【スレート屋根】コロニアル屋根のメリットとは?アスベストも含まれている?
「コロニアル」という屋根を皆さんはご存知ですか?
「コロニアル屋根」とはスレート屋根の一種で、「クボタ松下電光株式会社」(現ケイミュー)が発売した屋根材の商標名です。
セメントや繊維を混ぜ合わせて作られた屋根材で、最も普及している屋根材とも言われています。
今回はその「コロニアル屋根」の特徴、メリットについて解説していきます。
コロニアル屋根とは
コロニアルとはスレート屋根の一種で、多く使用されている屋根材です。
阪神淡路大震災により、建物の耐震性が重要視されるようになって、比較的軽量のコロニアルが多く使われるようになりました。
このように市場のシェアが高かったため、「スレート屋根」といえばそれは「コロニアル」と呼ばれるほどでした。
また、「スレート」は「カラーベスト」と呼ばれることがありますが、「カラーベスト」も「クボタ松下電光株式会社」(現ケイミュー)が販売しているスレートの商標名です。
コロニアルの材質は、セメントと繊維質の素材を主原料とし、練り混ぜた生地を薄板状に成形・加圧して製造したものです。
コロニアル自体に防水性はありませんが、塗装を施すことによって防水性や耐久性を持たせています。
ひと昔、コロニアルなどのスレートの主原料は、セメントと石綿(アスベスト)というものが多く使用されていましたが、2004年の法律改定でアスベストの使用、製造等が禁止になったため、現在のスレートはノンアスベストの屋根材となっています。
基本的に、スレート屋根、カラーベスト、コロニアルは同じだと思っていいですが、「カラーベスト」は初めからアスベストを使用していない屋根材です。
ちなみに最近の新築一戸建て住宅では、スレートが採用される割合は約33%程と言われていて、ガルバリウム鋼板またはジンカリウム鋼板に次いで2番目に多く採用されており、市場に広く普及している屋根材といえます。
コロニアルの耐用年数
コロニアルの耐用年数は20年前後と言われています。
その製品によっては、無機塗料で塗装することで、30年以上綺麗な状態が保たれるという商品も出ています。
ですが、表面の塗膜が劣化すれば、屋根材としての防水性や耐久性が失われるてしまうことは他の屋根材と同じです。
10年前後でのメンテナンスで、防水性や美観を維持することができます。
コロニアルの最低勾配
屋根材ごとに防水性、水はけを維持するために必要な屋根の傾斜角度が決まっています。
それを「勾配」と言います。
コロニアルの場合、最低限必要な勾配は2.5寸とされています。
この角度以下ですと、様々なトラブルが起きるので危険です。
アスベストについて
コロニアルはセメントと繊維状の原料を混ぜて製造する屋根材です。
先にも記述しましたが、以前この原料に健康被害の原因となるアスベスト(石綿)が使用されていました。
ちなみにですが、含有率は10%~25%程度だと言われています。
アスベストの繊維は非常に細いため、解体の際などに空気中に飛散し、吸い込むと肺がんの原因になると言われています。
2004年に重量に対して1%以上のアスベストを含んだ建材の製造・使用が禁止され、2006年には微量でもアスベストを含む全ての製品が禁止されました。
そのため、現在のコロニアルにアスベストは含まれていません。
しかし、2006年以前に建てられた住宅の屋根には、アスベストを含んだコロニアルが使用されている可能性があります。
アスベストが使用されているコロニアルの家に住んでいても、健康被害が生じることはありませんが、葺き替えの時は空気中に飛散するので注意しなければなりません。
コロニアルに限らず、アスベストが含まれている建材を解体・撤去するには、「石綿作業主任者」、「特別管理産業廃棄物管理責任者」、「アスベスト診断士」などの資格が必要なので専門の業者へ依頼することになり、事前に作業計画書の作成なども必要です。
と、なると、アスベストによる汚染を防ぐため、解体や処分には多額の費用がかかりますので、覚えておきましょう。
コロニアル屋根のメリット
①価格が安い
コロニアル |
ガルバリウム |
ジンカリウム |
日本瓦 |
|
費用相場 |
4,000円/㎡~ |
6,000円/㎡~ |
7,000円/㎡~ |
8,000円/㎡~ |
コロニアル屋根はシェア率が高いので、他の屋根材に比べ施工費用を安く抑えることができます。
これは最大のメリットなのではないでしょうか。
②施工業者が多い
コロニアル屋根は、普及率が高い屋根ですので、取り扱っている業者も多いです。
備わっている耐久性などをしっかりと維持させる為にも、安心して業者に依頼で着るという事はポイント高いと思います。
③デザインやカラーが豊富
デザイン、カラーのバリエーションが豊富なので、和風・洋風どちらのデザインにも使用できます。
同系色で色の異なるコロニアルを混ぜて葺くタイプもあるので、個性的な屋根から高級感のある屋根まで、多様な施工ができます。
④葺き替え・カバー工法(重ね葺き)が簡単にできる
コロニアル屋根は、比較的軽量なので、古いコロニアルを撤去・解体するのは容易です。
また、例えばですが、日本瓦は重いのでカバー工法(重ね葺き)での補修はできませんが、コロニアルでしたら可能です。
さらに、同じように広く普及しているいガルバリウム鋼板と比較した場合のリフォーム費用が、コロニアルのほうが安く抑える事ができます。
ガルバリウム銅板は、表面がツルツルしているので塗料が付着しにくく、高度なケレン作業が必要となるので、作業費用が高額になるのです。
※アスベストを含んだコロニアル屋根の場合は、アスベスト対応により作業も難しくなり、費用も高額になります。
◎ まとめ ◎
今回はコロニアル屋根について解説しました。
2006年以前に建てられた住宅のコロニアルを含めたスレート屋根には、アスベストが入っている可能性があります。
コロニアル屋根には沢山のメリットがありますが、屋根の補修を検討されている方は設計書などを見直して、今一度確認してくださいね。
次回はコロニアル屋根のデメリットと劣化症状について解説します!
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