「スペイン漆喰」「フランス漆喰」「スイス漆喰」が挙げられます。

 

①スペイン漆喰

スペイン産の石灰を焼いた消石灰に大理石、無機の色粉、セルロースファイバーなどを混ぜ合わせて作られているのが、「スペイン漆喰」です。

基本的に天然素材を100パーセント用いていて、シックハウス症候群の原因となる化学物質を含まないため、安全性の高さにも定評があります。

ホワイトやオフホワイト、明るいイエローといった色合いが特徴となっています。

 

 

 

②フランス漆喰

石灰に砂や石を混ぜてつくる「漆喰」で、多くの骨材(大理石と石灰)が入っています。

より粘りがあることが大きな特長、雨水にも強くプロヴァン地方の住宅では内装にも外装にも「フランス漆喰」が使用されています。

 

 

 

③スイス漆喰

「スイス漆喰」アルプス原産の不純物の少ない石灰石を原料に、300年変わらない伝統製法で作り続けられています。

海苔や合成樹脂など化学物質も一切使用していない天然100%の素材です。

呼吸性が高く、柔軟性と硬さを持ち合わせた強固な壁を作ります。

また「スイス漆喰」は、100年かけて石に戻る再石灰化という特徴を持ち、耐久性が高く、何世代にも渡って住まい継ぐことができる美しい壁を保つことができます。

 

 

のほかにも、「漆喰」を用いて描く絵画、フレスコ画にも使われていた「イタリア漆喰」などがあります。

このようにヨーロッパを中心にそれぞれの国独自の特徴をもった「漆喰」があります。

 

 

 

 

 

「西洋漆喰」と「和漆喰」の違い

ヨーロッパは石の文化です。

なぜならヨーロッパには「漆喰」の主成分である石灰岩が豊富で、住宅の壁も石やレンガで作られています。

これに対し、日本の家屋は木造建築で、柱や梁などの骨組みが構造を担っています。

つまり家の構造自体が日本と西洋では大きく異なっています。

そのため、「西洋漆喰」「和漆喰」に比べデザイン性よりも強度を増すことを、重視しています。

「西洋漆喰」「和漆喰」には、いろいろな違いがありますが、その中でも大きく異なるのがこの部分であり、壁に強度と厚みを出すため消石灰に砂を混ぜているのが「西洋漆喰」、砂を使わずきれいに仕上げるのが「和漆喰」です。

 

マンションのリノベーションで内壁を「漆喰」にする場合、砂が混じっている「西洋漆喰」よりも「和漆喰」の方が部屋や服を汚しません。

 

基本的に、「西洋漆喰」はヨーロッパの住宅事情に、「和漆喰」は日本の住宅事情に合わせて作られています。

そのため、特に「漆喰」を内壁に使う場合は、日本の住宅事情にあった「和漆喰」を使うことをおすすめします。

 

 

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説⑦ ~職人技編~はこちら

 

 

 

◎ まとめ ◎

「和漆喰」と「西洋漆喰」、同じ「漆喰」なのに完全に別物であることに驚かれた方も多いのではないでしょうか。

今回は両者の違いとその種類について解説しましたが、製品ごとの特徴の差も大きいのが「漆喰」です。

「漆喰」を選ぶ際はどんな性能に期待するかを踏まえ、製品をしっかり比較検討してくださいね。

 

 

 

御覧いただきありがとうございました。

 

 

 

「漆喰壁のメリット」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説④ ~「漆喰壁」のメリット~

 

「漆喰壁のデメリット」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説➄ ~「漆喰壁」のデメリット~

 

「漆喰壁のメンテナンス」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説⑥ ~「漆喰壁」のメンテナンスとDIY~

 

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