【トタンと比較】ガルバニウム鋼板について解説
突然ですが、皆さんはこの2つの画像の素材が何か分かりますか?
そっくりに見えますが、1つ目がトタン板で、2つ目はガルバニウム鋼板というものです。
本日はその2つの違いと、ガルバニウム鋼板について詳しく解説してまいります。
◎素材の違い
ガルバリウム鋼板とは、アメリカで開発された鉄ベースの板です。
軽量で耐久性が高いため屋根材や外壁材としての需要が高いです。
一部では「ガルバ」「ガルバニウム」「ガリバリウム」など少し違う呼ばれ方をする場合もあります。
ガルバリウム鋼板は、スタイリッシュな外観に加え、名称からはまるで近未来的要素がありそうな印象を受けますが、実際はそうではありません。
鋼板とは、鉄がベースの合金の板の事です。
ガルバリウム鋼板はその板に、金属メッキ加工を施したものです。
このメッキが少し特殊なもので、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、ケイ素(シリコン)1.6%の比率で構成されています。
それに比べトタンは、非常にシンプルで、亜鉛だけで作られています。
見た目は似ていますが、半分以上の素材が別の物という事が分かりましたね。
◎鉄ベースの板と熱の関係
ガルバリウム鋼板の外壁材は「金属系サイディングボード」と呼ばれ、断熱材がセットになっている場合が多いでしょう。
なぜならそれは、ガルバリウム鋼板が断熱性能を持っていないからです。
しかし、「断熱性能を持っていない=良くない」という訳ではありません。
基本的に外壁材は断熱機能を持っていない物が多く、外断熱・内断熱問わず、断熱材などの内部構造に頼っているものがほとんどです。
例に漏れず、ガルバリウム鋼板もそのうちの1つです。
ガルバリウム鋼板が作られた目的は、薄い素材、スタイリッシュな外観、そして雨、紫外線、湿気、空気中の汚れなどの外の環境から家を保護する為です。
よって他のところで断熱機能を確保する必要があるというだけのことです。
既に建てられた家であれば、基本的に断熱構造はある程度設けられているので問題ないと思いますが、新築時には注意しましょう。
◎業者メンテナンスと耐用年数
外壁で使うガルバリウム鋼板は金属製の外壁材としては寿命が長く、10〜15年ごとに塗装メンテナンスが必要です。
そして20〜30年程度の耐用年数(交換目安となる期間のこと)があります。
見た目が似ているトタンは10~20年の耐用年数です。
耐用年数を長くもたせるには、定期的な塗装メンテナンスをしましょう。
◎メリット
1.金属材のなかでは錆びにくい
上記でもご紹介した通り、ガルバリウム鋼板はアルミニウムが主原料で、更にその上にメッキ加工を施している為、他の金属外壁材に比べて錆びにくいです。
その錆びにくさはトタンなどの数倍以上と言われています。
建物が錆びるというのは、外壁が剥がれたり、大きくひび割れてしまうのと同時に、美観を大きく損ないます。
しかし、酸性雨、雨が乾きにくい条件がある、錆びた釘が接触してもらい錆をしてしまうなど、要因さえあれば錆びてしまいます。
2.軽量で耐震性が高い
外壁材は軽量であるほど地震に強くなります。
それは、主体の建材が非常に重いため、そこに更に重い外壁材を乗せると、家自体の骨組みの木や、金属に負担がかかってしまうからです。
鉄の塊が重いように、本来金属は重いものですが、ガルバリウム鋼板は非常に薄く、1~3mmほどです。
家自体に負担をかけにくいという事は、地震などが起こったときに家が崩れにくいということです。
ガルバリウム鋼板は外壁材のなかで特に軽量なため、耐震性が高い住宅にできるでしょう。
3.防水性が高い
ガルバリウム鋼板は窯業系(ようぎょうけい)サイディングや、ALC外壁(軽量で気泡が入ったコンクリート)と比較して隙間が少ないため、水が内部に入り込みにくく雨漏りの発生を防ぎやすいでしょう。
4.リフォームに適している
今現在の外壁や屋根の上からガルバリウム鋼板を設置するカバー工法という工法が可能です。
(※元の外壁材が薄い物だった場合に限られ、今の外壁材が分厚い場合は、取り除いてから施工する必要があります。)
カバー工法で家の周りをガルバリウム鋼板で囲む事で、金属外壁ならではのシックでおしゃれな家に見せる事が可能です。
◎デメリット
1.傷がつきやすい
本体も表面メッキも薄いため、傷がつきやすく、傷口から錆びてしまいます。
2.デザインの幅が狭い
金属の質感によりシンプルなデザインをしています。
スタイリッシュ、シック、モダン、無機質な印象故に格調高いイメージを叶える事ができますが、模様のバリエーションは窯業系サイディングより少ないでしょう。
◎セルフメンテナンスについて
日々のメンテナンス方法は簡単です。
1年に1回、優しく水をかけてあげるというものです。
潮風が来やすい沿岸沿いの地域や、酸性雨が降るような地域の場合、1ヶ月~3ヶ月ごとといった具合でもっと頻度を増やした方が良いでしょう。
素材が薄いため、高圧洗浄機は使わないで下さい。
かける場所は、雨が降った後に泥がはねている所と、普段から雨水がかかりにくい部分は、汚れが流れにくくなっているので重点的に流すようにしましょう。
大規模メンテナンスをDIYで行うのはNG
メンテナンスのうち、「塗装ならDIYできそう」と思われるかもしれません。
しかし、ガルバリウム鋼板の塗装は、元から薄い素材の表面のみを削って剥がれにくい下地準備が必要で、他の外壁材よりも高度な施工技術が求められます。
◎まとめ
いかがでしたか?
デメリットはメリットと表裏一体ともいえるガルバニウム鋼板。
シンプル故にセルフメンテナンスは非常に楽なことがお分かりいただけたかと思います。
またリフォームにも適しているため、シックな見た目が気に入ったのであれば、一度検討されてみるのもいいかもしれません。
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