【屋根】破風板ってどこの部分?基礎知識から修理の方法まで徹底解説!!
破風、または破風板っていう言葉を聞いたことはありますか?
破風板とは、屋根の側面に取り付けられている付帯部の名称です。
屋根の妻側の側面を「破風(はふ)」と呼ぶことから、名づけられました。
※「妻側」とは、棟と直角方向に交わる平行材が渡される面(上部が三角形に切り取られる側面)のことを言います。
また、棟に平行な側面は「平側(ひらがわ)」と呼ばれます。
今回は破風板の役割など基礎知識について解説いたします。
破風板の主な役割
破風板は、施工されている部位の大きさは小さいのですが、思った以上に大きな役割を果たしています。
どんな感じなのかちょっと見てみましょう。
①強風対策
破風板には強風から建物を守るという役割があります。
屋根は、上の方向から吹く風については強いといわれていますが、横や下からの強い風には弱いです。
そこで、強風で屋根が吹き飛ばされないために、ケラバに破風が取り付けられています。
※ケラバとは破風が付いている場所の事です。
②雨漏り対策
屋根内部に水が入ってしまうと、雨漏りの原因となります。
破風板は外壁に当たる雨水を減らして、屋根内部への水の侵入を防ぐといった役割があります。
このように、雨漏りしにくくする目的としても破風板は取り付けられているのです。
③防火対策
破風板には、屋根への火災などによる延焼を抑制する効果もあります。
屋根裏は防火対策がされていない無防備な状態のため、破風板があることで下から上がってきた炎が屋根裏まで上がるのを防いでくれるのです。
もし破風板が無かったら、家についた炎を食い止めることができず、そのまま屋根に燃え移ってしまいます。
延焼を防ぐ効果もあり、水害からも守ってくれる破風板、地味な付帯部という印象がありますが、実はとても大事な部分ということをお分かりいただけたのでは無いでしょうか。
④見た目の美しさ
切妻造り
入母屋造り
破風板の機能というか、屋根に通ずる美観を感じられるのも破風板の魅力のひとつと言ってもよいのではないでしょうか。
破風板をつけることで屋根の側面が見えなくなり、美しさが高まります。
破風板は切妻造り(きりづまづくり)や入母屋造り(いりもやづくり)に顕著な建材で、これらの建築の見どころの一つといえるでしょう。
破風板の材質
破風「板」と言いますが、材料全てが木材というわけではありません。
近年良く使われている材質についてご紹介いたします。
①木材
木材系の破風板は、原料は主にスギを使っていて、木材用の塗料を塗布して使われます。
木材がずっと一般的な破風板の材料でしたが、実は近年、減少傾向にあります。
その理由は、他の材料に比べて木材だけに防火性や耐久性が低いという事と、木材自身の伸縮により塗装が剥がれやすくなっている、という所にあります。
②金属
金属系の破風板の材質は、ガルバリウム鋼板が一般的です。
ガルバリウム鋼板とは、ガルバリウムという合金で鉄をコーティングしたものです。
見た目が綺麗で美しく、耐久性にも優れているので、使われることの多い材質です。
金属系の破風板は、火事の際に延焼を起こしにくいのですが、水分によって錆びるリスクがあるので、塗装の際に対策が必要です。
③窯業系
窯業系の破風板は、大概はセメント等の複合材です。
セメントは吸水性が高いので、専用の塗料を塗って使用されます。
塗料が劣化すると破風板内部に水が浸入するため、数年に一度塗り替え、メンテナンスが必要です。
耐久性と耐火性に優れた材料であるため、近年の利用が増えている破風板素材となります。
④その他の素材
その他の素材としては、プラスチック系、モルタル系などがあります。
プラスチック製の破風板は、軽量で耐久性が高いという特長を持っていますが、熱には弱いです。
太陽光の照り返しの熱で変形してしまう恐れがあるため、施工事例はあまり多くありません。
モルタル性の破風板は、下地の上にモルタルを塗って仕上げます。
外壁がモルタルでできた建造物に多いのですが、モルタル外壁の建物自体が減少してきたため、近年では施工が減っています。
◎ まとめ ◎
いかがでしたか?
「破風(はふ)」と聞いても一般の方は、いまいちピンとこないですよね。
住宅など建物の各部位には、このように名前が付けられています。
建築で使われている用語ですから、一般の方がピンとこないのは当たり前のことなのです。
また、破風板に使用される確素材のメリット・デメリットを比較してみると、窯業系の破風板は耐久性と耐火性に優れているので、最近は人気があるようです。
住宅のリフォームを検討されている方は、破風板の素材に窯業系のものを候補に入れてみてはいかがでしょうか。
次回は破風板における劣化症状、メンテナンスについて解説して参ります。