【屋上の防水①】屋上防水の基礎知識について解説します!~種類・劣化症状~
「屋上の防水ってベランダの防水と違うの?そもそも何?」
「メンテナンスは必要なの?」
屋上防水とは、マンションなどの住宅やビル、屋上の床に施工されている防水層のことです。
防水層があることで、建物が水から守られ耐久性を保つことが出来ます。
ただこの防水層は年数が経つと劣化するため、定期的な防水工事が必要になります。
劣化したまま放置していると、症状が進んで雨漏りしてしまい、建物自体の耐久性が悪くなってしまいます。
今回は、屋上防水の基礎知識、屋上防水の種類、劣化症状についてご紹介します。
屋上防水とは
主にビルの屋上や陸屋根と呼ばれる平らな屋根に施工される防水層のことです。
勾配(=傾斜)がある屋根でしたら、雨が降った時に下へ流れていきます。
しかし、屋上などの平らな屋根は雨水が排出しにくく溜まりやすいので、防水工事が必要になるのです。
この防水層によって、雨水の侵入を防ぎ建物の耐久性を維持しています。
ですが、この防水層も経年劣化をしてしまうので、定期的なメンテナンスが必要になります。
屋上防水の主な劣化症状
主な劣化症状には、ひび割れ、膨れ、剥がれ、水たまり、雨漏りなどがあります。
施工して7~10年ほどで劣化症状が出てきますので、メンテナンスが必要になります。
①ひび割れ
防水層の表面がひび割れてしまう症状です。
築7~10年で発生することが多いようです。
②膨れ
防水層の下地が水を含んでしまっている場合に、その水が蒸発しようとして膨れが起きます。
③剥がれ
シート防水の継ぎ目部分が劣化して、防水シートが剥がれてしまう症状です。
ウレタン防水の場合も防水材が劣化するとこのような現象が起きます。
こちらも施工後7~10年で発生することが多いです。
④水たまり
屋上の床面が歪んでしまって、水はけが悪くなってしまっている状態です。
水はけが悪くなると、防水層も劣化して雨漏りも発生しやすくなります。
⑤雨漏り
防水層の劣化を放置しておくと雨漏りが発生します。
雨漏りの発生場所を突き止めるのは難しいので、雨漏りが発生したら部分的な補修ではなく、防水工事のやり直しが必要です。
また、内部の建材が傷んでしまっていた場合は、大工工事も必要になるため大規模工事になるケースもあります。
屋上防水の施工種類
屋上の防水工事で行われる施工方法は、主に3つあります。
①ウレタン防水
②シート防水
③アスファルト防水
の3種類です。
それぞれの種類の特徴をご紹介します。
①ウレタン防水
ウレタン防水は、液状の防水材をローラーで塗っていく工法です。
液状なので、複雑な形の床面や、障害物の多い屋上でも対応できます。
ですが、職人の塗装技術によって仕上がりに差が出てしまうので、業者選びには注意が必要です。
工期は4日~5日です。
②シート防水
シート防水は工場で製造された防水シートを張っていく工法です。
厚みが均一なシートを張ることでフラットな防水層に仕上がるので、ムラが出にくいです。
ただし、シートを切り張りしての作業なので、複雑な形や凸凹した床面には不向きです。
工期は4日~5日です。
③アスファルト防水
アスファルト防水は、液状のアスファルトとシートを重ね合わせていく工法です。
重ね合わせるというだけあって、耐久性が高く防水性能も高いです。
ですが、施工中の臭いが強く(アスファルトを熱する時に臭いがでます)、工期が他の防水工事よりも長いというデメリットがあります。
ですので、あまり頻繁にメンテナンスが出来ないような大型物件の屋上におすすめです。
工期は6日~7日です。
防水工事はDIYできる??
結論から言ってDIYでの施工はおすすめできません。
屋上防水をDIYで施工するのはやめましょう!
防水剤を塗る、敷くといった簡単な作業に思われるかもしれませんが、防水の施工は高い技術のいる工事です。
知識がない中での施工により、防水層がムラになり、早い段階で不具合が起きて雨漏りしてしまうことが考えられます。
屋上防水工事は、知識や経験のある業者に依頼しましょう。
◎ まとめ ◎
屋上防水の基礎知識として、防水工事の種類と劣化症状、DIYについて解説しました。
屋上の防水にはウレタン防水、シート防水、アスファルト防水が向いています。
FRP防水という工法も最近はよく耳にするかと思いますが、FRPは軽くて丈夫ということがメリットな半面、伸縮性がない材質なので、広範囲で使用すると衝撃に耐えられずヒビ割れをしてしまいます。
ですので、屋上に比べ面積の小さいベランダ、バルコニーではFRP防水という工法を用いることが殆どです。
次回は、屋上防水の種類それぞれの耐用年数、費用相場、メンテナンス方法について比較しながら解説していきます。