【換気棟】屋根裏換気には欠かせない!換気棟の役割について解説します
屋根のリフォームなどで情報収集をしている際に、換気棟という言葉を聞いたことはありませんか?
換気棟とは屋根の棟(頂部)に取り付けられている換気システムの事です。
今回はその換気棟について解説していきます。
換気棟とは
換気棟は、屋根の棟に取り付けられた換気口のことをいいます。
屋根裏(屋根と天井の間)に溜まった湿気や熱気を、換気棟があることで排出することができます。
家でもっとも高い部分となる屋根の棟に穴を開け、換気棟を取り付けます。
棟に取り付けることによって、室内から立ちのぼってくる熱気・湿気を換気棟の穴から外へ出し、効率よく換気ができるのです。
屋根に穴を開けるとは言っても、雨水は決して家の中に入らず、しかし空気はしっかりと外へ逃げる構造となっています。
(換気棟の穴からいったん入った雨水は跳ね返って、家の中には入らずに設置された排水口へ流れる形になります)
通常の雨だけでなく、強風で吹き上げるような雨の侵入も防ぎ、心配なく高い換気能力を持っています。
屋根裏は住宅全体の湿気が集まる場所であり、湿気がこもったままの状態を放置すると、さまざまな被害をもたらすことになります。
屋根裏に湿気がこもりやすい理由
冬場、暖房で暖められた空気は屋根裏へと上昇していきます。
そこで屋根裏の冷たい空気に触れて、その温度差によって結露が発生します。
冬場になると家のあちこちで結露が発生して、カビができやすくなるのはこの為です。
夏でも屋根裏やロフトなどといった2階以上の部屋は、非常に暑苦しいと感じやすくなります。
家の暖かい空気が上に集まりやすいため、2階や3階、屋根裏やロフトがいつもより暑くムシムシと感じるのです。
さらに日中は、屋根が太陽の熱によって暖められるので、屋根自体が「輻射熱(ふくしゃねつ)」という熱を発するようになります。
屋根が熱をもち、遠赤外線のエネルギーを発するため、屋根の下にある天井裏の空気を暖めます。
屋根の輻射熱は屋根裏の空気を暖めますが、夜になって温度が下がると、空気が冷えて結露ができやすい環境になるでしょう。
冬場はもちろんですが、夏場でも屋根裏には湿気がこもり、結露やカビが生えやすい状況になっていますので、換気の必要性は高いといえるのです。
湿気による屋根裏の被害
発生している湿気によって、屋根裏は次のような被害をもらたします。
◆カビが生える
◆結露が起こり、住宅の木材の腐食が起こる
◆建物の耐久性を低くする
◆天井に水が溜まってシミができる
◆雪が積もっている際、屋根が暖まって雪が溶け、屋根を汚す
◆屋根の雪が溶けて流れ落ち、軒先につららができる
カビが生えるといった症状が一般的なのではないかと思いますが、カビはぜんそくやアトピーの原因になったりするので、住人への健康に影響してきます。
屋根裏は見えない位置ではありますが、しっかりと換気して、家の中に湿気をこもらせないようにしなければなりません。
換気棟のメリット
①換気性能に優れている
屋根の形状や勾配・天井の面積などで、それぞれの住宅に必要な換気量が違ってくるので、換気方法も様々ではありますが、換気棟は屋根の最も高い棟の部分に換気孔を取り付けるため、家の中を昇ってきた湿った空気が効率よく排出することができます。
②結露防止
他の換気方法に比べて空気をスムーズに通すので、湿った空気がさらっと外に排出され、結露を防ぐことができます。
③建物の腐食を防げる
結露の発生を防ぐと建物全体の耐久性低下・老朽化を防ぐことにつながります。
特に、屋根裏部分への断熱材設置が不十分な住宅ですと、結露が発生しやすく木材が腐ったりカビが生えたりします。
換気棟で自然な換気ができれば、家全体の換気が効率良く行われ、建材の老朽化を防止が可能です。
④通気性がよくなる
自然な空気の流れ道を作れるので、家にこもる熱気や空気の淀みを解消できます。
電気を使った24時間換気システムより、効率良く家全体の換気を実現できます。
➄電気代がかからない
上記でも触れましたが、電気を使わなくても効率よく換気ができます。
24時間換気システムの場合、電力会社や料金プランなどによって異なりますが、1か月あたりの電気代は400円程度です。
換気棟の設置により、電気代のかからない自然な換気ができ、節約にもつながります。
◎ まとめ ◎
いかがでしたか?
換気棟には家の中の湿気を排出させてくれるという役割があることがわかりましたね。
「我が家はスレート屋根材だけど複雑な屋根形状をしているから・・・」
「瓦屋根だから換気棟の設置が難しいのではないか?」
換気棟は一般的な屋根にしか設置できないと思われがちですが、様々なバリエーションがあります。
屋根のリフォームをお考えの方は一度業者へ相談してみると良いでしょう。
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