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【外壁塗装】付帯部・軒天塗装について

「外壁塗装って外壁だけでしょ?他は塗らなくていいんだよね?」

 

このように考えている方がいらっしゃるようです。

しかし実際は、外壁塗装を行う際、外壁だけではなく付帯部と呼ばれる部分も塗装を一緒にした方が良いと言われています。

今日は付帯部の中でも「軒天」にスポットを当て、軒天の役割や必要性、軒天の劣化症状について解説します。

 

 

 

◎軒天の役割

軒の下に入って上を見上げたところにある天井のことを「軒天」と言い、軒裏天井と呼ばれることもあります。

 

①外壁を保護する

軒天は屋根の外壁から外側に出ている部分になり、これによって雨風が直接外壁に当たらないようにしています。

下地材がむき出し状態の外壁だと、そこから雨水や風が吹き込み、屋根の劣化速度が速くなってしまいます。

軒天が屋根の裏部分をしっかりとガードし、外壁を保護していることで、湿気や強風といった自然環境から建物を保護するという効果もあります。

 

②目隠しをする

軒天があることによって、屋根裏の野地板や垂木といった下地材を人の目から隠します。

目隠しがあることでスッキリとした外観になります。

 

③延焼防止

住宅火災が発生した場合、軒天がないと室内の火はあっという間に窓から屋根へと燃え移り、短時間で建物全体に火の手が回ってしまいます。

軒天があることで、延焼防止の役割を担っています。

 

 

◎軒天塗装は本当に必要?

軒天を見ようと思うと軒下に入らなくてはなりません。

言い方を替えると、あまり見える部分ではないということになります。

そのため外壁塗装を行う際、軒天塗装はやらなくても良いと考える方もいらっしゃいます。

軒の出は通常45~90cmの建物が多いのですが、軒天全てを外壁塗装の際に塗装しようとすればそれなりの費用がプラスになりますので、この費用的な面も軒天塗装を行わない理由の1つになってしまうのでしょう。

しかし実際のところ外壁塗装を行う際は軒天塗装も一緒に行うことは、非常に重要です。

軒天が劣化していくと美観が低下するだけでなく、雨水や湿気がたまりやすくなってしまいます。

そうすると外壁そのものや破風板、構造材にまで悪影響を与えてしまいます。

外壁塗装を依頼される際は、軒天塗装も含めた見積を提示してもらうようにしましょう。

 

 

 

◎軒天の劣化とその症状

なかなか目が行き届かない軒天も、外壁と同じように劣化します。

実際にどのような劣化症状があるのか、緊急性の低い順にご紹介します。

 

①色褪せ

色褪せは紫外線などによって生じる劣化症状になりますので、日がよく当たる外壁でその劣化は顕著に現れるでしょう。

外壁や屋根とは違い、軒天は紫外線を受けにくい場所になり、色褪せが起こることはあまりありません。

ただ、経年によって部分的な色褪せが発生したり、アスファルトなどの照り返しによって紫外線が当たり徐々に色褪せをしていくということが考えられます。

外壁の面に沿ってある軒天を比較すると、意外と色褪せをしている部分があるということに気付くかもしれません。

劣化が酷いと言うわけではありませんが、外壁塗装を考えるタイミングの1つになるでしょう。

再塗装をすることで、軒天の強度増加や防カビ効果が期待できます。

 

 

②剥がれ

外壁塗装が剥がれてしまう原因はいくつかありますが、その多くが塗装の寿命です。

既存外壁の塗装に使用している塗料がアクリル系なら4~7年、ウレタン系は6~10年、シリコン系は8~15年、フッ素系は15~20年と、それぞれ寿命があります。

建物の立地や周辺の環境によって若干前後がありますが、寿命が来ると塗膜が劣化し剥がれ落ちてしまいます。

軒天の素材には、ケイカル板やエクセルボード、フレキシブルボード、金属板などの不燃系のものと、合板ベニア板の木材系がありますが、剥がれという劣化症状は合板によく見られます。

軒天がところどころ破れていたり、軒天ボードの塗膜が剥がれ落ちていたりするのは、見た目が悪いだけでなく強度も低下しています。

また、塗料の耐用年数よりも早い段階で剥がれ症状が確認できた場合は、外壁塗装を行った業者の施工ミスの可能性もあります。

例えば使用する塗料を規定以上に薄めていたり、3度塗りを行っていなかった場合は、塗料の寿命や機能が十分に発揮されないことがあります。

修理業者に依頼をし、再塗装や交換などのメンテナンスをおすすめします。

 

 

③欠落・穴

ほとんどノーメンテナンス状態の軒天は、外壁劣化や雨漏り、結露のための腐食によって塗装が剥がれ、古くなった部分は抜け落ち、結果、穴が開いてしまいます。

これだけでも十分重篤な劣化症状なのですが、その穴から動物が入り込み巣を作ってしまうことがあります。

動物が巣を作ってしまうと、糞によって悪臭が発生したり、構造材となっている材料を腐食させてしまったりするため、建物全体の耐久性を低下させることになります。

欠落や穴といった劣化症状は大規模リフォームが必要となる可能性が高くなりますので、それ以前の修復が必要となります。

 

 

④シミ

軒天に出来たシミは、雨漏りの証拠かもしれません。

軒天全体ではなく部分的に色が濃くなっている場合は、屋根に溜まった水分が排出されないまま溜まり、シミとなって浮き出てきた可能性があります。

始めは軒天だけの雨漏りであっても、放置し続けることで少しずつ建物内部に浸透し、壁を腐食させることもあります。

こうなってしまうと外壁塗装では解決することが出来ない劣化症状となってしまいますので、軒天にシミを見つけたら早急な修理が必要です。

 

 

⑤カビ・藻・コケ

カビ・藻・コケは雨水の浸入や結露などで湿気が溜まっていると発生する現象です。

軒天は日が当たりにくい場所ですので、湿気が溜まりやすく、これらが生じやすい場所でもあります。

もし雨漏りによってシミが出来ている場合は、カビ・藻・コケはより発生しやすい環境であり、軒天にこれらが発生した場合は深刻な状況にあると言えるでしょう。

この場合、洗浄によってカビ・藻・コケを洗い流し外壁塗装をしたとしても、すぐにまた発生して元の状態に戻ってしまうため、外壁塗装をしただけでは根本的な解決にはなりません。

通気がうまくいかないことで、建物内にまでカビが繁殖することもあります。

そうなれば、健康への悪影響も出てくることになりますので、すぐに対処しましょう。

 

 

 

◎まとめ

普段気にする事があまりない軒天。

そのため、劣化していても気付きにくい場所となりますが、水分が溜まりやすい構造のため、外壁塗装のみだけにした場合は軒天の劣化が進行してしまい、お住まいの躯体に影響を与えてしまうことにもなりかねません。

シミだと思っていたものが、屋根裏内部はカビだらけだった。

雨漏りによって建物全体を傷めていたというケースも、決して珍しいケースではありません。

普段気にならない場所だからこそ、気付いた時に適切なメンテナンスを施したり、外壁塗装の際は軒天塗装も同時に行うようにすることで、建物寿命を延ばすことが可能となるということを意識しておきましょう。

 

 

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