【屋根工事】屋根の「葺き替え」とは?費用は?メリット・デメリットも徹底解説!
屋根工事の中で大型リフォームと言えば屋根葺き替えと屋根カバー工法が挙げられます。
工事を検討するタイミングとしては、経年劣化により屋根が寿命を迎えてしまった、雨漏りなどの不具合で部分補修では解決に至らない、といった事情があるケースがほとんどです。
屋根材を新設するリフォーム、大きな費用がかかります。
我が家は葺き替えにしたほうがよいのか?それともカバー工法??気になるところですよね。
今回は葺き替え工事の特徴とメリット・デメリット、そして費用について徹底解説します。
屋根工事を検討するタイミングはいつ?
屋根材に下地には寿命があり、何十年も住む中で必ず屋根リフォームを行わなくてはいけないタイミングが訪れます。
①屋根材が寿命を迎えている
雨や風、紫外線など自然の影響を最も受けやすいのが屋根です。
そうした自然の影響を強く受けることによって、日々劣化を進めています。
スレート屋根・・・・ひび割れ、反り
金属屋根・・・・・・錆、錆による穴あき
セメント瓦・・・・・割れ、欠け、
このような症状がでてきたら、寿命のサインです。
屋根材によって症状は様々ですが確実に寿命が訪れます。
そうなってしまうと、雨風からお住まいを守る事が困難となる為、葺き替えや屋根カバー工法を検討するタイミングになります。
屋根の寿命
いぶし瓦・・・30年~50年
セメント瓦、モニエル瓦・・・30年~40年
スレート・・・20年~30年
アスファルトシングル・・・10年~20年
トタン・・・15年~20年
ガルバリウム銅板・・・25年~35年
※屋根材の寿命は環境によって異なります
②雨漏りが発生
すべての雨漏りに葺き替えや屋根カバー工法が必要というわけではありません。
台風や強風などといった自然災害によって屋根の一部が壊れたといったような場合は、被害箇所の補修のみで済みます。
しかし、新築から15年、20年経ったある日、経年劣化による不具合箇所から突然雨漏りが始まった、直しても直しても雨漏りが再発するといった場合は、屋根に不具合があり、それが全体に及んでいる可能性があります。
それでは次に、屋根の葺き替え工事内容、それぞれの特徴について解説していきます。
屋根の葺き替えとは
これまでの屋根を解体・撤去し、新しい屋根に葺き替えることです。
屋根材だけでなく野地板や防水シートといった下地も新しくなります。
既存の屋根材を剥がしますので、下地や屋根の内部の傷み具合を確認、補修できるのが特徴です。
瓦屋根やスレート、金属屋根など、種類の多い屋根材ですが、葺き替え工事をすることでご自分が希望する屋根材にすることができます。
葺き替え工事のメリット
①家の寿命が延びる
屋根の葺き替えは屋根材とともに下地である野地板や防水シートも全て新しく取り換えるため、屋根の機能が新しくなります。
つまり、建物を風から守る機能がよみがえり、家自体の寿命を延ばすことができるのです。
②家の外観を変えられる
屋根は家の外観の大部分を占めていますので、屋根が変わった事によって家に対する印象が大きく変わります。
屋根の葺き替え工事は、例えば瓦→スレート屋根、金属屋根など、素材自体を新しくするため、家の外観を一新し、違った印象にすることが可能です。
③軽い屋根にすることで耐震性が高まる
日本の一般家屋に使われる屋根材は、瓦屋根の割合が多くを占めています。
瓦屋根は耐久性が高い、というメリットがありますがその一方で重量が重い、という欠点もあります。
屋根材が重くなると、建物にかかる負担がどうしても大きくなります。
スレート屋根や金属などの軽い素材の屋根材に取り換えることで、建物への負担が少なくなります。
葺き替え工事のデメリット
①費用が高く工期が長い
屋根塗装や修理に比べて、屋根材を全て取り換えるため材料費が高くなってしまいます。
既存の屋根材・下地材なども全て処分する必要があるため、その費用もかかってしまいます。
また、大規模工事ですので工期も長くかかります。
②廃材が出ることによる近隣への影響
既存の屋根材を処分する際に破片が近所まで飛んでしまうことがあります。
屋根材を屋根から下に降ろす際に細かいほこりは舞ってしまうので、それが原因で近隣トラブルにつながることも考えられます。
葺き替えにお勧めの屋根材
葺き替えに使用する屋根材の種類と、お勧めの屋根材をご紹介します。
性能や外観、費用なども異なってきますので、その特徴を理解した上で、選びたいですよね。
屋根材選びの際に参考にしてください。
①和瓦
日本で最も親しまれてきた屋根材です。
通気性を確保した工法によって断熱効果を得ているので、日本の気候に対応できる屋根材です。
また耐久性が非常に高く、瓦自体のメンテナンスが不要という良い点があります。
ただ、重量があるので耐震性に影響を及ぼします。
②スレート屋根
スレート瓦は別名「カラーベスト」「コロニアル」などとも呼ばれます。
その価格の安さ、施工のしやすさから日本の新築住宅にて最も多く使用されている屋根材です。
和瓦と比較すると軽量であるため、建物にかかる負荷が少なく耐震性に優れています。
種類が豊富であらゆる住宅に使用することが可能です。
しかしスレート瓦の主成分であるセメントに防水性がなく、表面を塗装した状態で使用されます。
劣化すると防水性が低くなってしまいますので、定期的なメンテナンスが必要な屋根材であると言えます。
③ガンバリウム銅板
ガルバリウム鋼板の屋根は耐用年数が長く、軽くて安価な人気の屋根材です。
心材となる鋼板の腐食を防ぐ為に、亜鉛・メッキ・シリコンで構成されたメッキ鋼板のことをいいます。
デザイン性に優れていて、スレート型のものや瓦型のものなど、デザインが自在であることも人気の理由であると言えます。
金属系の屋根材の中では一番耐用年数が長く軽量で、比較的安価で施工できるため人気が出てきた屋根材です。
葺き替えならどんな屋根でも使用できる?!
屋根葺き替えは全ての屋根で施工可能ですが、使用できる屋根材が制限されることがあります。
建物というのは外壁材や屋根材の重さに応じて柱や耐力壁の数が決められます。
住まいは屋根の重さに応じて設計していて、現在より重い屋根はお勧めできません。
葺き替え工事にかかる費用
屋根の葺き替えは一般的に80~200万ほどかかります。
屋根材以外に足場組み立てや、取り外した屋根材の撤去費など、多くの工程を必要とします。
工程 | 内容 | 平均単価 |
新設屋根材施工費 | セメント瓦 |
5,000~10,000円/㎡ |
和瓦・洋瓦 |
8,000~15,000円/㎡ |
|
スレート |
5,000~7,000円/㎡ |
|
ガンバリウム銅板 |
6,500~8,000円/㎡ |
|
屋根下地補修費 | 下地補修 |
2,000~3,500円/㎡ |
防水シート費 | 防水シート |
500~1,500円/㎡ |
足場仮設・撤去費 | 工事するための足場設置・撤去 |
700~800円/㎡ |
シート養生 | ゴミ等が近隣に飛散しないためのシート設置 |
150~250円/㎡ |
廃材処理費 | 取り外した屋根などの廃材撤去費 |
50,000~80,000円/一式 |
運送費 | 屋根材・材料運搬 |
20,000~40,000円/一式 |
管理費 |
人件費 |
20,000~40,000円/一式 |
撤去屋根材がアスベストを含んでいる場合 | アスベスト処理費 |
20,000~80,000円/㎡ |
※屋根の形状や広さ、既存屋根材の種類、業者や住んでいる地域など、条件によって値段が変わってきます。
◎ まとめ ◎
今回は屋根の葺き替え工事について解説しました。
屋根の葺き替えは、屋根を一新し、建物全体の寿命を延ばすことにつながる改修工事ですが、大がかりな工事で費用も高くつきます。
ですが、普段は見えない屋根の下地を点検できるなど(下地補修)のメリットもあるので、費用分の効果を得られることは間違いありません。
屋根の状態を確認しようと、屋根に上ることはなかなか無いと思います。
そして屋根に上ることは大変危険です。
目安としてですが、屋根材の寿命を知っておくことはリフォームのタイミングを計る際の参考になるのではないかと思います。
次回はもう一つの屋根工事、「屋根カバー工法」について徹底解説いたします!
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