【屋根のアンテナ撤去】テレビアンテナについて徹底解説! あなたのお家の屋根は大丈夫?!
『台風による強風で屋根の上のアンテナが飛ばされた』
『倒れたアンテナが屋根を傷付けてしまった』
『倒れたアンテナがお隣の建物を傷付けてしまった』
台風のあと、このような上記のような理由から、設置されたままのアンテナを何とかして欲しいというご依頼が、何件もありました。
みなさん、取り外した方が良いのは分かっていても、どこに依頼すればよいのか、どのタイミングで依頼すればよいのか、などが分からなかったために、そのまま放置しつづけていらっしゃったようです。
そこでテレビアンテナについて、様々な角度から解説します。
◎アンテナに寿命があるって本当?
テレビアンテナに寿命があるということをご存知の方は、どれくらいいらっしゃるでしょう。
屋根の上に設置されていることが多いテレビアンテナは、屋根や外壁と同様、常に雨・風・紫外線といった自然の影響を受けています。
そう考えると、テレビアンテナに寿命があるというのも納得ですね。
一般的な寿命は約10年と言われていますが、周囲の環境によって5年になったり、20年になったりと変化します。
海の近くや交通量の多い都市部の幹線道路付近、台風や積雪の多い地域では寿命が短くなる傾向のようです。
海の近くは潮風で・・・と想像できますが、交通量の多い幹線道路付近については、車の排気ガスやその他ガスなどによって腐食してしまうようです。
◎どうして設置されたままになっているの?
新しいテレビアンテナを設置する際、業者はどうして、不要なアンテナをそのままにしてしまったのでしょうか。
古いアンテナの撤去をし、新しいアンテナを設置するためには、安全な作業場を確保するために足場を設置しなくてはいけません。
しかし地デジのアンテナは当時、屋根に立って背の届く高さに取り付ければ良かったため、アナログアンテナを支えとして『取り敢えず使用できた』のです。
また設置の際、業者が撤去費用の請求を、取り付け費用に上乗せして請求しづらいという背景もあったようです。
ですが、その当時は『取り敢えず大丈夫』だったアンテナも、時間の経過と並行して劣化し、交換しなくてはならない時期が来ます。
◎アンテナの寿命はどうやって見分けるの?
屋根に設置されたテレビアンテナを見上げてみてください。
・テレビアンテナが傾いていたり、倒れている
・テレビアンテナの一部が破損している
・テレビアンテナの支柱や固定している土台・針金が錆びている
このような症状が目視できた場合は、アンテナの寿命が来ていると思ってください。
また、テレビは普通に観ることができていても、実はテレビアンテナの方は寿命がきているというケースもあります。
設置してから年数が経過している場合は業者に点検を依頼し、報告された点検内容によっては、事故につながるリスクを回避しておきましょう。
◎設置したままだといけないの?
現在屋根に設置されているテレビアンテナには『現在使っているもの』と『使っていないもの』の2つがあります。
現在使っているアンテナは『地デジアンテナ(UHFアンテナ)』と『衛星放送受信用アンテナ(BS/CS用アンテナ)』になります。
現在使っていないものは、『アナログアンテナ(VHFアンテナ)』になります。
使われていないアナログアンテナは、これから先も二度と使われることがなく、朽ちて落下するのを待つしかないという状態です。
設置されたままのアナログアンテナは、どのようになるのでしょうか。
①アンテナが倒れる
寿命を過ぎ、劣化し続けるアナログアンテナは、最終的には倒れてしまいます。
アンテナ支柱を支えるワイヤーも錆び、そのうち切れてしまうでしょう。
②アンテナ支柱から伸びる棒が折れる
棒が折れたらすぐに気付くでしょうと思われるかもしれませんが、意外と気付かないものです。
気付かないだけで、折れた棒はどこかに落ちているか、鳥やその他の動物が持っていっているということになるでしょう。
アンテナに鳥がとまっているのを、見掛けたことはありませんか?
スズメくらいの小さくて軽い鳥ならまだ良いのですが、カラスやトンビなど、大きくて重い鳥だと、その影響を受けます。
飛ぶときの反動も、劣化しているアンテナにかなり掛かることになります。
鳥によって少しずつアンテナが曲がり、最終的に折れてしまうのです。
また、台風や強風によって棒の根元(ねもと)が弛んでしまいます。
アンテナの支柱とフレームは鉄製ですが、横に伸びている受信棒はアルミで出来ていて、人の手の力で簡単に折れてしまうレベルの強度しかありません。
③支柱に錆が発生する
アナログアンテナが設置されたままの場合は、既に10年以上経過している事がほとんどでしょう。
アンテナの支柱は鉄製ですので、雨に打たれて真っ赤に錆びてしまいます。
錆は経年劣化の典型ですので、放置しておいて良いはずがありません。
④支柱の錆びが屋根を汚す
支柱の錆は下に流れ落ち、その錆びた汁は屋根へと流れ落ちます。
屋根の最上部にある『棟』だけでなく、屋根材まで流れ落ちた錆は、屋根の劣化速度を上げてしまいます。
◎撤去はどこに依頼すればいの?
二度と使われることのないテレビアンテナの撤去は、どこへ依頼すれば撤去工事をしてもらえるのでしょうか。
例えば引越し業者、外壁や屋根のリフォーム業者とありますが、一番ベストなのは、アンテナの専門業者です。
引越し業者は撤去だけではなく、新居での取り付け作業もセットでしてもらうことができます。
そして、引越し代金に工事費も含まれますので、支払いが一度で済むというメリットがあります。
しかし専門業者でないことから、高めの価格設定にされている場合が多い傾向にありますので、注意が必要です。
外壁や屋根のリフォーム業者は、リフォームの際は足場を組みます。
安全性も確保できる上、高所での作業にも慣れているので、安心してお任せできるでしょう。
しかし、アンテナの撤去作業だけの場合は断られる場合もあります。
また慣れていない業者であれば、新しいアンテナの設置や配線関係をお願いできない場合もありますので、しっかりと作業内容を確認することが必要です。
一番ベストな方法としてアンテナの専門業者を挙げていますが、専門なだけあって知識や経験も豊富ですし、対応も迅速でしょう。
◎撤去するための費用相場はどれくらいなの?
①テレビアンテナを全て撤去する場合
例えばケーブルテレビやインターネット回線を利用してテレビを観ているお宅では、テレビアンテナを使用することはありません。
テレビアンテナが腐食して落下してしまう前に、撤去をおすすめします。
ケーブルテレビやインターネット回線を契約すると、月々の利用料は発生しますが、屋根の上は何も乗っていない状態になりますので、屋根へ掛かる負担も軽減することはできます。
一般的な撤去費用として、約20,000円~と考えておきましょう。
②地デジアンテナ・BSアンテナを再利用する場合
古いアンテナに地デジアンテナやBSアンテナを付け足している場合、土台の状態にもよりますが、地デジアンテナだけは再利用できる場合があります。
ただし、再び取り付けができるのは、アンテナの取り付け金具が錆びていない状態で、かつ脱着が可能な場合のみとなりますので、全てのお宅に当てはまるわけではありません。
再利用が可能な場合は、古くなっているテレビアンテナや支柱などを撤去し、新しいアンテナを取り付けます。
一般的な撤去・交換費用として、約100,000円~と考えておきましょう。
③テレビアンテナを交換する場合
お住まいの環境によっては、地デジアンテナの再利用ができない場合があります。
アンテナの取り付け部分の金具は『蝶ネジ』で固定されていることが多く、一見すると簡単に外れるように見えます。
しかし蝶ネジは外側が錆びやすく、錆の状態がひどいとネジが回りません。
無理に回そうとして、ネジ本体が折れてしまうこともあり、そうなると交換せざるを得ない状況になってしまいます。
一般的な撤去・交換費用として、約150,000円~と考えておきましょう。
◎少しでもお得に撤去する方法はないの?
少しでも費用を抑えるためには、撤去をするタイミングがポイントです。
テレビアンテナの撤去作業を依頼した場合、作業員の安全確保のために足場を組んだり、傷んだ屋根の補修が必要なケースがあったりします。
そこでおすすめしたいのが、外壁や屋根リフォームと同じタイミングで撤去作業を依頼する方法です。
外壁や屋根リフォームでは、足場の設置が必須です。
腕に自信のある業者や職人さんであれば、こちらから言わなくても『使っていないのであれば、あのアンテナは撤去した方が良いですよ』と提案をしてくれるかもしれません。
足場がある時に一緒にしておいた方が良い工事として、業者に相談してみましょう。
◎自分で撤去してはいけないの?
『テレビアンテナを撤去するだけなら、自分で出来るんじゃない?そうしようかな・・・』と思われる気持ちは、分からないでもありません。
『これまで不具合が無かったんだから、このまま屋根に乗っていてもいいんじゃない?』と思われる方も、いらっしゃると思います。
しかし、はっきり言ってオススメしません。
例えばご自分で撤去作業をするためには、屋根まで届くハシゴや作業に必要な工具などを、イチから揃えなくてはならず、結果的に業者に依頼するより高くなってしまうことがあります。
また、高所での作業となりますので、大変危険です。
また、そのまま放置しつづけて落下した場合、それがもし人に当たった場合は、お金ではどうしようもできないような問題に発展してしまう可能性があります。
◎まとめ
お宅の屋根の設置されているアンテナは、現在進行形で使われているものですか?
本当は撤去しなくてはいけないアンテナが、設置されたままになっていませんか?
2003年からデジタル放送が開始され、2011年にアナログ放送からデジタル放送へ完全移行となり、デジタル放送が当たり前の社会になりました。
また、屋根を下から見上げると、アンテナはそこまで大きくないように見えるかもしれません。
しかし実は、約3mの大きさで、重量も約10kg前後もあるのです。
これが屋根の上から、ある日予告もなく落ちてきたら?
大切な人の頭に、もし刺さったら?
人的被害だけでなく、車や窓ガラスなどへの物的被害も考えられます。
『面倒だから』とか『業者に依頼するとお金が掛かるから』という理由で放置されている場合は、思いも寄らないところで人を巻き込んでしまう可能性があります。
『テレビアンテナの撤去しなくちゃ・・・』と放置している間にも、アンテナの劣化は進んでいます。
余計な出費が発生する前に、長期的に考えて業者に依頼する方がお得になるかもしれません。
新しいアンテナを設置されたタイミングで、アナログアンテナをどうされたか記憶が定かではないという方は、是非一度屋根を見上げてみてくださいね。