マンションの大規模修繕で起きるトラブルまとめ | トラブルへの対策やトラブルが起きた時の対処法を解説
本記事では、マンションの大規模修繕で起きるトラブルとその対策を解説します。
マンションの大規模修繕で起きるトラブル
マンションの大規模修繕で起きるトラブルは大きく以下があります。
- 修繕積立金不足
- 修繕委員会
- 居住者
- 業者
- 近隣住民
それぞれ解説します。
修繕積立金不足のトラブル
マンションの大規模修繕で良くあるトラブルとして、修繕積立金不足があります。
本来であれば長期修繕計画を綿密に練り、資金を積み立てていきます。しかし、長期修繕計画の練りが甘かったり居住者による修繕積立金が滞納してしまったりとコントロールできないトラブルにより積立金が不足することもあり得ます。
修繕委員会のトラブル
修繕委員会のトラブルも考えられます。
修繕委員会とは、マンション住民同士で大規模修繕工事のために構成された組織をいいます。
主に施工会社の選定・打ち合わせやマンション住民の窓口対応をするのが修繕委員会の役割なのですが、委員数が足りていなかったり逆に多すぎたりしてトラブルが起きてしまうケースが後を絶ちません。
例えば、以下のような問題点があります。
- 委員が少ない:集まることができない、業務が進まない、費用が嵩む
- 委員が多い:意見がまとまりにくい
もし、修繕委員会がうまく機能しない場合は専門機関に第三者として介入してもらう方法がおすすめです。
居住者のトラブル
当然ですが、居住者のトラブルもあります。
例えば、騒音や臭い・プライバシー侵害など気にすべきことはたくさんあります。大規模修繕は一方的に進めることはできず、あくまでも居住者の理解と協力が必要だという前提を理解しなければなりません。
業者のトラブル
業者のトラブルは主に以下が挙げられます。
- 施工ミスや工期の大幅な遅延
- 施工費用の追加請求
- 施工業者の倒産
- 悪質なコンサルタントによるトラブル
特に技術力が低い業者に依頼をしてしまった場合、大幅な工期の遅延が考えられるでしょう。それだけでなく、追加請求やコンサルタントが介入している場合はそこからのトラブルも考えられます。最悪の場合だと施工会社自体が倒産してしまうことも。
近隣住民のトラブル
マンションには直接的に関係ありませんが、近隣住民のトラブルも考える必要があります。
マンションの大規模修繕工事には騒音や臭いがつきものなので、事前に近隣住民に説明をしておかなければなりません。さらに、工事車両に関するクレームが入りやすいのも大規模修繕の特徴です。工事内容や期間を明確に説明した上でクレーム対応の窓口を用意しておく必要があります。
マンションの大規模修繕で起きるトラブルへの対策
マンションの大規模修繕では予期せぬトラブルが発生してしまうものです。しかし、事前に以下のような対策を講じることでそのトラブルを抑えることが可能です。
居住者への事前連絡をする
まずは、居住者への事前連絡をすることです。
修繕積立金の際でも解説しましたが、居住者への事前連絡がないと大規模修繕は失敗に終わります。あくまでも「居住者の理解と協力」があってこその大規模修繕ですので、事前連絡は欠かせません。
連絡方法は大きく2つあります。
- エントランスに設置したホワイトボードで工事状況をリアルタイムに告知する
- 各住居のメールボックスに、工事のスケジュール表を投函する
必ず居住者が確認できるようにしておきましょう。
長期修繕計画を練り直す
マンションの大規模修繕は長期修繕計画に沿っており、その計画は5年を目処に練り直されるのが一般的です。
ただ、計画を立てた段階での想定をしているため時間が経つにつれてその計画にズレが生じます。劣化状況が激しくなったり居住者が少なく積立金が用意できなくなったりと、ずれの種類は多くありますので今一度、計画を練り直すのも1つの方法です。
瑕疵保険に加入している業者を探す
瑕疵保険とは、発注者が安心して大規模修繕工事を行うために必要な検査と保証がセットになっている保険です。
施工会社の手抜き工事を防ぐために用意されているこの保険では、欠陥が見つかった際に施工会社に保険金が振り込まれるようになっており、その保険金で血管の補修が行われます。この瑕疵保険がないと万が一の際に新しく施工会社を探したり施工費用をさらに負担しなければならないことになりかねません。
ちなみに、瑕疵保険の保証対象は以下の通りです。
- 構造耐力上主要な部分(耐震補強工事や柱、壁工事など)
- シーリングや外壁工事など雨水の浸入を防止する部分
- 配給水管路・配給水設備
- 電気設備
- ガス設備
- 防錆工事を行った手すりなどの鉄部
- 外壁タイル
ただ、保証対象は保険会社により異なりますので契約前に確認しておくようにしてください。
業者選びを徹底する
マンションの大規模修繕はその名の通り大きな工事になりますので、業者選びは慎重に行うようにしましょう。
業者選びのポイントは以下の3つです。
- マンションの大規模修繕の実績が豊富にあるか
- サービスの質は高いか(評判は良いか)
- 従業員の対応は良いか
実績だけが豊富にあっても従業員の対応が悪ければ、施工期間中いろいろなストレスに悩まされます。必ず業者は慎重に選びましょう。
マンションの大規模修繕でトラブルが起きたら?
もしマンションの大規模修繕でトラブルが起きたら「公益財団法人マンション管理センター」に相談するようにしましょう。
「公益財団法人マンション管理センター」は国土交通大臣から「マンション管理適正化推進センター」として指定されている機関です。マンションの大規模修繕関連のトラブルは「公益財団法人マンション管理センター」へ相談するようにしましょう。
まとめ
今回は、マンションの大規模修繕で起きるトラブルを解説しました。
トラブルは予期せぬもの以外は全て対策することができます。必ず事前対策を徹底し、大規模修繕が失敗に終わらないようにしましょう。