雪止め金具の取り付け費用はどれくらい?必要性や注意点も解説
雪止め金具の取り付け費用はどれくらい?必要性や注意点も解説
冬に雪が降る地域では、屋根に雪止め金具を取り付ける家も多くあります。
これから設置する場合、取り付け費用はどれくらいかかるのでしょうか。
今回は、雪止め金具の取り付け費用の相場を紹介します。
費用を抑えるためのポイントも知り、住宅周辺の安全確保に努めましょう。
雪止め金具とは
雪止め金具は、屋根に積もった雪の落下を防ぐためのものです。
雪が多く降る地域では、屋根から落ちた雪が、深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。雪止め金具を取り付ければ、落雪によるさまざまな事故を防げます。
雪止め金具の種類
雪止め金具は種類が複数あり、屋根のタイプによって最適な製品が選ばれるケースが多いです。
3種類の雪止め金具の特徴などを解説します。
瓦タイプ
瓦タイプは、瓦屋根に取り付ける雪止め金具です。取り付けたい場所の瓦を、雪止め金具が組み込まれた瓦に交換するだけで屋根の雪止めができます。手間があまりかからないので、家を建てるときの設置はもちろん、後付けも簡単です。
金具タイプ
金具タイプは、雪止め用の金具を屋根材の隙間に取り付けるものです。スレート屋根で主に使用され、ビスや釘を使うもの、使わずに設置できるものと、種類が多くあります。瓦タイプや、後述するネットタイプと比べると金具が小さいですが、屋根に積もった雪が滑り落ちるのをしっかりと防いでくれるので、安心して使用できます。
ネットタイプ
ネットタイプは、屋根にネットを張って雪止めをするものです。瓦屋根やスレート屋根など、どのような屋根にも取り付けられます。瓦タイプや金具タイプと比べて設置面が多くなるので、外観を損ねないか心配になるかもしれませんが、ネットの色は複数から選べ、ネットだけが浮いて見える、目立ってしまうということはありません。
雪止め金具が必要な地域
雪止め金具と聞くと、北海道や東北などの豪雪地域で主に使用されていると思う人もいるかもしれません。
しかし、雪が多く降る地域では、屋根に積もった大量の雪を留めると、重みで住宅の機能性を低下させたり、屋内に浸水したりすることもあるため、雪止め金具を設置していないケースも多いです。
雪止め金具が必要なのは、「雪下ろしが必要なほどではないものの、毎年積雪がある」という地域です。頻繁に降ったり、大量に降ったりはしなくても、積雪が見られれば屋根からの落雪もあり得ます。こうした地域は、豪雪地域と比べて正しい知識があまりなく、雪への対応力も低い人が多いです。
事前に雪止め金具を設置しておけば、積もるほどの雪が降っても落雪による事故を防止できるので安心です。
雪止め金具の必要性
屋根からの落雪は、さまざまなトラブルの原因となります。
雪止め金具がどのような役割を担うのか、その必要性を理解すると、取り付けにもより前向きになれるでしょう。
事故防止
雪止め金具のない屋根に積もった雪は、大きな塊の状態で落下してきます。
屋根の下を歩いている人や車に雪がぶつかると、大けがをしたり、車の窓ガラスが割れたり、ボディが凹んだりするため危険です。
雪止め金具に雪がひっかかれば、積もった雪の重さで滑るのを防げます。
住宅の破損防止
屋根からの落雪が、住宅を破損させる恐れもあります。
特に、屋根に落ちた雨水を地面に排水する雨樋は、耐久性が高くないため落雪に巻き込まれることが多いです。
雨樋が破損すると、雨水が外壁を伝ってしまい、外壁の汚れや浸水の原因となります。また、雨樋の破片が外壁や窓などを傷つけてしまうかもしれません。
雨樋のほかにも、落雪はカーポートや倉庫などの破損につながることもあるため、雪止め金具でしっかりと対策する必要があります。
近隣トラブル防止
近隣の住宅との距離が近い場合は、隣家への落雪も懸念されます。
屋根に積もった雪がもし隣家に落下すれば、家や車が破損する、人がケガをするなどのトラブルに発展してしまいます。賠償金や修理費、治療費などを請求されれば家計にも痛手を負うため、こうしたトラブルが起こらないための対策が必要です。
雪止め金具の取り付け費用は、万一トラブルが起こった場合に払うお金よりも安く済みます。
自分や自宅、そして周辺の人の安全を守るためにも、雪止め金具は設置しておいたほうがよいでしょう。
雪止め金具の取り付け費用相場
雪止め金具の取り付け費用は、タイプによって相場が異なります。
瓦・金具・ネットの3タイプの取り付け費用の目安を見てみましょう。
瓦タイプ
瓦タイプの取り付け費用は、1枚あたり1,000~3,000円程度が一般的です。建坪30坪ほどの住宅なら、15万円前後で設置できます。ただし、急勾配の屋根は安全に作業するための足場設置費用もかかるので、費用はさらに高くなります。
金具タイプ
金具タイプの雪止め金具を建坪30坪ほどの住宅に取り付ける場合の費用相場は、12万円前後です。前述の通り、勾配が急な屋根は足場設置費用もかかります。さらに、通常1列で取り付ける雪止め金具ですが、急勾配名屋根では効果を高めるために2列にして取り付けることもあり、2列にすれば費用は2倍になります。
ネットタイプ
ネットタイプの取り付け費用相場は、15万円前後です。
金具タイプのように勾配によって設置数が変わるケースは少ないものの、やはり急勾配の屋根への取り付けには、足場の設置が欠かせません。
雪止め金具の取り付け費用を抑えるための工夫
「雪止め金具の取り付けだけに、何十万円も払うのはちょっと…」と思う場合も、安全面を考えれば取り付けを辞めるという選択は賢明ではありません。取り付け費用を抑えて、積雪時にも安心の環境を整えるためには、次のような工夫をするとよいでしょう。
相見積もりを取る
業者を決める際にははじめから1社にしぼらず、相見積もりを取るのがおすすめです。
相見積もりは適正価格を把握し、そのなかでも安価な業者を選ぶための貴重な材料となります。また、相見積もりを依頼したときの業者の対応によって、親身に対応してくれるかといった信頼度も測れるでしょう。
相見積もりは、多すぎると断りの連絡を入れるのが大変になるので、3社から4社ほどで取るのがベストです。事前に「相見積もりであること」を伝える、最終的に依頼しない場合も必ず連絡を入れるなど、マナーを守って行ってください。
屋根・外壁工事と同時に行う
雪止め金具の設置のみの施工では、「部分足場」といってできるだけ少ない面積で組み立てるものが優先して使用されます。
しかし、前述の通り急勾配の屋根では全面に足場を設置しなければならないこともあり、なかには屋根足場まで必要なケースもあります。
足場は安全に作業を実施するために必須です。しかし、「雪止め金具の取り付けだけに、高額な足場代を払うのはいやだ」と思う人もいるでしょう。住宅の全面に足場を設置するような工事になりそうなときには、屋根や外壁の工事を同時に行うのも1つの方法です。
足場代の相場は、30坪の住宅で20万円前後といわれています。雪止め金具の取り付けと屋根や外壁の塗装、リフォームなどを一度に済ませれば、20万円ほどの節約になります。
助成金・補助金を利用する
自治体によっては、雪止め金具の後付け工事のための助成金や補助金を用意しています。
取り付け費用の一部でも補助されれば、自己負担金を抑えられます。
助成金や補助金の金額や条件、申請方法などは自治体によって異なり、市役所に問い合わせると詳しい情報を教えてくれます。また、地域の屋根業者は、助成金や補助金に関する知識に精通していることも多いですので、見積もりを取る際に聞いてみるのもよいでしょう。
雪止め金具は自分で取り付けられる?
費用を抑えて雪止め金具を設置するために、DIYを検討する人もいるかもしれません。
しかし、作業に慣れていない人が屋根に登るのは危険です。
勾配が緩やかな屋根でも、数メートル高いだけで風を強く感じます。
安定感のない場所での慣れない取り付け作業は、落下のリスクが高くなります。また、雪止め金具が正しく設置されず機能を果たさない、屋根を破損させてしまうといったこともあるので、費用がかかっても専門業者に依頼しましょう。
雪止め金具の取り付け費用はタイプや屋根の大きさで変わる!詳しくは業者に相談を
屋根からの落雪を防止する雪止め金具は、タイプや屋根の大きさによって取り付け費用が異なります。
勾配が急な屋根は足場の設置だけでも20万円前後かかるので、費用を抑えるための工夫も必要です。安心して任せられる業者を選ぶことはもちろん、助成金や補助金などが適用されないかも、調べてみるとよいでしょう。
弊社でも、雪止め金具の取り付けに関するご相談を承っております。屋根や外壁のメンテナンス・点検なども併せて行うなど、お客様のご要望に沿ったご提案をいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
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