【クリヤー塗装③】クリヤー塗装に使用する塗料ついて
【クリヤー塗装①】では、クリヤー塗装とは何なのか?そして、クリヤー塗装が出来る外壁のポイントについて解説しました。
前回の【クリヤー塗装②】では、クリヤー塗装が出来ない外壁について解説しました。
今回はクリヤー塗装に使用する塗料について解説します。
◎クリヤー塗料の特徴・耐用年数・価格相場
クリヤー塗装に使われる合成樹脂は、色付きの外壁塗装で使用する上塗り材と同様に『アクリル樹脂』、『ウレタン樹脂』、『シリコン樹脂』、『フッ素樹脂』があり、さらにそこから『水性系』と『溶剤系(油性)』に分類されます。
そのため耐久年数は合成樹脂のグレード、水性が油性かで決まります。
例えばシリコン樹脂のクリヤー塗料とフッ素樹脂のクリヤー塗料で比較しても、耐用年数や相場の価格は異なります。
一般的な外壁塗装で使用される、顔料の含まれた塗料と同様に、クリヤー塗料にもその種類によって特長や効果などの違いがあるため、しっかりと見極めることが重要なポイントとなってきます。
①アクリル系クリヤー塗料
4種類のクリヤー塗料の中で最も安価なものが、こちらのアクリル系クリヤー塗料になります。
他の3種類と比較すると、耐熱性や耐候性などは劣り、耐用年数の目安も5~8年程度と短めです。
ただ透湿性を発揮するため、軒天(屋根の真下部分にある壁。外壁から外側に出ている屋根の裏部分になります。)など『見えたり隠れたりする部分』で使用されるケースが多いと言われています。
またアクリル樹脂は透明度が高いことで知られています。
その特性を活かし、クリヤー塗料の中で『ピュアアクリル』という商品も存在しています。
ピュアアクリルはフッ素系塗料と同等の耐久年数(12~15年程度)があると言われているため、アクリル系を選んだとしてもクリヤー塗料であれば、その効果に期待が持てます。
値段は1,400~1,600円/㎡です。
②ウレタン系クリヤー塗料
光沢度が高く、既存外壁への付着性に優れているというのが、ウレタン系塗料の特長になります。
耐久性はシリコン系塗料と比べると劣りますが、その分安価で塗装が行えるというメリットがあります。
ウレタン系クリヤー塗料の耐用年数は、8~10年程度が目安とされていて、元の色合いに光沢がかかりますので、デザイン性の高い外壁であれば尚の事、新築時のような外壁が期待できるでしょう。
値段は1,700~2,200円/㎡です。
③シリコン系クリヤー塗料
通常の色付き外壁塗装でも最も多く使用されているシリコン系塗料の特長は、耐熱性や耐候性に優れているという点です。
特に耐熱性については、約600℃の熱にも耐えることができると言われています。
塗料の原料となるシリコン樹脂は、ほかの原料と融合しやすいという特長を持っていることから、変形塗料として使用されるパターンも多くあり、耐用年数も10~12年程度が目安とされています。
クリヤー塗料では、シリコン系とフッ素系の2種類が合わさった『UVプロテクトクリヤー』という商品が代表的です。
値段は2,200~3,000円/㎡です。
④フッ素系クリヤー塗料
ここまで紹介した4種類の中で最も高価なものにはなりますが、耐用年数は12~15年程度が目安と、最も長いのが、こちらのフッ素系クリヤー塗料です。
耐熱性や耐候性以外にも、親水性や防カビ性も優れている有能な塗料ですので、新築時の外壁をそのまま活かしつつ、何度もメンテナンスをしたくないという方におすすめです。
クリヤー塗料ではUVプロテクトシリーズが主流で、こちらはセラミック成分が配合されていることから、『耐熱性』、『耐候性』、『親水性』、『防カビ性』加えて、低汚染効果も期待ができます。
値段は3,800~4,800円/㎡です。
◎クリヤー塗装が通常塗装より安いと言われる理由
クリヤー塗装は、通常の色付きの外壁塗装と比べて、塗装費用が安くなる場合が多くあります。
通常の色付き塗装の場合、『下塗り・中塗り・上塗り』の3回塗装を行います。
クリヤー塗装は『下塗り』の工程をせず、既存のサイディング外壁の上から『中塗り・上塗り』と2回塗装することが殆どです。
そのため1回分の材料費と人件費の分、全体の費用を抑えることが出来るということになります。
しかし、2回塗装であるが故に、塗膜は3回塗装の場合より1層薄くなるわけですから、耐用年数も短くなる傾向にあります。
そのため、通常の色付き塗装をした場合よりも、同じ種類の塗料を使用したとしても、塗り替え時期は少し早目にくるということは、理解しておかなくてはいけません。
◎まとめ
クリヤー塗装に使用される塗料は顔料が含まれていないだけで、一般的な色付き塗料と
変わらない種類があります。
どの塗料を選ぶことがベストなのか、まずはクリヤー塗装についての知識や経験の豊富な業者に相談してみましょう。
次回は、クリヤー塗装をする際の注意点について解説します。
クリヤー塗装って何?クリヤー塗装が出来る外壁についてはこちらから