【外壁リフォーム】外壁カバー工法について詳しく解説!
屋根リフォーム工法の1つとして、既存の屋根材の上から新しい防水シートと屋根材を被せる「屋根カバー工法(屋根重ね葺き工事)」が広く知られるようになりました。
外壁にも同じように、「外壁カバー工法(外壁重ね張り工事)」があります。
しかし屋根カバー工法と比べると認知度が低く、外壁カバー工法についての情報も少ないため、「興味はあっても見えない部分が多すぎて一歩を踏み出すことが出来ない」という方もいらっしゃるように感じます。
そこで今回は、外壁カバー工法について様々な側面から詳しくご紹介します。
◎外壁カバー工法とは
既存の外壁の上から新しい外壁材を重ね張りする工事方法を、外壁カバー工法と言います。
既存外壁材がサイディングやモルタルの場合に使えるリフォーム方法で、その外観やデザインを一新することが可能です。
外壁リフォームには外壁カバー工法の他に「塗装」と「張替え」があります。
外壁塗装は既存の外壁材の上から新しく塗料を塗装する工事で、劣化が少ない場合に適した工法です。
張替えは既存の外壁材を剥がして、新しい外壁材を張り直す工事になります。
屋根工事で言うところの「屋根葺き替え工事」です。
外壁カバー工法は、塗装と張替えの中間的な位置にある工法と言えるでしょう。
どのリフォーム方法が適しているのかというのは、業者に判断してもらわなくてはいけません。
◎外壁カバー工法のメリット
①工事期間とコストを抑えることができる
外壁カバー工法は張り替えと違って既存外壁を撤去しなくても良いため、工事期間中も通常の生活を送ることが出来ます。
外壁の下地材が腐食しているかどうかを確認するために、土台や軒下に近い部分を剥がすことはありますが、基本的に既存外壁材の上から新しい外壁材を張り付けて行きます。
既存外壁の解体や撤去処分のための手間やコストが発生しないことから、張り替えリフォームと比較した場合、工事期間とコストを抑えることができます。
②防音性・断熱性が期待できる
外壁材を重ねることで壁と壁の間には空気の層が作られることになります。
これによって水分を含む暖かい空気を遮断し、夏は涼しく冬は暖かい室温をキープすることが可能となります。
快適になるだけでなく、このことで光熱費の削減にも繋がります。
また、外壁材が二重になることで、防音性・遮音性の機能が高くなります。
屋外から聞こえてくる騒音が室内に伝わりにくくなれば、静かで快適な生活を送ることが可能となります。
◎外壁カバー工法のデメリット
①カバー工法を行えない外壁がある
既存外壁の劣化が表面的なひび割れや破損程度であれば、カバー工法での外壁リフォームが可能です。
ですが外壁内部の腐食や劣化が進んでいる場合や、既存外壁の寿命で強度が確保できないと判断された場合、また、外壁下地に漏水が発生している場合などにはカバー工法では対応することができず、張り替え工事が必要となります。
②内部結露が発生することがある
外壁が二重になることで、壁の内側に結露が発生することがあります。
外壁の内側と外側で生じる温度差や空気中の水分が、結露という形で外壁内部に発生してしまうのです。
ただ、これにはきちんと対処法がありますので、そこまで心配しなくても大丈夫です。
施行の際、外壁材を張り付けるための「胴縁」という部材があるのですが、この部材の間隔をあけて配置することで、「空気の通り道」を作ります。
暖かい空気は上昇しますので、屋根との間に作った隙間から外へ逃すことが出来ていれば、水分を含んだ空気が外壁内部に籠ることはありません。
③住まいの総重量が重くなる
どんなに軽量の金属サイディングを利用したとしても、現在の外壁よりも重くなってしまうということは間違いありません。
外壁の重量が増すと耐震性が低下し、地震の際は揺れやすくなったり、破損しやすくなったりする傾向にあります。
そのため外壁カバー工法を行う場合、外壁材の重さも配慮しておきたいポイントになります。
◎リフォーム費用の目安
外壁カバー工法の工事費用は、いくらくらいだと思っておけば良いのでしょうか。
30坪で2階建ての住宅を窯業系サイディング材でリフォームした場合を例にご紹介しますので、参考にしてみてください。
・足場代:15~20万円
・シート養生:8~12万円
・防水シート:4~6万円
・下地設置:20~25万円
・水切り設置:5~7万円
・サイディング材:55~70万円
・重ね張り作業代:30~45万円
・シーリング材:25~35万円
上記の項目に「諸経費」という費用が追加されます。
また金属系サイディングを使用する場合は、材料費(サイディング材)がプラス5万円程度になるでしょう。
◎まとめ
外壁カバー工法にかかわらず、外壁リフォームの工事方法や費用面が不安な場合、まずは外壁リフォーム専門店に現地調査を依頼されることをオススメします。
優良業者であれば劣化の状況や予算、ライフプランなどを考慮したプランを提案してくれるはずです。
また、業者の言いなりになるのではなくご自身でもある程度の下調べを行い、質問事項をまとめておくと良いでしょう。
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