【雨漏り対策】屋根外壁の仕組みを知ろう
『これまで何の不自由もなく暮らしていたのに、突然雨漏りするようになった』
『何度雨漏り修理を受けても、暫くすると別の場所から雨漏りする』
そんなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
今年は災害級の雨が降ったり、何日も雨が続いたりしています。
梅雨が終われば暑い夏がやってきますが、夏は台風シーズンでもあります。
そんな時にもし大切なお家に雨漏りが発生したら、どうすれば良いのか。
今回は雨漏りについて、徹底解説します。
◎雨漏りが起きる原因
雨漏りは屋根や外壁に施されている1次防水(外から見える部分で建物を保護している素材)や2次防水(外から見えない部分で建物を保護している素材)の不具合によって発生します。
それは大きく分けて、台風や強い雨風による自然によるもの、建物の築年数で発生する経年劣化によるもの、施工不良など人為的によるものの3つになります。
不具合の原因とは何なのか、なぜ雨漏りが起きているのか、ここで詳しく見て行きましょう。
①屋根材の割れ・ズレ・浮き
屋根材が瓦の場合、割れやズレが起きることによって、その隙間から雨水が浸入します。
屋根材がスレートの場合はズレのほかに割れることもある他、経年劣化で屋根材が浮き、雨水が侵入するケースもあります。
②谷樋板金
谷樋板金は、一旦雨を貯める場所になります。
屋根が谷のような構造になることで、排水機能を持つ屋根の部位です。
雨が溜まりやすい場所のため、築年数の経過による経年劣化や、腐食が進むと雨漏りを発生するケースが多く見受けられます。
屋根材がトタンやガルバリウムなど、金属屋根で見られる現象です。
③棟板金の釘浮き
棟板金とは、スレート屋根の一番尖った頂上部分に被せる山形の板のことを言います。
屋根の中で最も高い位置にあり、出っ張っている部分になるため、台風や飛来物があった場合に壊れやすい部分になります。
築年数の経過による経年劣化や台風などの強い風によって棟板金が持ち上げられ、固定していた釘やビスが緩むことで、隙間から雨水が浸入してきます。
④雨樋の排水不良・破損
屋根に落ちた雨を地上へ流すための雨樋ですが、雨樋にゴミが詰まっていたり、苔が発生したり、草が生えたりすることで雨水の流れが堰き止められてしまいます。
流れが堰き止められると排水不良が起きたり、割れやひびが入ったりといった破損が起き、そこから雨水が浸入することになります。
大雪によって雨樋が破損するケースもあります。
⑤経年劣化によるコーキングの剥がれ
屋根材や外壁材において隙間を埋めるために使用されるコーキングは、築年数の経過に伴い劣化します。
劣化によって生じた隙間から雨水が浸入することになります。
またコーキングは屋根や外壁だけではなく、ガラスやサッシ周りの目地にも施されていることが多くあります。
耐久性のある良いコーキング剤でも、常に紫外線や雨風を受ける環境下に置かれていれば時間を掛けてゆっくりと劣化し、ひび割れや剥がれが起きます。
普段見えない部分にコーキングが施されていることもあり、劣化に気付かないままのこともあります。
⑥余計なコーキング補修
専門知識や経験の少ない雨漏り修理業者による雨漏り修理やDIY施工によって、本来してはいけない箇所の隙間にコーキングを埋めてしまう場合があります。
それによって雨水の流れを変える結果となってしまったり、1ヶ所に雨水を貯めてしまうことになったりすると、雨漏りが発生します。
⑦漆喰の崩れ
漆喰材は雨風から瓦屋根を守るために使用されています。
屋根材を支える土台でもある漆喰が崩れると、そこから雨水が浸入して雨漏りが発生することになります。
⑧太陽光パネル取付時の穴
太陽光パネルを屋根に設置する際、固定するために釘やビスを使って留めることがあります。
この時の施工ミスによって、雨水の浸入口が作られてしまう場合があります。
⑨テレビアンテナの設置
太陽光パネル取付時と同様に、テレビアンテナを設置する際、固定するための釘やビスの穴が影響し、そこから雨水が浸入してしまう場合があります。
⑩外壁のひび割れ
雨漏りの原因となる場所は屋根だけではありません。
外壁のひび割れが原因となって、そこから雨水が浸入する場合があります。
⑪施工業者による施工不良
新築時の屋根や外壁の施工不良が原因となって、雨漏りが引き起こされるケースがあります。
⑫DIYによる施工不良
自分でコーキング補修を行ったり、屋根材のずれや割れ、浮きなどをDIYによって修理した結果、雨漏りが引き起こされる場合があります。
⑬屋根塗装の時に縁切りがされていない
縁切りとは、ローラー等を使ってスレートを塗装した際、塗料乾燥後に塗料でふさがった隙間の塗膜を切って、水の通り道を確保することを言います。
縁切りを行っていないと、屋根材同士の隙間が埋まり、雨水の通り道が確保できなくなるため、雨漏りが引き起こされます。
⑭雨樋がない
建物同士の間隔が極端に狭く、もともと雨樋が設置されていない場合があります。
雨樋は屋根から落ちてくる雨水を地面へ送るだけでなく、雨水を飛び散らせないという役割もあります。
雨樋がないと、雨水を受け止める場所がなくなるため、雨水が四方八方に飛び散り、通常だと水が入らないような部分に雨水が侵入することがあります。
⑮軒先が短い
屋根先にある軒が短いと、雨水から外壁を守ることが難しくなります。
風が殆どない場合、雨は真上から降りますので、雨水は外壁面に当たりづらくなっています。
しかし少しでも風が吹けば、横方向や下方向から、雨水が当たってしまいます。
軒先が長い建物であれば、風によって横から雨が当たっても外壁に当たりづらくなりますが、軒先が短いと防御できず、外壁に直接雨水が当たってしまいます。
◎雨漏りが発生したら確認すること
雨漏りが発生しても、慌ててはいけません。
まずは落ち着いて、これから紹介するポイントを確認しましょう。
①雨漏りの場所
雨漏りはどこで起きていますか?
雨漏りは建物内部で複雑な経路を辿っている場合があるため、1ヶ所発見しても、他の箇所でも雨漏りが起きている可能性があります。
初めに雨漏りを発見した場所だけではなく、建物の外側や室内をくまなく見て周り、雨漏り箇所を確認しておきましょう。
また場所だけでなく、どのような症状なのかも併せて確認しましょう。
a)1階ですか?2階ですか?
b)壁ですか?天井ですか?
c)屋根の下ですか?ベランダの側ですか?窓の側ですか?
d)外壁に直接室外機を付けている側ですか?
e)天井にシミができていますか?
f)室内がカビ臭くなっていますか?
g)水が垂れてきていますか?
②雨漏りが発生する状況
どのような天候の時に雨漏りが起きるのかを確認しましょう。
例えば大雨の時は雨漏りが発生するけれど、シトシト小雨の日は雨漏りしないこともあります。
風向きによって、普段雨水が入らない部分が侵入口となり雨漏りになるケースもあります。
雨漏りはいくつもの要因が重なって発生する場合がありますので、ある程度の発生状況が分かっていると原因の特定がしやすくなります。
a)雨はどんな強さですか?
b)どの方向から風が吹いていますか?
c)風の強さはどうですか?
d)雨はどれくらいの時間降っていましたか?
③築年数
同じ雨漏りでも、建物の築年数によって修理内容は変わってきます。
例えば新築で家を建ててから築10年未満であれば、2000年4月に策定された『住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)』が適用され、雨漏りを無料で修理できる場合があります。
また、同じく築10年未満の場合は、瑕疵担保期間(建物に起きた不具合が施工業者のミスであれば、無料で修理が受けられる機関)において、瑕疵が発見されれば、施工業者によって修理してもらえる法律があります。
築10年未満で雨漏りが発生しているのであれば、まずは施工業者へ確認を取りましょう。
雨漏り修理で費用が発生するかどうかは、それ次第になります。
築20年以上前後の建物であれば、建物そのものに劣化が表れる時期になります。
そこへ雨漏りが加わることで、1次防水だけではなく、2次防水にも劣化が表れている場合があります。
できるだけ少額の修理費用で対応ができるよう、こまめにメンテナンスをしていくと良いでしょう。
a)築10年未満ですか?
b)築10年~20年ですか?
c)築20年以上ですか?
④建物の状況
『これまでに雨漏りがしたことはあるが、気付いたら止まっていた』
『以前雨漏り修理をしてもらったことがある』
このような情報も、原因特定には重要です。
これまでに雨漏りをしたことがあるのであれば、特定の条件の場合のみ雨漏りが発生することが考えられます。
また以前雨漏り修理を受けたのに再発したということであれば、その際の修理で原因が特定出来ないまま修理をしているか、新たに雨水の侵入口が出来てしまっているといったことが考えられるため、原因特定に役立ちます。
a)これまでに雨漏りをしたことがありますか?
b)雨漏り修理をしてもらったことがありますか?
c)ネズミがいた事はありますか?
d)シロアリ被害に遭った事はありますか?
e)大きな地震を受けた事がありますか?
◎雨漏りによって被る被害
雨漏りによって、2次被害と呼ばれるカビやシロアリなどの被害が発生してしまう場合があります。
劣化状況が軽度で雨漏りだけの建物であれば、比較的少額で修理をすることができますが、2次被害が発生すると高額な修理費用が発生してしまうことにもなりかねません。
①精神的ストレスが掛かる
せっかく手に入れたマイホームでの楽しい生活も、雨漏りなどの不具合が起こったことによって『この家は大丈夫だろうか』と建物全体への不信感につながってしまいます。
天気の良い日に考えることは少ないでしょうが、雨が降る度にそのような気持ちになってしまうことは、大きなストレスとなります。
雨漏り1つで大袈裟だと思う方もいるかもしれませんが、新築の戸建て住宅で一番多いクレームが雨漏りというデータもあります。
②建物内部の躯体にカビが発生する
雨漏りを放置し続けることで建物内部の躯体が湿り、カビが発生する場合があります。
何となく家の中がカビ臭くなったり、シックハウス症候群や他の健康被害を発症したりする確率が高くなります。
③シロアリの餌場になる
日本ではヤマトシロアリやイエシロアリといった種類のものが湿った木材を好みます。
雨漏りは1次被害ですが、雨漏りが元で発生したシロアリなどの被害は2次被害と呼ばれます。
シロアリに食べられスカスカになった建物を修理するとなると、最悪の場合建て替えなど高額な修理費用が発生することにもなりかねません。
④建物の寿命
日本における一般住宅の建物寿命は、約30年と言われています。
しかし雨漏りが元となって建物の耐久性が落ちたり、カビやシロアリが発生したりするなどがあると、20年前後で建て替えなどの高額リフォームになる場合もあります。
◎原因特定のための調査方法
雨漏りの原因を特定するためには、複数の調査方法を駆使するケースが非常に多いです。
ここではその調査方法と、目安となる費用をご紹介します。
①目視調査
費用の目安は無料です。
目視調査は機材を一切使用せず、人の目だけで状況確認を行います。
原因の特定をするためには、他の調査方法と組み合わせる必要があるでしょう。
②散水調査
費用の目安は10万~30万円です。
建物に水を掛けることで雨の環境を再現し、雨水の侵入口や経路を確認します。
散水技術や雨漏りに対する知識だけでなく、雨漏り修理の技術や経験などが必要となります。
③サーモグラフィー調査
費用の目安は10万~40万円です。
雨漏りがしている箇所は『湿り』によって温度が低くなります。
それを利用し、熱を可視化できるサーモグラフィーを用いて調査を行うことで、雨水の経路を確認します。
④発光液調査
費用の目安は5万~20万円です。
雨水の侵入口と予想される部分に、発光する特殊な液体を流し込み、特殊な機械で雨水の侵入口や経路を確認します。
⑤解体調査
費用の目安は無料~10万円です。
見た目では分からない雨水の侵入口を、部分的に屋根材や防水シートを解体し、屋根の内側等を確認します。
◎修理方法
原因特定が出来たら、いよいよ修理となります。
ここでは実際の修理や補修の内容について、詳しくご紹介します。
①コーキング補修
雨水の浸入口と思われる箇所にコーキング剤を入れることで、一時的に穴を塞ぎます。
ただしこの補修は、あくまでも一時的なものです。
それで補修を終わりとせず、後々根本的な修理を行う必要があります。
②ビニールシート
一刻も早く対応しなくてはならない緊急性の高い場合、一時的な応急処置としてビニールシートで覆います。
ただし屋根の勾配がきつかったり、雨風が強かったりといった屋根に上がれない状況で無理にビニールシートを掛けようとするのは大変危険です。
応急処置であっても必ず業者に依頼しましょう。
③屋根材の部分交換
スレート、瓦、ガルバリウムなど、雨漏りの原因となっている部分の屋根材を交換します。
④漆喰補修
屋根材が瓦の場合に使用されている漆喰が雨漏りの原因である場合、漆喰の補修を行います。
⑤ルーフィング交換
ルーフィングとは屋根材の下に敷かれている防水シートのことです。
このルーフィングに穴が開いていたり、腐食をしていたりする影響で雨漏りが発生している場合、部分的に交換します。
⑥野地板交換
野地板はルーフィングの下に敷かれています。
この野地板が原因で雨漏りが発生している場合、部分的に交換します。
⑦棟板金交換
屋根の棟(むね)は、屋根の一番頂上部分に位置しています。
棟部分を覆っている板金が強風によって浮き上がったり、隙間が出来ていたりすると、雨漏りの原因となります。
新しい棟板金に交換したり、釘の打ち直しなどを行います。
⑧屋根周りの釘浮き補修
屋根材によっては、屋根に釘を打ち込んでいる箇所もあります。
その釘が経年劣化によって浮き上がってくると、わずかな針穴が雨水の侵入口となる場合もあります。
浮いた釘の打ち直しやコーキングでさらに止めるといった作業を行います。
⑨雨樋補修
雨樋にゴミがたくさん溜まっていたり、結合部分が外れていたりすることが、雨漏りの原因に結び付くケースが多くあります。
雨漏りの原因が雨樋の場合は、部分補修や交換などを行います。
⑩外装の修理
雨漏りは屋根からだけではなく、外壁からの場合も多くあります。
外壁のひび割れやサッシの窓枠劣化、換気扇の結合部の劣化などが雨水の侵入口となり、雨漏りへと発展する場合もあるため、外壁周りの修理を行います。
⑪ベランダやバルコニーの防水
ベランダやバルコニーは緩やかな勾配がついているため、本来雨水がたまりやすい箇所です。
それに準じて劣化しやすく、ベランダやバルコニーが雨漏りの原因となる場合がるため、その場合は防水工事を行います。
⑫屋根葺き替え工事
築20年以上経過している建物の場合、屋根材の下にあるルーフィングと呼ばれる防水シートや野地板など、表面からは見えない部分の劣化がかなり進行していることがあります。
これらの劣化が雨漏りの原因となっている場合は、葺き替え工事と言って、既存の屋根材を一度取り外し、新しい屋根材に入れ替えるという工事が必要となることがあります。
◎雨漏りの再発
『修理をしてもらったはずなのに、雨漏りが続く』
『何度修理してもらっても雨漏りする』
このような状況で、何度も高額な修理費用の支払いをしていませんか?
雨漏りが続いたり、再発したりするということは、何か原因があるはずです。
①原因特定をしないまま修理をしている
雨漏りの原因は1つではなく、複雑な建物の構造だったり、雨水の侵入口が複数箇所あったりするなど、いくつかの原因が重なっているケースもあります。
原因の特定をしないまま修理を行った場合、表向きには雨漏り治まったかのように見えますが、根本的な原因は何も解決されていません。
よって、雨漏りが再発してしまいます。
②修理業者の知識や経験不足
『雨漏り修理なんて穴を塞ぐだけなんだから簡単でしょ』という認識をお持ちの方もあるかと思いますが、複数ある原因特定を見つけられなかったり、原因箇所を見落としてしまったりなどの理由から、難易度の高い工事と言われています。
そのため、ほんの数回雨漏り修理をしただけの業者や職人では知識や経験もなく、雨漏りの原因を特定することが出来ず、適切な修理をすることも出来ません。
③原因特定が違っていた
知識や経験不足の修理業者に雨漏り修理を依頼したことで、誤った修理をされ、雨漏りを拡大させることもあります。
また、原因特定は出来ていたものの、適切な修理ではなかったことで、新たな雨漏りを発生させることもあります。
④建物の老朽化
原因特定ののち、適切な修理を行ったとしても、建物の老朽化によってその他の部分に新たな雨水の侵入口が出来てしまうこともあります。
この場合は部分的な修理ではなく、屋根や外壁といった、建物全体の工事が必要になる可能性も考えておかなくてはいけません。
◎業者選び
雨漏りの修理ができると謳っている業者はたくさんありますが、その業者が優良業者であるか否かを判断するのは難しいことです。
そこで業者選びの段階から修理後まで、優良業者見極めのポイントをご紹介します。
①地域密着で近隣にある
修理業者も最善の努力をしていますが、複数の原因が入り組んだ雨漏りは一度の修理で解決することは難しく、再発することもあります。
このように後日トラブルが発生した際、すぐに駆けつけてくれる地域密着の地元業者を選んでおきましょう。
地域密着の修理業者は、地元愛があり、悪い噂が広まれば仕事を継続することが出来ないことを知っています。
きちんと修理をしてくれる業者が近隣にあるというだけで、日頃の生活でも安心感が持てるでしょう。
②雨漏り修理の事例を多く経験している
雨漏りの原因特定のためには、先にご紹介した調査方法に加えて、実際に作業をする人がどれだけ雨漏り修理の経験を積んでいるかにも左右されます。
原因特定のためには、やみくもに機械を使用するだけではなく、調査を有効に行うため雨水の侵入口に目星をつける職人のカンの鋭さも必要です。
雨漏りの原因は見た目で分かるものばかりではありません。
雨漏り修理の事例を多く経験している職人が居る業者を選びましょう。
③屋根や外壁にのぼって調査をする
どんなに経験を積んできたベテランの職人でも、雨漏りの原因特定に失敗することもあります。
雨漏りはそれだけ難しい工事ですので、屋根や外壁の様子を直接目で見たり、機械で確認をする必要があります。
『屋根や外壁にのぼらなくても雨漏りの原因が分かりますよ』という業者には、十分注意しましょう。
④調査内容を写真や映像で見せてくれる
日頃から屋根の状態を目視するのは、一般の人には難しいことです。
そのため、業者が原因特定のために調査した内容を、写真やビデオなどの映像で見せてくれる業者を選びましょう。
それらを見せてくれない業者は、そもそも屋根に上がっただけで原因特定となる場所の目星がついておらず、何となく上がっただけだったり、雨漏り修理の実績が乏しく、失敗する可能性が高くなったりといった危険性を含んでいます。
⑤原因特定をしっかりとしてくれる
雨漏りの原因を特定するための調査方法はいくつかありますが、目で見るだけの目視調査だけでは不十分な場合が多いです。
先にご紹介した通り、調査方法には目視調査・散水調査・サーモグラフィー調査・発光液調査・解体調査とありますが、これらを複数組み合わせることで原因特定の精度が増します。
原因特定にはそれなりの時間を要するため、1日掛かっても調査が足りないことが度々あります。
しかしどれだけ時間が掛かったとしても、原因特定をしないまま修理を行えば、必ず雨漏りが再発します。
最低でも目視調査と散水調査まで行ってくれる業者を選びましょう。
⑥細かく記載された見積書
雨漏り修理をしてもらうためには、見積書を出してもらわなくてはいけません。
この見積書の内容は、工事の内容そのものを表していますので、曖昧な点があることは決して許されません。
専門知識がなくとも分かりやすく記載されているか、疑問な点はないか、工事内容のイメージが出来るくらいに細かく書かれた見積書を提出する業者を選びましょう。
⑦修理前にきちんと説明をしてくれる
雨漏りの原因が特定できた時に初めて、原因となった箇所やその修理方法が業者から説明されます。
これを行わず雨漏り修理工事を始めようとする業者は、到底信頼とは程遠い業者であると言えます。
どこから雨漏りが発生しているのか。
何故雨漏りが発生したのか。
快適な暮らしのために、どのような方法で修理を行うのか。
これらを分かりやすく、きちんと説明してくれる業者を選びましょう。
⑧火災保険が『必ず利用できる』と言わない
雨漏りの原因によって、火災保険を利用して修理をすることが出来る場合があります。
しかしこれには条件があり、雨漏りの原因が建物の老朽化などの経年劣化であったり、火災保険が認定していないものが原因であったりした場合には、保険申請をしても認定は下りません。
加入している火災保険の契約内容によっても違いがありため、火災保険が必ず利用できるという保証はどこにもありません。
そのため、火災保険を利用する前提で雨漏り修理の契約を進めようとする業者には注意が必要です。
⑨着工前に前払い金の支払いを要求しない
軽度の雨漏り修理だと、数万円といった少額で修理を行うことが出来ます。
そのため、修理費用の前払い費用を請求するような業者には注意が必要です。
実際には前払い金よりも安い金額で修理が終わっているのに、余分に払った分は返金されなかったなど、思わぬトラブルへと発展するケースも報告されています。
⑩修理後に散水調査を実施している
原因特定のために散水調査は行われますが、修理が終わった後も、本当に雨漏りが止まったのかを確認するため、散水調査を行う必要があります。
雨漏り修理が終わった後の完了確認がなければ、後日雨漏りが再発するなどのトラブルに発展する可能性もあります。
修理が終わった後に散水調査を実施すると説明があったり、見積書に『修理後に散水調査の実施』などの文言を明記してくれたりする業者を選びましょう。
⑪アフターフォローや保証がついている
雨漏りの修理は建物工事の中でも、非常に難しい工事の1つです。
そのため誤った処理をすれば雨漏りが再発したり、それが引き金となり別の雨漏りが発生してしまうこともあります。
万が一を考え、工事保証をつけてくれる業者を選びましょう。
◎まとめ
今回は雨漏りについて深堀りしました。
また、雨漏りが起きる前に出来る対策として、定期的に建物診断を受けるなどこまめにメンテナンスを行っておくことで、例え雨漏り修理が必要な状況になった場合でも修理費用は少額で済むでしょう。
雨漏りを発見したタイミングは様々だと思います。
しかしその後の対応については今回の情報を思い出して、冷静に行動していただきたいと思います。