アルミサイディングカバー工法にかかる費用は?メリット・デメリットも解説
カバー工法は、外壁や屋根のメンテナンスで人気の方法の1つです。アルミサイディングでカバー工法をしようと思った場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。
今回は、アルミサイディングを使ったカバー工法について、費用相場やメリット・デメリットなどを解説します。
アルミサイディングとは
アルミサイディングは、外壁材の1つです。名前の通りアルミを使用しており、外壁材や屋根材として用いられます。
アルミサイディングの特長
軽量なアルミサイディングは、住宅の耐震性を高めます。また、防水性が高く錆びにくいため、耐久性に優れているのも特長です。
このほか、断熱性や防音性など、快適な暮らしを実現するためにも、アルミサイディングは重宝します。
アルミサイディングを採用する際の注意点
アルミサイディングは金属を薄くして作られるため、少しの衝撃で傷や凹みがついてしまうことがあります。また、多くの住宅で選ばれている窯業系サイディングと比べると費用が高い傾向で、メンテナンスコストがかかる点は注意が必要です。
外壁のカバー工法とは?
カバー工法は、現在ある外壁を残したまま、新しい外壁材を上から重ね張りするメンテナンス方法です。外壁塗装よりも耐用年数が長く、後述するメリットも得られることから、多くの住宅でカバー工法が選ばれています。
また、既存の外壁を剥がして新しい外壁にする場合は、住みながらの施工ができないため仮住まいに一時的に移らなければいけません。しかし、カバー工法なら住みながら工事ができるのも、うれしいポイントでしょう。
アルミサイディングカバー工法の費用相場
アルミサイディングを使ったカバー工法には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。費用相場や内訳を確認しましょう。
1㎡あたりの費用相場
アルミサイディングは大きく3種類あり、1㎡あたりの費用相場は以下の通りです。
- 単色:12,000円/㎡
- ツートン:13,000円/㎡
- インクジェット:15,000円/㎡
アルミサイディング本体の価格に加え、下地の胴縁、施工費が含まれます。アルミサイディング自体の価格は、1㎡あたり3,000~10,000円ほどが一般的です。
施工費用の内訳
前述の費用を含め、アルミサイディングのカバー工法を行う際の費用相場は、外壁面積120㎡の住宅なら160万~240万円ほどです。費用の内訳を見てみましょう。
- サイディング材:36~120万円
- 胴縁(下地):18万円
- 水切り板金:18万円
- 防水シート:3万円
- シーリング:20万円
- カバー工法作業費:30万円
- 足場設置:15万円
- 養生シート:10万円
- 運搬費・諸経費:10万円
アルミサイディングの種類や外壁面積によって、施工費用は異なります。業者に依頼して見積もりを出してもらうと詳細な費用がわかるでしょう。
アルミサイディングを使用したカバー工法のメリット
アルミサイディングで外壁のカバー工法を行った場合、期待できるメリットは4つあります。
工期が短くなる
外壁の張替えは、既存の外壁を剥がす作業から始まるため、そのぶん工期が長くなります。しかし、カバー工法は既存の外壁を残したまま施工可能で、工期を短くできるのがメリットです。
費用を抑えやすい
外壁を剥がしたり、剥がした外壁を処分したりするのには、人件費や廃棄費用がかかりますが、カバー工法ならこれらの費用を削減できます。
また、前述の通り張替えは仮住まいに移らなければならないため、ウィークリーマンションなどに住むための家賃がかかるケースも多いです。カバー工法は仮住まいに移らなくてよいので、施工以外の費用も抑えやすくなります。
断熱性が上がる
既存の外壁に新しい外壁を重ねることで住宅の断熱性が上がるのも、カバー工法で得られるメリットです。夏は涼しく、冬は暖かく快適に過ごせますし、室温を保つ機能が高いことで光熱費の節約も期待できます。
遮音性も上がる
外壁が二重になれば、そのぶん外部の音の影響も受けにくいです。高い遮音性により、車の走行音や雨音などの騒音に悩まされず、快適に過ごせます。
住宅内で発生する音も外部に漏れにくいので、プライバシーを守り、近隣の住宅への過度な配慮をしなくてよくなる可能性も高いです。
アルミサイディングカバー工法のデメリット
カバー工法が住宅にもたらすメリットは多くありますが、カバー工法ならではのデメリットがあることも忘れてはいけません。
下地補修ができない
カバー工法は既存の外壁を剥がさない施工のため、下地の補修ができません。
カバー工法の前には、外壁の一部を剥がして下地の状態をチェックするのが一般的で、優良な業者に依頼すれば、下地のトラブルを見過ごしたまま施工を進めることはありません。しかし、もしトラブルがあった場合は既存の外壁を剥がして張り替える必要があり、カバー工法による施工ができないので注意しましょう。
耐震性が下がる
外壁材が二重になると、そのぶん重量が増します。重量のある住宅は、軽量な住宅とくらべて地震が起こった際に揺れやすいため、カバー工法は耐震性を下げる原因となります。
そのため、カバー工法ではアルミサイディングをはじめとした軽量な金属系サイディングを用いるのが一般的です。アルミサイディングによる施工なら、耐震性が著しく低下することは少ないといえます。
内部で結露が発生する可能性がある
外壁の内側と外側の気温差や、既存の外壁とカバー工法で張った外壁のあいだの湿気によって、内部結露が発生することもあります。内部結露は、カビや基礎部分の腐食など、さまざまな住宅トラブルの原因となります。
ただし、「胴縁(どうぶち)」という部材を使って空気の通り道を作れば、内部結露の防止が可能です。内部結露の可能性や、トラブル防止策を理解している業者に依頼しないと、カバー工法によって住宅の劣化を速めてしまうため、業者選びは慎重に行いましょう。
カバー工法にはアルミだけでなくガルバリウム鋼板もおすすめ!
サイディングには金属系のほかにも、窯業系、樹脂系、木質系も材質のものがあります。どのサイディングにもそれぞれメリットがありますが、カバー工法には軽量な金属系を用いるケースが多いです。
どの金属系サイディングにするか迷ったら、ガルバリウム鋼板もおすすめです。ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛、シリコンでできた合金でメッキされた金属素材です。アルミニウム鋼板には、以下のような特長があります。
- 耐久性:ひび割れしにくく、長年きれいな状態で使える。サビ防止効果も期待できるが、アルミサイディングのほうがサビには強い
- 耐震性:軽量な素材のため、カバー工法でも住宅の負担が少ない
- 耐水性:水を吸い込まない素材で、コケやカビの繁殖を防げる
- 加工性:加工しやすくデザインの幅が広い。理想の外観を実現しやすい
- 価格が安価:アルミよりもさらに安価で、施工費用を抑えやすい
仕上がりの希望や気候など、さまざまな観点から最適な素材を選びましょう。
アルミサイディングカバー工法は張り替えより費用を抑えやすい!詳しくは業者に問い合わせを
既存の外壁を残したままおこなうカバー工法は、施工費用や工期を削減し、美しく機能性の高い外観を取り戻せます。メリットの多いアルミサイディングによるカバー工法ですが、施工前にはどのようなデメリットがあるのかも確認しておくと、施工後のミスマッチを防げます。
弊社でも、アルミサイディングを使ったカバー工法を行っています。予算や仕上がりなど、お客様のご要望に沿ったメンテナンス工事が実施できるよう、丁寧なヒアリング・ご提案をいたしますので、迷ったらマルセイテックにお気軽にご相談ください。