【コーキング①】コーキングって何?その役割について徹底解説!
『コーキング』と聞いて、パッと思い浮かびますか?
どこに使われているんだろう?
コーキングの役割って何?
今回は、お家の内外を問わず、実は様々な場所で活躍しているコーキングについて解説します。
◎そもそも『コーキング』って何?
例えば外壁で説明すると、外壁材と外壁材の間にあるゴム状のパッキンがコーキングです。
お家の中で言えば、分かりやすいのはお風呂の浴槽と壁、洗面台と壁といった、主に水回りにある設備と壁の隙間を埋める、ゴム状のパッキンになります。
(外壁のコーキング)
(洗面台のコーキング)
◎コーキングの役割
たかがゴムパッキンと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、建物の気密性や防水性を高め、その機能を維持するために、とっても重要な部材です。
外壁材と外壁材の間、お庭のテラスタイルの隙間、窓周り、お風呂場、洗面台・・・全てコーキングによって、生活に悪影響が出ないよう充填されています。
サイディング外壁の場合、外壁面積に対してコーキング剤は1.3~1.4倍の長さにもなります。
外壁面積が120㎡のお家ですと、約156~168mのコーキングが使用されているということになります。
建材同士の隙間に充填されているコーキング剤は、『気密性』、『防水性』の他に、『クッションのような役割』も担っています。
建物は常に、生活に影響のない範囲で揺れていますので、クッションの役割がなければ微かな揺れでも耐え切れず、倒れてしまいます。
コーキングの主原料は、ポリウレタンやシリコンなどの樹脂です。
樹脂は紫外線や経年劣化によって、ゆっくりと傷んでいくというのはご存知でしょうか。
コーキングの原理は輪ゴムと同じです。
頑丈な輪ゴムでも、野外に放置しておくと劣化し、プチンと切れてしまいます。
これは輪ゴムに柔軟性を付与している成分が、紫外線によって破壊されたからです。
コーキングと輪ゴムの原理が同じということであれば、外壁のコーキングや家を建てた頃からずっとそのままにしているコーキングは傷み、汚れ、本来の機能が失われていくというのは、容易に想像できるのではないでしょうか。
ここでは、防水性とクッション性について、外壁に当てはめて解説します。
①防水性
外壁材を設置する際は、どうしても隙間が生じてしまいます。
その隙間を埋めるのがコーキングです。
この隙間がきちんと埋まっていなければ、雨が降った時にコーキングの隙間から内壁へ染み込み、雨漏りに繋がってしまう事があります。
また、気付かず放置しつづけていたことで症状が酷くなり、躯体がシロアリ被害に遭ってしまうという最悪なパターンもあります。
コーキングは雨漏りや漏水を防止し、建物寿命を延ばすことで、総合的に考えた住宅メンテナンスコストを削減する役割を担っています。
②クッション性
特にサイディング外壁の場合、クッション性は大きな役割となります。
建材は暑さや寒さによって、膨張と収縮を繰り返しています。
外壁と窓サッシ、浴槽と壁のような、建材同士がぶつかり合うのを防止しているのです。
特に屋外で使用されている建材では、膨張と収縮が顕著に見られます。
そのような状況の場所を、直接固定してしまった場合は、繰り返される膨張と収縮の動きに追随できず、外壁材が割れてしまったり、歪みが生じたりするため、外壁としての耐久性が著しく低下してしまいます。
外壁材と外壁材の間にコーキングを充填することで、それが緩衝材となり、外壁や住宅設備を守り、建物の資産価値を守っているのです。
◎『コーキング』と『シーリング』の違い
結論から先に言うならば、コーキングもシーリングも、同じ意味として認知されており、大きな違いはありません。
それは現在、建築業界全体で『コーキング』、『シール』、『シーリング』として統一表記されているからです。
例えて言うなら、『登山』と『山登り』は言葉は違いますが、意味は同じですね。
その程度の違いだと認識されて良いでしょう。
また、『材料をコーキング剤』と言い、『作業をシーリング工事』と言う場合もありますが、業者の人にはどちらを使っても通用しますので、特に悩まなくても問題ありません。
◎まとめ
見た目は頼りなさそうなゴムパッキンかもしれませんが、実は建物を守るために重要な役割を担っているということがご理解いただけたと思います。
外壁面積に対して1.3~1.4倍の長さものコーキング剤が使用されているとなれば、ご自宅に使用されているコーキングの長さはどれくらいあるのか?
図面を出して、計算してみるのも面白いかもしれませんね。
そしてコーキングとシーリングという言い方には、大きな違いがないということも分かりました。
次回は、実際にどの場所でコーキングが使用されているのかについて解説します。
コーキングが充填されている場所を把握しておけば、セルフチェックの際に役立つのではないでしょうか。