【屋根雨漏り】屋根に使用される板金について詳しく解説!
現在のお住まいについて『屋根の素材は何ですか?』と問われたら、何を思い浮かべるでしょうか。
殆どの方が瓦やスレートといった”屋根材”に注目してしまい、その他で屋根を構成している材料には何が使われているのか分からない・・・という方が多いのではないでしょうか。
一般的な考え方からするとそれで十分ですが、雨漏りの場合は少し違ってきます。
雨漏り(雨漏れ)が発生した場合、屋根材そのものの不具合よりも、屋根に使用されている屋根材以外の部材の劣化が原因ということが多いのです。
屋根には『板金』と呼ばれる様々な金属部材が使用されており、これらが経年劣化してしまうことで雨水が建物内に侵入してしまうということが多くあります。
そこで今回は、屋根に使用される板金について詳しく概説します。
◎板金の持つ役割とは
屋根には様々な形状がありますね。
どのような形状であっても、この形状であれば均一に雨水に強いというものはありません。
屋根材の接合する部分や、谷構造になる部分、外壁と接合する部分など、雨水の影響を強く受けてしまう場所が存在します。
板金は屋根の構造上、どうしても弱い部分を補強するという役割を担っています。
◎屋根に使用される板金の種類
①棟板金
棟板金とは、スレート屋根や金属屋根の頂上になる部分に取り付けられる板金です。
2方向の屋根面が接合する部分になるため、そのままだと屋根職人の腕がどんなに良くても隙間が出来てしまいます。
棟板金によってその隙間を埋め、雨水の侵入を防ぎます。
棟板金が必要な箇所というのは、建物で最も高い位置になりますので、雨だけでなく強風や突風、それによる飛来物によって破損してしまう可能性が高くなります。
②谷板金
屋根が谷構造になる場合、その谷部分に取り付ける板金になります。
谷になっている部分は、屋根に落ちた雨水が集まり、適切に排水する部分になります。
屋根の中で最も雨水の影響を受ける部分になるため、他と比べて劣化スピードが速くなります。
屋根が原因とされる雨漏りの原因第1位が、谷板金の劣化になります。
③雨押さえ板金
雨押さえ板金とは、1回部分の屋根が外壁と接合する部分に取り付ける板金のことです。
外壁をつたって流れ落ちる雨水が、接合部の隙間から建物内部に侵入したいようにするのが目的になります。
雨押さえ板金も、雨漏りの原因になることが多い場所になります。
④ケラバ板金
ケラバとは、屋根の形状が切妻屋根や片流れ屋根において、軒の出がない面の先端部分のことを言います。
雨樋のついていない屋根の先端部分と聞くと、イメージがしやすいのではないでしょうか。
この先端部に出来る隙間から、建物内に雨水が侵入しないよう取り付けるのがケラバ板金です。
⑤軒先板金
雨樋のある屋根の先端を”軒先”と言いますが、その軒先部分に取り付けられているのが軒先板金です。
雨樋は屋根に降り落ちた雨水の通り道ですので、雨水の影響を大きく受ける場所です。
ケラバと同じ役割がありますが、軒先には『雨水が集中する場所』という側面もありますので、ケラバ板金よりも軒先板金の方が劣化速度が速くなります。
⑥笠木・パラペット板金
屋根が平らになっている陸屋根は、落下防止などの目的で外周が立ち上がっており、その立ち上がっている外周部分をパラペットと言います。
パラペット板金とはその名の通り、パラペットの上に取り付けられている板金です。
ベランダでは手摺りのように立ち上がっている部分を笠木と言いますので、笠木板金と呼ばれています。
パラペットは壁の一番上部の保護が最も重要な役割になり、紫外線など自然環境の影響を受けやすい場所でもあります。
そのための保護として板金が取付けられます。
◎まとめ
いかがでしたか?
屋根においての板金には6つの種類がありましたが、基本的に弱点部分の保護が目的です。
屋根から雨漏りをしたり、台風や大雨などの前後に見える範囲でも屋根の状態を確認しておき、何か変化を感じたら屋根専門業者に詳しく調べてもらいましょう。
業者に依頼する際や、説明を聞いたりといった場面で屋根板金の種類を知っておくのと知らないのとでは、あなたの理解度や納得度に大きな差が生まれるのではないでしょうか。
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