釘とビスの違いとは?屋根工事での疑問にお答えします!
「釘」と「ビス」の違いをみなさんはご存知ですか?
一見よく似ていますし、言い方が違うだけなのでは?とも思われがちですが、全く別のものになります。
違い、、、、とっても気になりますよね?!
今回はそんな「ビス」と「釘」の違いについて解説していきます。
あの小さい物の中にも、様々な工夫がされています。
①ビスについて
「ビスを揉む」という言葉をみなさんはご存知でしょうか?
何かを留め付ける時にビスを使いますよね。
でも、なぜに「揉む」というのでしょう?
その理由はビスの固定方法にあります!
もともとビスは錐(きり)等で固い材料に穴を開けてから、ねじ込むようにして、留め付けをしていました。
その「錐を手で回して穴をあける」ことを「揉む」と言い、それが「ビスを揉む」というようになりました。
そこで、釘とビスの違いについてです。
釘は金づちを使って上部から打ち込みますが、ビスは本体の表面にぐるぐると螺旋(らせん)が刻まれていて、回転させながら打ち込んで行きます。
その螺旋の特徴により、留め付けた部分が緩みにくくなるという性質、途中で折れ曲がりにくい、もし打ち間違えても逆回転で回しながら引き抜きやすいという性質があります。
また、ビスは上下方向の動きに強く抵抗する性質もあります。
地震などの横揺れへの抵抗は小さいですが、留め付けていたものが持ち上がってしまうという場合ですとビスの抵抗は大きくなります。
②釘について
ビスの説明でも記述しましたが、釘は金づちなどで上部から打ち付けるもので、ビスは回転をさせながら留め付けるものです。
釘の場合は上から打ち付けているので、上下方向の動きに対する抵抗がビスほど強くないですが、横方向の動きに対する抵抗はビスよりも大きいのが特長です。
ところで、釘にはどのような種類があるのでしょうか。
釘の種類
◆丸釘・・・・ユニクロム材質のものは木材へ、ステンレス製のものは瓦や、アルミ板、アルミサッシ、すのこなどに適しています。
◆スクリュー釘・・・・ベニヤ板、塀、ボードの下地・天井などに適しています。
◆コンクリート釘・・・・ブロックやコンクリートにパイプや電気器具等を取り付ける時に適しています。
◆7型釘・・・・瓦を固定する際などに用いられ、数字の7の形をしている事から、このように呼ばれています。また、L型釘とも言われます。
③瓦屋根工事にはビスと釘の両方を使用
現在の瓦屋根工事の際には、ビスと釘の両方を用いる事が瓦屋根標準施工要領書(ガイドライン)にて定められています。
標準仕様の部材となっているのは「瓦緊結用釘」「補強用釘(パッキン付のビス)」「7型釘」です。
「瓦緊結用釘」とは、土台である桟木に瓦を留め付ける際に用いるものです。
「補強用釘(パッキン付ビス)」は、防錆機能に優れたステンレス製とされています。
更にパッキン部分は対候性・耐亀裂性に優れた材質とされています。
「7型釘」は、長さが75mm以上のステンレス製の釘を使います。
これは、瓦をステンスクリュー釘で留め付けた後、更に補強するために用います。
◎ まとめ ◎
瓦屋根の工事は釘とビスの特徴を生かしながら施工されています。
屋根という事もあり私達からは見えない部分ではありますが、釘やビス一本一本、それぞれで役割があり、奥が深いものです。
小さい材料ではありますが、釘やビスには安心して住む為の知恵が詰まっています。
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