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塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説➄ ~「漆喰壁」のデメリット~

古くから世界中で使われてきた「漆喰」

今もって中心的な建築素材の一つとして君臨していることからも、「漆喰」に多くのメリットを感じていることは確かです。

「漆喰壁のメリット」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説④

 

その一方で、新たな建築素材の開発などもあり、相対的に「漆喰」のデメリットを感じられることもあります。

今回は「漆喰壁」のデメリットについて解説いたします。

 

 

 

 

「漆喰壁」のデメリット

 

①割れやすい

「漆喰壁」は汚れにくく長持ちするというメリットがありますが、代わりに割れやすいというデメリットがあります。

施工下地の状態や施工環境の影響を受けて、ひび割れが発生することがあります。

また、施工後に建物自体が揺れた場合にも、ひび割れが発生する可能性があります。

 

「漆喰」に含まれる消石灰は水分を吸収して「漆喰」を強固にする働きがあるのですが、過度に乾くと水分が抜けてしまい(湿度の調整)「漆喰」がもろくなります。

その状態で強風や衝撃を与えると、ひび割れてしまうこともあります。

 

ですが、近年の「漆喰」を見てみると、撥水性のある成分を混ぜて作る手法もあります。

この成分が含まれていると、水分を内部に吸い込みにくくなるため、その後乾燥してもひび割れが起こりにくいのが特長です。

撥水性のあるものといっても天然由来の成分なので、安全性は高いです。

 

ひび割れのリスクを最小限に抑えるには、下地処理から仕上げ塗りまで、正しい施工手順をとることが必要です。

もし施工後にひび割れが起こった場合は、壁に汚れがついてしまった時と同じように、薄く上塗りをしてひび割れ処理することが可能です。

 

 

 

②施工が難しく、費用が高い

「漆喰塗り」の場合、養生をして下塗り、その後仕上げ塗りと手間がかかります。

ビニールクロスのように、ただ接着剤などで貼っておしまい、というわけにはいきません。

工期も当然ビニールクロスと比較するとかかってしまいます。

その分施工費も割高となります。

コストが高くなるというものの、ビニールクロスのようにそう何度も張り替えをする必要はありません。

短期的に見るとコストは高いかもしれませんが、長期的な視野に立つと、むしろビニールクロスと比較して、コスパに優れた壁材といえるかもしれません。

 

「漆喰」はアートとも言える建材です。

同じようにプロが施工を行っても、人によって模様が変わります。

その職人さんの腕にかかっているわけです。

「漆喰」施工を一言で行ってしまえば「漆喰の材料を混ぜ合わせて、あとは塗る」だけですが、実際に行うとそう簡単なことではありません。

 

材料の混ぜ合わせや塗り方によって耐久性などが変わってしまいます。

綺麗に仕上げるには職人の技術が必要になるのです。

 

 

 

③汚れが目立つ

「漆喰」は消石灰を主成分としますので、施工後は白く仕上がります。

壁紙などの白色とは違う天然素材の白は、「漆喰壁」ならではの特徴といえるでしょう。

 

ですが、それゆえ汚れが目立ちます。

特に消石灰は水分を吸収しますので、醤油などの汚れは染みになりやすいです。

他にも、「漆喰」の外壁だと排気ガスの汚れなども目立ってしまいます。

もちろん、汚れたら対処すればいいですが、汚れが気になる人は注意してください。

 

 

 

④独特の臭い

VOC(揮発性有機化合物)ではありませんが、塗った直後はしばらく独特の臭いがします。

これは「漆喰」のつなぎとして使われている材料の臭いとなります。

悪臭というわけではありませんが、特徴的ですので、人によっては毛嫌いする人もいるでしょう。

ですが徐々に臭いは薄れ、そのうち臭わなくなります。

新築で「漆喰住宅」を購入した時に「臭いから欠陥」と思わないようにしてください。

 

 

 

 

「漆喰の壁」は爽やかな空気の中で過ごしたい人にはおすすめです。

いろいろとデメリットを紹介してきましたが、漆喰の壁」の家で過ごした人は、清々しくカラッとした空気の中にいるおかげか、リラックスできて落ち着くという人が多いそうです。

デザイン性も良いため、候補の上位に上がる建材かと思います。

 

漆喰」には調湿作用と殺菌作用により、アレルギー物質の発生を防止する働きがあります。

さらに、ホルムアルデヒドを吸着・分解してくれることにより、シックハウス症候群の心配もなくなりますので、健康面でとても良い影響があると言えます。

「漆喰のメリット」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説④

 

特に、小さな子どもやペットたちは、シックハウスやアレルギーの影響を受けやすいため、リスクを減らすためにも「漆喰」はおすすめです。

ビニールクロスと比べると高いため、悩む方も多いかもしれませんが、100年かけてじっくり固まっていく「漆喰」は、ビニールクロスのように定期的に張り替える必要もないため、長い目で見ると高いとは言えないのです。

 

壁に作る模様など、バリエーションについての記事はこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説⑦ ~職人技編~

 

 

 

◎まとめ◎

メリットの多い「漆喰壁」ですが、もちろんデメリットもあります。

デメリットのまとめです。

 

・「漆喰壁」は、ほかの壁材に比べて材料費や施工費が高い傾向にあります。

・コスト面については、「漆喰」を平らに塗ることの難しさや、熟練の技術者に任せなければならないことも影響していると言えるでしょう。

・ひび割れのリスクを最小限に抑えるには、下地処理から仕上げ塗りまで、正しい施工手順をとることが必要です。

 

 

 

御覧いただきありがとうございました。

 

「漆喰の歴史」などについてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説①

 

「和漆喰」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説②

 

「西洋漆喰」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説③

 

「漆喰壁のメンテナンス」についてはこちら↓

塗装や屋根で使われる【漆喰】について徹底解説⑥ ~「漆喰壁」のメンテナンスとDIY~

 

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