【寒さ対策①】屋根の外装リフォームで考える寒さ対策~冬に向けて~
今年の冬は、昨年と比べて暖かいのか?それとも厳しい冬になるのか?
気になる季節がやってきました。
テレビなど、メディアから今年の冬の長期予報も出始めています。
現時点ではありますが、気温としては暖冬ということで、例年より暖かくなるようです。
積雪・降雪量も、例年並みかやや少なめと言われています。
このような予報が言われていても、寒さを感じないというわけではありません。
そこで今回は、屋根の寒さ対策について解説します。
◎断熱リフォーム
建物全体の寒さ対策として、『断熱リフォーム』があります。
最近断熱リフォームをされるお宅も増えていますので、聞かれたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
『断熱リフォーム』とは、夏の暑い時期だけのものだと思われているかもしれませんが、そうではありません。
建物内の暖かい空気を外に出さないことも、断熱なのです。
夏の暑い時期だけでなく、冬の寒さが厳しい時期も、1年を通して快適な居住空間にするためには、断熱リフォームがおすすめです。
①屋根裏の断熱リフォーム
暖かい空気は、室内の空気を循環しない限り、上へ上へと溜まります。
せっかくエアコンなどの暖房器具で部屋の空気を暖めても、その空気を屋根から逃しているのであれば、どれだけ時間を掛けても部屋は暖まりません。
暖房器具をつけっぱなしにすることで、電気代や灯油代なども掛かり、家計を圧迫してしまいますね。
屋根裏に断熱材を入れることで、室内で暖まった空気を外に逃がさず、暖房費・光熱費のコストダウンをすることができます。
施工費用は貼り付けるタイプのものより、吹き付けるタイプの方が高価になります。
望んでいる断熱効果が予算と合っているかどうか、しっかりと見積りを取りましょう。
a)貼り付けるタイプの断熱材を使った断熱リフォーム
屋根裏に貼り付けるタイプの断熱材には、繊維系のものと、発泡プラスチック系の2つの種類があります。
繊維系の断熱材には、ウールがよく使用されています。
ガラス繊維から作られるガラスウールや、石灰などから作られるロックウールが主流となっています。
ガラスウールは湿気に強い材質ですので、梅雨の時期や雨の多い地域にお住まいの方も安心です。
ロックウールは不燃材ですので、万が一火災が発生した場合でも、炎の燃え広がりを抑えます。
また、ロックウールは高い防音性も備えていますので、建物の外からの騒音やお家の中の音を軽減する効果があります。
発泡プラスチック系の断熱材は軽く、繊維の間に空気を含みますので、保温効果が期待できます。
断熱効果をより高めるために、ガラスウールやロックウールと合わせて、屋根裏に貼り付ける工法を選択される方も多いようです。
b)吹き付けるタイプの断熱材を使った断熱リフォーム
屋根裏に直接吹き付けるタイプの断熱材には、セルローズファイバーと、発泡ウレタンの2つの種類があります。
セルローズファイバーはカビに強い素材になりますので、これから需要が増えると予想されます。
また、原料もパルプや紙になりますので、人体に健康被害などの悪影響を及ぼすことがない、人に優しい断熱材です。
吹き付けるタイプは築年数や屋根裏の形状に関係なく施工がしやすく、施工日数も少ないというメリットがあります。
発泡ウレタンは、直接屋根裏に吹き付けます。
リフォーム番組やSNS動画などで観たことがある、という方も多い断熱リフォームです。
スポンジケーキのようにフワフワしているため、気密性が高いという特長があります。
②屋根の断熱リフォーム
屋根裏は屋根の内側からになりますが、こちらは屋根の外側からの断熱リフォームになります。
居住中の建物の屋根に断熱性が低い屋根材が使われている場合や、ロフト部分を活用したいという場合は、屋根裏の断熱リフォームではなくこちらを選択された方が良いでしょう。
a)断熱塗料を屋根に塗装する断熱リフォーム
断熱塗料と似た言葉で、『遮熱塗料』という塗料があります。
遮熱塗料は熱を反射するため、冬場の寒い時期は室温を保ちにくいのに対し、断熱塗料は熱伝導率が低いため、冬場の室温を保つことができます。
言葉は似ているようですが、全く意味が違うということが分かりますね。
既存の屋根材がトタンやガルバリウム鋼板であったり、屋根のすぐ下にリビングルームがあったりする場合は、その効果を強く感じるでしょう。
b)断熱性の高い屋根材に葺き替えるリフォーム
築年数が30年以上経過していたり、既存屋根の劣化が激しかったりする場合は、塗装より新しい屋根材に葺き替える方が良いでしょう。
屋根の葺き替えは、既存の屋根材を取り外し、下地材も全て新しいものを取り付けますので、雨漏りやその他の劣化があった場合も屋根の機能を一新することが可能です。
その際、新しく使用する屋根材として、断熱材一体型のものを選択するという断熱リフォーム方法があります。
断熱材一体型の屋根材は、厚みが10mm~15mm程度で、大きな断熱効果を期待することは出来ません。
しかし断熱材一体型の金属屋根は、瓦屋根と比べて断熱効果が高いことが分かっています。
既存の屋根材が瓦の場合、カバー工法による断熱リフォームは出来ませんので、葺き替えを検討されると良いでしょう。
c)屋根カバー工法による断熱リフォーム
屋根カバー工法は、既存の屋根材の上から新しい屋根材で、屋根全体を覆う工法です。
単純に考えても『屋根が二重になる』ということは、私たちの暮らしで置き換えて考えると『重ね着』と同じですので、寒さ対策のイメージがつきやすいのではないでしょうか。
既存の屋根材が、コロニアルの場合に向いている断熱リフォームになります。
コロニアルには、その昔使われていたアスベストが断熱材として使用されています。
アスベストの含まれている屋根の葺き替え工事が出来る業者は限られていることや、処分費が別途掛かるため、施工費用は非常に高額となります。
そのため葺き替え工事を行うより、カバー工法で屋根を二重にした方が施工費用も安くすみますし、断熱材一体型の金属屋根を屋根材とすることで、より高い断熱効果を得ることができます。
◎まとめ
どんなにエアコンやヒーターなどで室温を高くしようとしても、なかなか暖かくならないお家は、屋根に問題があるかもしれません。
今お住まいの屋根や屋根裏がどのようになっているのか、チェックしてもらうと良いと思います。
その上で、予算と効果が見合うものがあれば、断熱リフォームを検討されてはいかがでしょうか。
次回は壁の寒さ対策について、解説します。
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