【コンクリート外壁】劣化症状とメンテナンスについて解説!
「コンクリート打ちっぱなしの家ってオシャレでかっこいい!」
多くの方が持たれる、コンクリート打ちっぱなし住宅に対する第一印象ではないでしょうか。
しかしその反面
「コンクリートは頑丈だから、メンテナンスしなくてもいいんでしょ??」
と思われる方も多いようです。
実際のところ、これは大きな勘違いです。
実はコンクリート打ちっぱなし外壁は、そのシンプルなデザインからひび割れや雨染みなどが目立ちやすいというデメリットがあります。
建物を丈夫で長持ちさせるためには、細やかなメンテナンスを行わなくてはなりません。
そこで今回は、コンクリート打ちっぱなし外壁の劣化症状とメンテナンスについて解説します。
◎コンクリート打ちっぱなしの劣化症状
①ひび割れ
②カビ
③建物内部への水の浸入
④コンクリート表面の剥げ
◎コンクリート打ちっぱなし住宅のメンテナンス
①外壁洗浄
雨水や風に当たっているコンクリート打ちっぱなし住宅において、シミや苔・カビなどの付着物が目立ち始めたら、外壁洗浄のサインです。
目安として、5年おきが望ましいでしょう。
高圧洗浄機を使って、水道水によってコンクリート表面に付着した汚れを落とします。
ただし苔やカビなどは根が深いため、水道水だけで落とし切ることは出来ません。
業者に依頼して、専用の薬品を使い、徹底して除去してもらいましょう。
また、外壁洗浄をご自身でするのは止めておきましょう。
圧の掛けかたによって弱すぎると汚れがきちんと落ちなかったり、強すぎて外壁を傷めてしまったりする可能性があります。
②ひび割れ補修
ある程度築年数が経過すると、ひび割れが目立つようになってきます。
ひび割れの原因として考えられるのは、地震や大雨によって少しずつ地盤が沈むことで、外壁そのものに歪みが生じる場合。
そして、コンクリートの乾燥によって縮んだことによる場合の2つが考えられます。
ひび割れ補修は、フィラー刷り込みという方法で補修を行います。
フィラーには「詰め物」という意味があり、モルタルやセメントを使用します。
ひび割れが大きくなったり、補修箇所が多くなると費用も高額になってしまいますので、早めの対応が良いでしょう。
③撥水剤の塗布
撥水剤の塗布は雨染みに効果があります。
撥水剤は防水性が高く、無色透明ですから、塗装してもコンクリートの質感をそのまま活かしつつ雨染みを防ぐことが出来ます。
費用は一般的な塗料と比べて比較的安価ですが、耐用年数が3~7年と短いため、定期的なメンテナンスが必要です。
④弾性塗料で塗装
弾性塗料の塗装は撥水剤の塗布よりも費用は掛かりますが、ひび割れ(クラック)に効果があります。
弾性塗料の大きな特長として、伸縮性に優れているというものがありますが、その伸縮性がひび割れに効果的なのです。
また下地補修やひび割れ補修をすると、どうしても補修痕が残ってしまいますが、それをカバーできるのが弾性塗料になります。
ただ、弾性塗料は外壁を塗りつぶすことになりますので、コンクリート打ちっぱなしの持つ独特な質感は無くなってしまいます。
また、一度弾性塗料で塗装をした外壁の補修塗装も、弾性塗料のみとなります。
コンクリート打ちっぱなしの外壁から乗り換えたいという場合におすすめです。
⑤カラークリヤー工法
カラークリヤー工法は、漏水・凍害・中性化・サビに効果があります。
透明の塗料に着色剤を混ぜ色付きのクリヤーにしたもので、ホームセンターでは「カラーニス」としてお馴染みです。
カラークリヤー工法では、素材感をうまく活かしたまま美しい仕上がりになったり、防水性能に優れているため、コンクリートの中性化防止の効果があり、コンクリート内に埋まっている鉄筋のサビを防いだりするという特長があります。
撥水剤よりも費用は掛かりますが、耐久性と保護を高めたいという場合にはオススメです。
⑥打ちっぱなしコンクリート描写再現工法
打ちっぱなしコンクリート描写再現工法とは、塗装によってコンクリート打ちっぱなしを再現する工法で、汚れ・サビ・中性化に効果があります。
非常に高い技術が必要とされるため、施工できる業者も限られます。
コンクリートの美観を保ちつつ、下地補修のカバーをし、耐久性も回復・維持させたいという方にオススメな工法になります。
◎まとめ
打ちっぱなしコンクリートはメンテナンス要らずというわけではなく、他の素材の外壁と同じように細やかなメンテナンスが必要だということが分かりました。
例えば塗装であれば、おおよその目安は6~7年が望ましいとされています。
そこまできっちりとまでは行かずとも、劣化症状や使用する塗料によって10年サイクルでの塗装メンテナンスが望ましいでしょう。
コンクリート打ちっぱなし住宅は、その丈夫さから点検やメンテナンスを怠りがちです。
しかし普段から見ておくと、劣化具合がすぐに分かるでしょう。
劣化に沿ったメンテナンスを適宜行うことで、安心な暮らしを守ることにつながるのです。