【玄関ドアリフォーム】カバー工法について徹底解説!
最近『玄関ドアのカバー工法』というワードを聞いたことがある、という方が増えてきているようです。
屋根のカバー工法が随分一般的に認知され、外壁のカバー工法も少しずつ認知されてきています。
玄関ドアのカバー工法とは、一体どういうことなのでしょうか。
今回は、玄関ドアのカバー工法について解説します。
◎今までの玄関ドアの交換方法
カバー工法が確立されるまでの玄関ドア交換工事は、大掛かりな工事でした。
ドア周りの壁を壊し、既存のドアを取り外し、新たなドアを取り付け、そのドア周りを整備しなくてはいけないからです。
大工さん、サッシ屋さん、クロス屋さん、タイル屋さん、そして外壁工事も必要でした。
玄関周りの壁を壊してから修復しなくてはならないので、その分時間も費用も掛かります。
1枚の玄関ドアの交換には、色々な費用が掛かっていたのですね。
◎新しい工法 カバー工法とは
屋根にしても、外壁にしても、カバー工法は『既存のものの上から新しくかぶせる(カバーする)』ものになります。
というわけで、玄関ドアのカバー工法についても、『既存の玄関ドアの枠組みに、新規の枠組みをかぶせる(カバーする)』ように取り付けるということになります。
カバー工法の場合、新築時に埋め込まれている枠組みを利用しますので、ドア周りの壁を壊す必要はありません。
そのため工程が簡素化され、費用や工期もそれまでの玄関ドア工事と比べて、あまり掛からなくなりました。
大規模工事だった玄関ドアリフォームが、カバー工法の確立によって劇的に簡単なものとなり、一気に手軽なリフォームへと進化したのです。
◎玄関ドアカバー工法のメリット
①経済的
リフォーム前のドア枠を取り外すためには、ドア周辺の壁と床を壊さなくてはいけません。
そうなれば作業工程は大工・サッシ・外壁・クロス(壁紙)・タイルと多くなり、作業工程が増えた分は材料費や人件費なども上がります。
カバー工法による玄関ドアリフォームは、壁と床を壊す必要がなくサッシ工事のみのため、費用が安く経済的です。
②工期が短い
従来の玄関ドアリフォームは、工期が約1週間前後掛かっていました。
リフォーム中は防犯面も心配ですし、ご近所への配慮も必要になってきます。
カバー工法による玄関ドアリフォームは、朝から作業を始めて、ドアのタイプによっては半日から1日で完了します。
ご近所への気遣いも1日で済みますし、工事の際の音やほこりなど、近隣への配慮も最小限で済みます。
◎玄関ドアカバー工法のデメリット
①幅と高さが変わる
既存の枠組の上から被せるように、新しいドアの枠組みを装着するため、「既存ドアのよりも」サイズが小さくなってしまいます。
サイズ的には、幅で約5cm、高さで約3cm。
バリアフリーの改修基準は、有効開口で750mm(75cm)ですので、仮に既存ドアで目一杯使用する必要があるという方は注意が必要です。
特に幅が5cm小さくなると、車椅子などが通れなくなる可能性もあります。
ただし、大小サイズの異なる扉を組み合わせた親子ドアや、ドアの横に窓のようなものを取り付けた袖付きドアの場合は、心配する必要はありません。
メインとなるドアの幅はそのままで、サブ扉や袖といった小さい方のドアや窓のサイズを調整することができるからです。
扉1枚のみの片開きドアの場合は、幅の影響を受けやすくなりますので、気を付けましょう。
②下枠部分に段差が付くことがある
ドアの下枠立ち上がりが20mm未満の場合、段差が付くことがあります。
この現象は、古いドアの場合に多いようです。
逆に考えると、ドア下枠の立ち上がりが20mm以上あれば、メーカーを問わず段差は付かないということになります。
幅の時と同様に、段差によって車椅子やベビーカーの乗り入れなどが不自由になる場合は、段差緩和材を入れてつまづかないようにするなどの対策が必要です。
③ドアのサイズ変更が難しい
カバー工法は既存の玄関ドアの枠組みに被せますので、基本的に既存の枠組みより大きいサイズのドアを取り付けることはできません。
例えば、片開きドアから親子ドアにしたいといった工事、枠組みのサイズを大きくしないといけませんので、カバー工法によるリフォームは出来ないのです。
既存の枠組みよりも大きなドアを取り付けたいという場合は、カバー工法ではなく、壁を壊して新規枠組みの装着をする必要があります。
◎玄関ドアを選ぶポイント
①ドアの種類を揃える
玄関ドアの種類を変えると、カバー工法での玄関ドアリフォームが出来ない可能性があります。
同じ種類のものにしておくのが無難でしょう。
どうしても玄関ドアの種類を変えたい場合は、追加工事が必要になるのか?その内容や追加料金など、依頼する業者に相談してから再検討された方が良いでしょう。
②断熱性を考える
玄関は建物内であたためられた熱が、多く逃げていく場所です。
玄関ドアの断熱性が低いと、夏は暑く、冬は寒い家になってしまいます。
せっかくリフォームをするのですから、断熱性も考慮して、快適に過ごすことのできるドアを選びましょう。
③使い勝手の良さを考える
ドアの種類以外にも、ドアノブや鍵など、考えるポイントは他にもあります。
玄関ドアは毎日開け閉めを行うものになります。
特にドアノブや取っ手は、使い勝手や防犯性が気になるところですので、しっかりと考えながら選ぶと良いでしょう。
◎まとめ
カバー工法が確立されてから、玄関ドアのリフォームは身近なものになりました。
玄関ドアが変わると、家のイメージもガラリと変わります。
各メーカーから、種類や色など、様々なものが販売されていますので、迷う方も多いかもしれません。
メリット、デメリットを踏まえ、ポイントをしっかりと押さえて、お気に入りの玄関にしてください。