サイディングの剥がれはDIYで補修できる?業者を依頼する場合の費用相場も紹介
サイディングの剥がれはDIYで補修できる?業者を依頼する場合の費用相場も紹介
外壁にサイディングを使用する住宅も増えていますが、耐久性の高いサイディングも、経年劣化で剥がれなどの不具合が生じることがあります。サイディングの剥がれは、DIYで補修できるのでしょうか。
今回は、サイディングの剥がれが起こる原因を解説します。
DIYができるケースや業者に依頼する場合の費用相場なども知り、最適な方法で補修を行ってください。
サイディングとは?
サイディングとは、板状の外壁材のことです。外壁を意味する英語の「siding」が語源で、サイディングボードと呼ばれることもあります。種類は大きく窯業系(セメント)・セラミック系・金属系の3つで、それぞれに特徴が異なります。
まずは、サイディングを外壁に用いるメリット・デメリットを確認しましょう。
サイディングのメリット
サイディングのメリットには、以下のようなものがあります。
- 耐久性が高い
- 汚れが付きにくくメンテナンスが簡単
- 工場生産で品質にばらつきがない
- デザイン性が高い
- 施工期間が短い
- 耐火性・防音性・断熱性・遮音性などの機能が選べる
- 施工費用が比較的安い
サイディングのデメリット
メリット豊富で多くの住宅に採用されているサイディングですが、以下のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。
- シーリング(コーキング)剤の耐用年数は長くない(5~10年)
- 経年劣化によって防水性が低下し、雨漏りやカビ、腐食が起こる可能性がある
サイディング自体は耐久性に優れていますが、サイディングとサイディングをつなぐシーリング(コーキング)の耐用年数は、非常に長いわけではありません。シーリングの劣化を放置すると、雨水による影響を受けてしまうので、注意が必要です。
サイディングの剥がれが起こる原因
優れた耐久性を持つサイディングを使用していると、ついメンテナンスを怠ってしまうこともあり、「気づいたらサイディングが剥がれていた」というケースも報告されています。サイディングの剥がれが起こる原因は、大きく3つです。
- 経年劣化
- 施工方法の問題
- 塗装不良
最も多いのは経年劣化です。紫外線や雨風、温度変化などの環境によって徐々に劣化したサイディングは、早い段階で劣化に気が付かないと最終的に剥がれてしまいます。また、サイディングを取り付ける際にすき間が不適切だったり、固定するための釘や接着剤を正しく使えていなかったりしても、サイディングが剥がれる可能性があります。
サイディングは表面を保護するための塗装が施されていますが、この塗装に不備があると劣化が早まり、剥がれの原因になります。
サイディングの剥がれはDIY補修できる?
サイディングの剥がれが生じている箇所が少ない場合「これくらいなら自分で補修できるかも」と考えるかもしれません。
剥がれのDIY補修ができるシーンや、補修の方法を解説します。
■剥がれのDIY補修は難しい
サイディングの剥がれをDIYで完璧に補修するのは、難しいといえます。
軽微な作業は自分でもできそうですが、高所の補修は危険です。また、知識や経験が少ないと失敗する可能性があります。
DIYでうまく直せたとしても、住宅が抱えるその他の不具合には気づけない人が多いでしょう。
表面的な補修だけを完了するよりも、「メンテナンスの目安」だと捉え、専門知識のある業者に依頼したほうが安心です。
応急処置としてDIYできるケース
本格的な補修は業者への依頼がおすすめですが、サイディングの不具合は見た目にも影響するので「業者が来られる日まで、そのままの状態で待つのはいやだ」という人もいるかもしれません。
応急処置として自分で補修できるのは、以下のような症状です。
- 0.5mm以下のひび割れ
- シーリング(コーキング)のひび割れ、切れ
0.5mmを超えるひび割れやサイディングの剥がれ、反りは、応急処置でもDIY補修はできないケースが多いです。
また、高所のサイディングの劣化も、作業に危険が伴うので自分で行うのは避けましょう。
DIY補修の方法
サイディングの小さなひび割れを応急処置的にDIY補修する際に必要な道具と手順は、以下の通りです。
■必要な道具
- 軍手
- シーリング(コーキング)剤
- ヘラ
■DIYの手順
- 補修する場所の汚れを取る
- ひび割れに沿ってシーリング材を充填する
- ヘラでならして平らにする
剥がれはこの方法では対処できませんが、細かなひび割れが起こったときのために覚えておくとよいでしょう。
業者によるサイディングの補修方法と費用相場
サイディングの剥がれは、最も深刻な症状の1つだといえますが、ひび割れや反り、シーリングのひび割れなど、サイディングに起こる不具合はさまざまです。
ここからは、サイディングの補修方法と費用の相場を見てみましょう。
■シーリング(コーキング)補修
シーリングの不具合の補修方法は「打ち替え」と「増し打ち」の2つです。打ち替えは古いシーリングを取り除き、新しいシーリング剤を打ち込みます。増し打ちは古いシーリング材はそのままにして、その上から新しいシーリング剤を打ち込む方法です。
シーリングの補修にかかる費用の相場は、打ち替えが1mあたり800~1,200円、増し打ちが1mあたり700~1,000円です。
■ひび割れ補修
小さなひび割れは、シーリング剤や補修材で埋めます。しかし、ひび割れが大きい、深い場合は部分的な張り替えも必要になるため、費用が高くなります。
ひび割れ補修にかかる費用の相場は、5~20万円ほどです。
■部分塗装・全面塗装
サイディングの色褪せや、なかなか落ちない汚れなどは、塗装で対処できます。
サイディングの洗浄、下地処理を行い、該当部分を塗装することで、周囲の色と合わせます。
塗装が必要な部分が限られる場合は、部分塗装で対処できますが、広範囲にわたる場合は全面の塗装が必要です。
費用は塗装面積や塗料の種類によって大きく変わりますが、全面塗装をする場合は170万円前後が一般的です。
■一部張り替え
サイディングの一部分がへこんでいる、欠けている場合は、部分的に張り替えて補修します。
不具合がある部分を取り外し、新しいサイディングに張り替えるので、耐久性もアップできます。
一部張り替えの費用相場は、サイディング1枚あたり5万円前後です。
ただし、高所の場合は作業のための足場代が追加されるので、1枚の張り替えでも17万円前後かかります。
■全面張り替え
サイディングの剥がれをはじめとした劣化は、部分的であれば一部張り替えで済みますが、広範囲にわたるばあいは全面の張り替えが必要です。現在張られているサイディングをすべて撤去し、新たなものに交換するため、コストはかかりますが全面の耐久性や見た目の美しさが一新されます。
全面張り替えにかかる費用の相場は外壁の面積にもよりますが、200万円前後です。
■カバー工法
カバー工法は、既存の外壁をそのまま残し、上から新しい外壁を被せる施工方法です。こちらもサイディングの劣化が非常に進行している場合におすすめの施工内容で、既存の外壁材を撤去するための料金がかからないため、張り替えよりも費用が安くなります。相場は170万円前後です。
ただし、外壁材が二重になることで耐震性などに影響する可能性もあるので、注意しましょう。
サイディングの剥がれが起こらないためには・・・
剥がれをはじめとしたサイディングの不具合は、DIYで補修できないため修理に多額の費用がかかることもあります。
サイディングの剥がれが起こらないようにするには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
■専門業者で施工する
サイディングの施工には、専門的な技術や知識が欠かせません。実績豊富な専門業者を見つけ、正しく施工してもらえば、剥がれが起こるリスクを軽減できます。安価に施工してくれる業者は、不具合が多い、補償が充実していないという可能性もありますので、業者選びは慎重に行ってください。
■品質のよい材料を使用する
サイディングの素材はさまざまで、耐火性や遮音性など、機能も異なります。
気候や日当たりなどの環境に合わせて品質のよい材料を使用するのも、剥がれが起こらないようにするための1つの方法です。
■点検・メンテナンスを定期的に行う
耐久性に優れているサイディングですが、長年放置すれば徐々に劣化していきます。
劣化を見過ごさないためにも、定期的な点検やメンテナンスは怠らないようにしましょう。
特に、コーキングは寿命が短く、コーキング劣化を放置したことで、サイディングや住宅全体に悪影響が及ぶこともあります。
素人目で劣化が確認できない場合も、5~10年に一度はサイディングをはじめとした住宅のさまざまな箇所の点検をしてもらい、適切なメンテナンスを施してください。
サイディングの剥がれはDIY補修できない!見つけたら業者に相談を
サイディングの剥がれはDIYで補修するのが難しいため、業者に直してもらう必要があります。
剥がれが広範囲に及ぶ場合、外壁の全面張り替えやカバー工法といった、高額な施工を行わなければいけないため、不具合を見つけたら早急に対処し、劣化を食い止めましょう。
弊社も、剥がれをはじめとしたサイディングのさまざまな不具合の補修に関するご相談を承っております。小さな不具合も、放置すると住宅に大きな影響を与えるかもしれませんので、気になることがあればお気軽にお問い合わせください。