遮熱塗料には効果がない?耐用年数や価格、おすすめ塗料などもご紹介!
夏になると室内の温度が一気に上がり熱中症のリスクが高まります。
エアコンを入れたり何らかの対策を取っているご家庭がほとんどだと思いますが、遮熱塗装を行うことで室内の温度上昇を抑制することが可能です。また、遮熱塗料は温度上昇の抑制以外にも様々な効果を持っており、かなり注目されている塗料でもあります。
そこで今回は、遮熱塗料の効果について解説します。
遮熱塗料とは?
まず遮熱塗料とは、塗布することで太陽光や近赤外線を反射させる性質がある塗料のことをいいます。
太陽光や近赤外線を反射させることで、太陽熱の吸収を防ぎ室内の温度上昇を抑制する働きがあります。夏場、室内温度が上昇しやすい時期に遮熱塗料がおすすめされており、多くの業者が遮熱塗料を取り扱うようになっています。
遮熱塗料の価格・耐用年数は?
遮熱塗料の価格は1缶あたり5,000~20,000円程度です。また、施工費用に関しては箇所により価格差があります。
- 屋根:約2,300~3,500円/㎡
- 外壁:約2,300~2,800円/㎡
耐用年数は10~20年ほどで、他の塗料と比較すると少し長めの耐用年数であることがわかります。塗料ごとの耐用年数はこちら。
▶︎【藤沢市にお住まいの方必見!】外壁塗装の耐用年数の見分け方について解説します!
断熱塗料との違いは?
遮熱塗料とよく似た塗料に「断熱塗料」があります。それぞれよく似た塗料ではありますが、以下のような違いがあります。
遮熱塗料 | 断熱塗料 | |
---|---|---|
特徴 | ・光を反射して熱の発生を遮断し、室内の温度上昇を抑える ・冬場は室内の保温ができないため寒い |
・外からの熱や冷気を防ぎ、室内の温度上昇を抑える ・冬場は保温できるため室内が暖かい |
耐用年数 | 10〜20年 | 15〜20年 |
塗料代金 (1缶当たり) |
5,000〜20,000円 | 15,000〜100,000円 |
簡単に違いを説明すると、保温効果があるかないかです。遮熱塗料は保温効果がなく熱を跳ね返す性質を持っていますが、断熱塗料は保温効果があります。
屋根塗装に遮熱塗料がおすすめされている理由
遮熱塗料は主に屋根塗装に使われます。では、屋根塗装に遮熱塗料がおすすめされている理由について少しだけ触れておきます。
室内の温度上昇を抑制できるから
先ほどもありましたが、遮熱塗料は室内温度上昇を抑制する働きがあります。
屋根に塗装することで太陽光・近赤外線を跳ね返し、室内の温度上昇を抑制します。より遮熱効果を高めたい場合は「日射反射率」が高い白色を選ぶといいでしょう。
こちらはアステックペイントの遮熱塗料「スーパーシャネツサーモシリーズ」のパンフレットに掲載されている日射反射率です。これを見れば分かる通り、白色に近ければ近いほど日射反射率が高くなり室内温度上昇の抑制が期待できます。
電気代が削減できるから
温度上昇を抑制することができれば、電気代が自ずと削減できます。
夏場はエアコンをつけっぱなしだというご家庭は多いですが、遮熱塗料を使うことでその必要がなくなるかもしれません。あくまで「温度上昇を抑制する」だけではありますが、室内温度が従来よりも低くなりますのでエアコンをつけなくても良いと判断できる可能性が高くなります。
熱による劣化を防げるから
外壁や屋根が劣化する原因は様々ですが、熱も原因の1つです。
太陽光などの熱により劣化が進みやすくなり、耐用年数よりも早く劣化してしまうこともあります。遮熱塗料であればそういった熱による劣化を防ぐことができ、耐用年数よりも早く交換しなければならない事案を防ぐことができます。
遮熱塗料の効果が期待できないと言われる理由
遮熱塗料はメリットばかりではありません。業者によっては「遮熱塗料は効果がない」と考えており、遮熱塗料の効果が期待できないと言われる理由がいくつか挙げられています。
性能にばらつきがある
遮熱塗料は素材により耐用年数にばらつきがあります。
- アクリル系…6年
- ウレタン系…8年~10年
- シリコン系…10年~15年
- フッ素系…15年~20年以上
一般的な塗料であれば素材により性能にばらつきがあるのは普通です。しかし、遮熱塗料は一般的な塗料よりも価格が高いため、性能にばらつきがあることに抵抗を覚える人が多いでしょう。
断熱効果がない
先ほど断熱塗料との違いをご紹介しましたが、遮熱塗料には断熱効果はありません。
断熱効果は保温効果があり熱伝導を抑える働きもありません。あくまで「野外からの熱の侵入を抑える」働きがあるだけですので、もっと効果が欲しい場合は断熱塗装を考える必要があります。おすすめは遮熱塗装と断熱塗装を併用する方法でしょう。
塗料として扱いにくい点がある
依頼側には何ら問題はありませんが、外壁塗装業者の多くは「遮熱塗料は塗りにくい」と感じているといいます。
塗料は均一にムラなく塗ることで効果を発揮しますが、遮熱塗料はムラなく塗り広げることが難しい塗料の1つです。難しいといえど遮熱塗料を均一に塗り広げることができなければ、真の効果を発揮することはありません。
できれば、遮熱塗装を得意としている業者に依頼しましょう。
屋根塗装でよく使われる遮熱塗料3選
では最後に屋根塗装でよく使われる遮熱塗料を3つご紹介します。
サーモアイF | 日本ペイント
日本ペイントが販売しているサーモアイシリーズで最も耐候性に優れた塗料です。
独自の四フッ化フッ素技術により、従来の遮熱効果よりも高い遮熱効果が期待できます。また、下塗りにも遮熱効果があるため上塗りと合わせて遮熱効果を持った塗料として定評がある塗料です。ちなみに、建物の美観を保持したい方の多くはサーモアイFを選んでいます。
クールタイトF | SK化研
SK化研が販売しているクールタイトシリーズのクールタイトF。
特殊セラミック成分が配合されており、汚れや埃がつきにくい性質を持っています。もちろん、遮熱効果もあり「遮熱効果を長く保持したい!」という方から多く選ばれている塗料です。また、クールタイトFは高速道路付近に使われることが多い塗料でもあります。
ガイナ | 日進産業
ロケット先端部分を高熱から守るために使用された実績を持つガイナ。
遮熱塗料の中では圧倒的実績を誇り、断熱効果も期待されている塗料です。「夏は涼しく、冬は暖かい」を実現できる唯一の塗料で、防音効果もあるというオールインワンな塗料として世界的に評価されています。遮熱したい方だけでなく「雨音が気になる…。」という方にもおすすめしたい塗料です。
まとめ
遮熱塗料は室内温度上昇を抑制できる塗料です。
断熱塗料のように保温効果は期待できませんが、夏は涼しく過ごしたい!という方に多く選ばれている塗料の1つ。熱による劣化を防いだり電気代を削減することができる遮熱塗料を是非お試しください。