ベランダコンクリートのひび割れは、DIY補修できる?手順や注意点は?
ベランダコンクリートのひび割れは、DIY補修できる?手順や注意点は?
ベランダのコンクリートにひび割れが生じた場合、軽度なものなら「DIYで補修できないか」と考える人もいるでしょう。
自分で補修するときには、どういった点に注意すればよいのでしょうか。
今回は、ベランダコンクリートのひび割れをDIY補修する手順を解説します。ひび割れの原因も知り、適切な対処をするための参考にしてください。
ベランダのコンクリートにひび割れができる原因
ベランダのコンクリートにひび割れができる原因の1つは、経年劣化ですが、その他にもひび割れにつながる要因があります。
まずは、コンクリートにひび割れができる原因を見てみましょう。
乾燥による収縮
コンクリートには水分が含まれていますが、これが蒸発してコンクリートが乾燥すると、収縮して体積が小さくなります。
コンクリートが自由に収縮できればひび割れが起こりませんが、鉄筋などの柱で固定されているコンクリートは収縮できず、ひび割れてしまうことがあります。
水分の凍結
コンクリート内の水分が凍結すると、建材が膨張します。
この影響でベランダのコンクリートにひび割れができるケースも、少なくありません。
水分の凍結が原因の場合は、ひび割れから侵入した水分の凍結で状態がより悪化することも多いので、早急に補修をしたほうがよいでしょう。
地震
地震の揺れも、コンクリートのひび割れの原因となります。
特に、古い住宅では比較的小さな揺れでもひび割れが起こりやすいです。揺れが大きい場合は、築年数の浅い住宅でもコンクリートのひび割れが起こる可能性があるため、注意が必要です。
ベランダのコンクリートのひび割れは大きく2種類
ベランダのコンクリートのひび割れは、大きく2種類に分けられます。
表面のみか、深い部分までひび割れているかで補修方法も変わってくるので、ひび割れの種類を見極めることも重要です。
塗膜のひび割れ
ベランダのコンクリート表面には、コンクリートの劣化を防ぐための防水加工が施されています。
この塗膜が劣化すると、表面部分のひび割れが起こります。塗膜のひび割れは、防水加工が寿命を迎える5年くらいから見られることが多いです。
深いひび割れ
表面だけでなく、下地のコンクリートまで及ぶ深いひび割れは、放置するとより危険です。
深いひび割れは塗膜のひび割れを放置することで劣化が進んだ場合だけでなく、地震などで強い衝撃が加わっても起こることがあります。深いひび割れは雨漏りやコンクリートの腐食によるベランダ倒壊など、深刻な住宅トラブルにつながる可能性もあるため、早急に補修する必要があります。
ベランダコンクリートのひび割れはDIY補修できる?
ベランダのコンクリートにできたひび割れは、状態によってはDIY補修できます。
前述の塗膜のひび割れは、DIYに慣れている人なら対処できるかもしれません。
しかし、ひび割れが深部にも及んでいる場合は、表面的な補修では根本的な原因を解決できないため、専門業者に補修してもらう必要があります。とはいえ、ひび割れの種類を判断するのは簡単なことではありません。ひび割れを見つけたら、業者に依頼して適切な補修をしてもらうのがおすすめです。
ひび割れのDIY補修方法
明らかに軽度なひび割れで「DIYで補修したい」と思ったら、どのような手順で作業をすればよいのでしょうか。
ここからは、ベランダコンクリートのひび割れを自分で補修する方法を解説します。
必要な道具の準備
ひび割れ補修に必要な道具は、以下の通りです。
- コンクリート用ひび割れ補修材
- マスキングテープ
- ワイヤーブラシ
- ヘラ
- カッター
- ゴム手袋
- 保護メガネ
コンクリートのひび割れ補修材はさまざまなメーカーが販売していますが、おすすめはアサヒペンの「ワンタッチ 床用ひび割れ補修材(コンクリート用)」です。この製品は水を混ぜるなどの工程が不要で、ふたを開けたらすぐに使えます。
また、ひび割れにちょうどよいサイズのノズルがついており、失敗のリスクが少ないのも特徴です。乾燥後には水性塗料を上から塗れるので、補修後に塗装をしたいという人にも向いています。
補修部分をきれいにする
道具をそろえたら、まずはひび割れが見られる場所をきれいにしましょう。
土や泥、ゴミ、カビ、油などの汚れがあると、補修材がうまく接着しません。ワイヤーブラシを使っても落ちない汚れは、洗剤を使うときれいに落ちます。掃除をしたら、ひび割れ部分をしっかり乾かし、補修材が接着しやすい環境を作りましょう。
マスキング
続いて、ひび割れ部分以外に補修材がつかないよう、マスキングを行います。
ひび割れの周りを囲うようにマスキングテープを貼れば、補修材が余計な部分につくのを防げます。
補修材塗布の準備
補修材をひび割れ部分に塗布する前には、容器の外側から補修材をよくもみましょう。
こうすることで中身が均一になり、仕上がりがよりよくなります。
また、「ワンタッチ 床用ひび割れ補修材(コンクリート用)」のようにノズルが付属されているものは、カッターなどでひび割れの幅に合わせて先端を調整しましょう。刃物を使用する際は、怪我にもじゅうぶん注意してください。
ひび割れを埋める
ひび割れを埋めるときには、ひび割れ部分にノズルの先端を押し当て、補修材の中身を手で押し出していきます。
補修材は、コンクリートから少し盛り上がるくらいまで入れましょう。
補修材で埋められる深さは6mm程度です。
それ以上深いひび割れの場合は、表面から6mm程度のところまでは細かい砂などで埋めてから補修材を使用します。
ヘラでならす
補修材をひび割れ部分に塗布したら、ヘラを使って表面をならします。
補修材をひび割れに押し込むようにすると、効果が高まります。ならし終えたら、補修材が乾ききる前にマスキングテープを剥がしましょう。
乾燥・硬化させる
作業が終わったら、補修材が硬化するまで待ちます。表面が硬化するまでの時間は、季節によって異なります。
夏場なら3時間程度、冬場は6時間ほどが目安です。内部に入れた補修材が完全に乾燥するまでには、48時間程度かかります。このあいだ、補修部分に水分がついたり、衝撃が加わったりしないよう注意しましょう。
ひび割れによっては、業者に補修を依頼したほうがよいケースも
ベランダコンクリートのひび割れは、DIYで補修できる場合もありますが、前述の通り業者に依頼して補修してもらったほうがよいひび割れもあります。特に、業者への依頼をおすすめしたいのは、以下のようなケースです。
- ひび割れの範囲が広い
- ひび割れが深部にも及んでいる
- 補修跡が見えないようにしたい
広範囲のひび割れや深いひび割れは、ベランダ全体の深刻なトラブルの原因にもなります。優良な業者なら、ひび割れの度合いを見て「強度に影響がないから直近の施工は不要」「塗膜のひび割れが基礎部分に影響するかもしれない」など、適切な判断をしてくれます。「これくらいなら大丈夫かな」と決めつけず、まずは業者に相談するのがよいでしょう。
ベランダのコンクリートのひび割れは、DIY補修よりも業者を検討しよう
ベランダのコンクリートに見られるひび割れは、種類によってはDIY補修が可能です。
しかし、素人がひび割れの種類を見極めるのは簡単なことではないので、信頼できる業者に判断してもらい、適切な補修方法を提案してもらうのがおすすめです。
弊社でも、コンクリートのひび割れをはじめとした、ベランダのトラブルを解消する施工を行っています。丁寧なヒアリングでお客様のご要望に沿ったご提案をいたしますので、お気軽にお問い合わせください。