【トタン屋根②】トタン屋根のメリット・デメリット・塗装について詳しく解説!
前回の【トタン屋根①】では、トタン屋根の概要とメンテナンスのサインについて解説しました。
『言われてみれば意識したことは無かったけれど、そもそもトタンって何?』という疑問もすっきり解消しましたね。
また、トタン屋根が出しているメンテナンスのサインもお分かりになられたと思います。
今回は、トタン屋根のメリット・デメリットと実際行われる施工について解説します。
◎トタン屋根のメリット
金属屋根の種類として、現在はトタン屋根の他にガルバリウム鋼板、ステンレス鋼板、コロニアル等があるとされています。
これら金属屋根のメリットですぐ挙げられるのが『軽量である』ということでしょう。
昔ながらの日本瓦と比較すると、その重量はわずか1/10以下。
瓦1枚は平均3kg前後の重量がありますので、トタン屋根は0.3kg(グラム換算だと1枚平均300g)となります。
お肉の小さなパックと変わりませんね。
屋根が軽いということは、建物に大きな負担が掛からないということです。
そのため耐震性に優れ、地震に強いと言われています。
また、金属屋根は継ぎ目が少なく、雨漏りしにくいというメリットもあります。
最大のメリットは、他の屋根材と比較して、材料費・施工費が安く、工事日数も短いということです。
とにかくコストを抑えたい方や、短期間で工事を終わらせたいという方にとっては、魅力的ではないでしょうか。
◎トタン屋根のデメリット
メリットがあるものには、必ずデメリットがあるものです。
トタン屋根をはじめとする金属屋根のデメリットとして、多くの方が気にされているのは、断熱性の低さではないでしょうか。
特に作業現場や物置で、実際にトタン屋根の使い勝手をご存知の方は、そう感じられるのではないかと思います。
薄い鋼板でできているトタン屋根などの金属屋根は、建物外部からの熱を通しやすいというデメリットがあります。
強い日差しによって、室温はぐんぐん上昇してしまいますので、断熱材を入れるなどの断熱対策をしておかないと、どんなにエアコンを稼動させても、暑さが解消されないという可能性があります。
また、遮音性の低さもデメリットです。
建物の外の音が聞こえやすく、響くため、強い雨が降ると会話もままならない場合があります。
音に敏感な方や、静かな環境を好まれる方には向きません。
また、トタン屋根の原料は金属です。
原材料も鉄であることから、表面の塗膜やメッキ部分に傷が付いたり、経年劣化によって塗膜が剥がれてしまったりすると、そこから錆が発生します。
一度発生した錆は、あっという間に屋根全体に広がり、気が付けばあちらこちらに穴が開いていた・・・という事例も、珍しくありません。
現在は改良され、トタンよりも錆にくいガルバリウム鋼板が使用されています。
◎どんな手順で塗装をするの?
屋根材が違っても、基本的に屋根塗装の際の施工手順が変わることはありません。
順を追って紹介していきます。
①ケレン作業・洗浄・下処理を行う
まず最初に行う作業が『ケレン作業』になります。
ケレンとは、サンドペーパーや専用のワイヤーブラシなどを用いて、屋根に付着している汚れを落とし、錆ている箇所があれば錆を削り落とします。
塗装する面を平らにして、全体的に傷を付けることで、塗料がしっかりと屋根に付着します。
反対に、このケレン作業が不十分な場合は、塗料が剥がれやすく、塗装後数年でまた塗り直さなくてはならない場合もあります。
ケレン作業の良し悪しが、塗装の良し悪しを決めると言っても過言ではないでしょう。
ケレン作業で除去した汚れや錆、ホコリや苔などの細かい汚れは、高圧洗浄機を用いてきれいに落とします。
その後はひび割れや釘の浮きなどの不具合があれば、先に補修を行います。
②錆止め塗料を下塗りする
汚れや錆が落ち、ひび割れや釘の浮きなども補修した後は、いよいよ塗装になります。
まず、錆止めが入った下塗り剤を塗装します。
現在錆止めの塗料の種類としては『一般』、『シアナミド鉛』、『一液エポキシ樹脂』、『二液エポキシ樹脂』と4種類ありますが、この中で錆止め効果が高いと言われているのが二液エポキシ樹脂錆止め塗料です。
③中塗り・上塗りをする
ケレン作業から始まり、錆止め塗料の下塗りまで終わりました。
いよいよ仕上げの塗装作業です。
仕上げとなる上塗り塗装は、2回塗装が一般的です。
最初の1回を『中塗り』、2回目を『上塗り』といって、重ね塗りをすることで塗料が持つ本来の機能を十分に発揮することができるのです。
中塗りと上塗りに使用する主な塗料の種類には『フッ素系塗料』、『シリコン塗料』、『ウレタン塗料』、『アクリル塗料』とあります。
この中で最も耐久性に優れているのが『フッ素系塗料』です。
◎まとめ
塗装の手順が分かれば、依頼した施工業者の作業の見方も変わってくるかもしれません。
『これがケレン作業っていうものなんだな』
『塗装ってこんな風にするんだ』
作業を任せっぱなしにしているよりも、作業工程が分かっていれば興味深く観察できるのではないでしょうか。
次回は、塗装費用とDIYについて解説します。