【屋根点検】スレート屋根の点検ポイントをまとめました
何気なく見上げた屋根。
「あれ?前回屋根を見たのはいつだったかしら。」
「台風が来る前に点検しておきたいけど、どうしたらいいんだろう?」
このように気になっているけれど、なかなか行動に移すことが出来ない方はいらっしゃいませんか?
屋根は普段見えない場所だからこそ、こまめな点検が重要となります。
そこで今回は、現在日本の住宅で約7割程度使用されているスレート屋根の屋根点検について解説します。
◎スレート屋根の特徴
スレートは粘板岩を薄い板状に加工した「天然スレート」と、セメントに繊維素材を混ぜて薄い板状に加工した「化粧スレート」の2つに分かれます。
天然スレートは高級感のある素材ですが、価格が高いということから日本ではあまり普及しておらず、一般的にスレートというと後者の「化粧スレート」を指します。
「カラーベスト」や「コロニアル」と聞くと馴染みがあるかもしれません。
化粧スレートは軽量で耐震性が高いにも関わらず価格帯が低いため、初期費用を抑えることができます。
また屋根材としての普及率の高さから、施工できる業者が多いというのもメリットです。
その反面、耐久性や防水性は低いため、割れやすかったりコケやカビが発生しやすかったりというデメリットがあります。
そしてそのデメリットをカバーするためには、表面を保護するために定期的な塗り替えをしなくてはいけません。
また、築年数が古い建物の場合は、アスベストが使用されている可能性があります。
例えば葺き替え工事をする場合は、アスベスト対策をとる必要があり、費用はかなり高額になるでしょう。
◎点検費用は無料?有料?
業者に屋根点検を依頼する場合、費用が発生するのかというのは非常に気になるところでしょう。
実際のところ、点検費用についての法的な縛りはありませんので、無料のところもあれば有料のところもあります。
点検のみでも有料という理由は、屋根まで届くハシゴを積んだ車での移動や、ハシゴを押さえる人と屋根に上がる人の2人分の人件費が掛かってしまうためです。
お住まいの地域にある業者や屋根工事専門業者だと、無料で行っている場合が多いようです。
点検を依頼する場合は「とりあえず点検だけお願いしたいのですが、費用は掛かりますか?」と確認しておきましょう。
◎スレート屋根点検でのチェックポイント
スレート屋根における屋根点検では、どのようなところにポイントを置いて点検しているのでしょうか。
①棟板金
棟板金は、屋根の頂上にある金属製の部材です。
台風や強風時などに「屋根が飛んだ」と言いますが、この棟板金が飛んでいることが大半です。
・強風や経年によって固定している釘がゆるみ、板金が浮いていないか
・棟板金同士の境目をつないでいるコーキングが切れて、隙間ができていないか
・棟板金の材質がトタン製の場合、サビが発生していないか
最近はサビに強いガルバリウム鋼板が増えていますが、それでも10年以上ノーメンテナンスであればサビることがあります。
②釘
棟板金は釘によって固定されています。
・釘は浮いていないか
・スチール製の釘の場合、錆びが発生していないか
建築当初はきちんと打ち込まれている釘も、気温の変化や板金の熱膨によって時間を掛けて少しずつ浮き、しまいには飛び出してしまいます。
また、通常屋根に使用するのは錆びに強いステンレス製ですが、時々スチール製が使用されている場合があります。
スチール釘は錆びて形状が崩れてしまうと釘の役割を果たさなくなりますので、ステンレス釘への交換が必要となります。
③吸水
霧吹きのような容器を使用して屋根材に水を軽く吹きかけます。
新築時は表面の塗装がしっかり生きていますので、水を吹きかけると水玉が出来るような、しっかりと水を弾く状態です。
経年劣化によって塗膜が弱くなると、徐々に水を弾かなくなり、逆に吸い込んでしまいます。
④コケやカビ
黄色、緑色、白など、屋根材表面にツブツブしたものが付着していれば、それはコケやカビです。
北面の屋根や、すぐ側に高い建物があるなどして日当たりがあまり良くないスレートに繁殖しやすいという特徴があります。
経年によって防水性が低下したことによって、湿気や雨水を吸い込み、スレートが湿った状態であるという証拠になります。
⑤ひび割れ
日当たりが悪く湿気が溜まりやすい北面に出来ることが多いコケやカビとは違い、ひび割れはどの面にも発生します。
ただどちらかと言うと、日当たりの良い南面に多くひび割れが発生しやすい傾向にあります。
⑥反り
新築時はまっすぐ整っていたはずのスレート屋根も、時間の経過とともに防水性が低下し吸水が始まるため、徐々に反りが起き、変形して浮き上がってきます。
そのため、スレートを先端からのぞき込むような角度で目視を行い、反りが起きていないかをチェックします。
日当たりの良い南面の屋根だと、見つけやすくなります。
★パミール屋根に注意★
スレートの先端がめくれ上がるよう、そしてミルフィーユのように層状に剥がれている場合、その屋根材はカラーベストやコロニアルではなく「パミール」という素材の屋根かもしれません。
パミールの場合は塗装によるメンテナンスは出来ず、屋根リフォームの際はカバー工法若しくは葺き替え工事になります。
◎まとめ
いかがでしたでしょうか。
屋根点検の際は、屋根本体だけでなく、本来外壁の付帯部となる破風板や軒天、雨樋も一緒に確認します。
点検のタイミングとしては、3~5年周期若しくは、台風や強風、大雨などの後に実施することも有効です。
3年おきの点検は忙しい気もしますが、短いスパンで点検を受けておくことで屋根劣化の状況を把握することが出来ます。
それによってメンテナンスの検討材料にもなるでしょう。
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