【コーキング④】コーキングの補修について徹底解説!
ここまで【コーキング①】では、コーキングの概要と役割について。
【コーキング②】では、コーキングが使用されている箇所について。
そして【コーキング③】では、コーキングの劣化について触れてきました。
劣化に気付いてはいても、『これくらいならもう少し大丈夫だろう』と、対処が後回しになってしまうことの多いコーキング。
今回は、コーキングの補修について解説します。
◎補修方法は2種類
①打ち替え
既存のコーキングを全て撤去し、新しいコーキング材を充填していくという補修方法になります。
コーキング本来の効果を取り戻すことができますが、撤去するという工程に時間と手間が掛かるため、その分補修費用は高くなってしまいます。
②増し打ち
既存のコーキングを撤去せず、上から新しいコーキング剤を充填していくという補修方法になります。
劣化の状態が比較的軽い場合に、可能な補修方法になります。
打ち替えに比べ既存のコーキングを撤去する必要がありませんので、工期も短くなり、費用も安く抑えることができます。
しかし既存のコーキング材と相性の悪いコーキングを打ってしまった場合は、補修してもすぐに剥がれてしまいますので注意が必要です。
◎補修をするのは業者?それともDIY?
コーキングの補修方法には『打ち替え』と『増し打ち』の2種類があるということが分かりました。
さて、実際に補修を行う時には、業者に依頼した方が良いのでしょうか。
それとも必要な道具などを揃えて、DIYをした方が良いのでしょうか。
①DIY補修の危険性と注意点
ホームセンターに行けば、コーキング補修に必要な道具などが所狭しと並んでいます。
DIYでコーキング補修を行えば、自分の好きなタイミングで作業ができますし、費用も安く抑えることができるというメリットがありますね。
しかし、その裏にはDIYで陥る危険性や注意点が潜んでいるということを忘れてはいけません。
a)安全面
補修箇所は関係なく、DIYで最も気を付けなくてはならないのが『安全』です。
特に外壁などの外回りでは、高い位置からコーキングが打たれていることが殆どです。
『長いハシゴがあるから』
『自分は背が高いから』
と、脚立を使って作業を行っても、落ちる危険性があります。
さらに落ち方が悪ければ、大怪我や、もっと取り返しのつかない事態になってしまう可能性も、ゼロではありません。
職人は工事をする際は、足場を組み、必ずヘルメットを着用しています。
それは会社のロゴ入りヘルメットを着用し、会社の宣伝をするためではなく、どんな現場にも必ず危険が潜んでいるということを熟知しているからで、プロであるからこそ安全に配慮しなくてはならないということを分かっているからです。
補修費用を抑えるためにDIYをしても、脚立から落下して大怪我を負ってしまえば、治療費だけではなく本来の仕事もお休みしなくてはならないなど、そのデメリットは大きくなってしまいます。
b)耐久性
コーキングを長持ちさせるためには、既存のコーキングをいかに綺麗に撤去することができるか?そしてプライマーをどれだけ丁寧に塗ることができるか?この2つがポイントになります。
既存のコーキング撤去は、みなさんが想像しているよりもずっと過酷な作業です。
そして足元が不安定であれば、撤去はもちろんのこと、プライマーやコーキングなどの作業も雑になる可能性が極めて高くなります。
せっかく打ったコーキングが短期間で取れてしまい、最終的に業者に依頼するのであれば、最初に掛かったDIYの時間や費用は全て水の泡になってしまいます。
完成度に少しでも不安があるのなら、最初から業者に依頼する方が結局は安上がりになるでしょう。
c)適切なコーキング選択は難しい
コーキングと一言で言っても、その種類はいくつもあります。
簡単に挙げるだけでも
・ウレタン
・シリコン
・変形シリコン
・アクリル
があり、さらに1液・2液というものもあります。
補修箇所によって適したコーキングがあり、その選択を間違えてしまうと、それまで掛かった補修が無駄なものになってしまう可能性があります。
d)外壁のひび割れ補修をDIYでしてはいけません
外壁のひび割れ補修も、コーキングを使ってDIYができるように感じるかもしれません。
しかし、ひび割れ補修には技術が必要です。
コーキングの付きが良くなるよう、ひび割れを起こしている外壁の断面を専用工具で削ってからコーキングを充填するのですが、この技術は見よう見まねで出来るようなものではありません。
コスト的には安く抑えることが出来るかもしれませんが、それ以外のメリットは1つもなく、多くの方が後悔してしまうのが外壁のひび割れ補修です。
こちらの補修については、安易に手を出さず、業者への依頼を強くおすすめします。
◎足場って必要?
結論から先に言えば、『必要です』。
コーキング補修を業者に依頼した際、補修箇所や補修面積によって、足場が必要な場合があります。
現在ではどの業者に依頼しても、職人の安全確保を非常に重視していますので、『そんな簡単な場所で簡単な作業でも、足場を組むの?』と、一般の方が思われるような場所でも設置するようになっています。
『昔はそんなこと(足場を組む)なんて無かった』
『前回頼んだ時は、足場を組んでいなかった』
『足場を組むとなれば、その分費用も高くなるでしょう?』
このような声は今でもよく聞かれますが、時代は変わってきていますし、何よりも足場が設置されていない状態で作業していて、職人が転落事故など起こしてしまったら・・・?
依頼側からしても、気分は良くないですね。
足場を設置することで丁寧に仕上げてもらえ、仕上がりの良さに繋がるのであれば、それだけしっかりとした仕事をてもらえるんだと理解していただけると幸いです。
◎お得にコーキング補修をしたい
コーキング補修が広範囲に及ぶ場合、コーキング補修のみで業者に依頼すると、思ったよりも高額になる場合があります。
お住まいの家が、もし外壁のメンテナンスを行っておらず、築年数もしくは前回のメンテナンスからある程度の年数が経っているのであれば、外壁塗装と同時に行うことをおすすめします。
外壁塗装の際は、必ず足場を設置しますので、足場代も1回分で済みます。
また、外壁塗装と同時に行うことでコーキング補修の精度が上がり、コーキングだけではなく建物全体の点検を受けることができます。
コーキングに劣化が現れているということは、外壁のメンテナンスも必要なタイミングにある可能性が十分にあります。
◎まとめ
コーキングの劣化を放置しておいてプラスになることは、何一つありません。
大切なお住まいに想像以上の被害をもたらすため、安易に考えてはいけないのです。
また補修費用を抑えるために、DIYでの補修を検討される方もいらっしゃるでしょう。
しかし業者の補修とは、様々な側面から見ても決定的な違いがあります。
DIYはあくまでも短期的かつ応急処置であると捉え、必ず業者による点検や補修を行っていただきたいと思います。
また、外壁塗装を一緒に行うという方法は、その場の費用は高額になるため、一見すると損をした気分になるかもしれません。
ですが、長期的なメンテナンスコストも抑えることができる安心な方法だと思います。
住まいの機能を復活させ、安心して暮らすことができるよう、ご家族でしっかりと話し合ってみてください。