モルタル外壁が剥がれたときはDIYで補修できる?劣化の症状や対処法を解説!
モルタル外壁は、どんな形状の壁にも対応できる柔軟性を持っています。好みの仕上がりにできるので、注文住宅にも対応できるのが魅力です。
ただし、モルタル外壁は、年月が経つと剥がれが目立つ恐れがあります。そんなときにDIYで補修できるのか気になる人も多いでしょう。
今回はモルタル外壁が剥がれたときは、DIYで補修できるのか、劣化の症状や対処法について、詳しく解説します。
モルタル外壁とは?
そもそもモルタル外壁とは、どのような外壁なのでしょうか。簡単に説明すると、耐久性や仕上がりを自由に調整できる素材です。モルタル外壁の特徴としては、下記の通りになります。
セメント・砂・水で構成されている
モルタル外壁は、セメントと砂、水を練り上げて作る外壁を指しています。柔軟性が高い素材となるため、外壁を作り上げる際に便利です。
また、セメントが含まれているため、耐水性が高いと思われていますが、通常のセメントと比べて耐水性はそれほどありません。
そのため、経年劣化が進めば、徐々に水分が吸収されてしまい、剥がれなどのトラブルが生じてきます。
モルタルは水に弱い?
モルタル外壁は、常に雨風にさらされる環境にあるため、徐々に劣化が進みます。特にモルタル外壁は防水性に優れているわけではないので、雨を吸収し、乾燥時には収縮が起きてしまうのです。
収縮が起きた結果、ひび割れが生じて外壁の耐久性が弱くなってしまいます。こまめに定期メンテナンスを行わないと、住宅の寿命が短くなる恐れがあるので、トラブルが生じているときは早めに補修を行うことが大切です。
■モルタル外壁に剥がれが生じる原因■
モルタル外壁に剥がれが生じる原因はいくつかあります。主な原因としては、下記の通りです。
- ドライアウト現象
- 塗装の劣化
- 自然災害
モルタル外壁に剥がれが生じる原因について、詳しく解説します。
ドライアウト現象
施工した直後のモルタル外壁には水分が多く含まれていて、徐々に乾燥していきます。しかし、施行直後に直射日光や強風にさらされると、モルタル外壁に含まれていた水分は一気に蒸発してしまう恐れがあるのです。
この水分が蒸発する現象を「ドライアウト現象」と呼びます。ドライアウト現象が引き起こされると、モルタルは収縮しやすくなり、ひび割れが生じる原因となるのです。
塗装の劣化
モルタル外壁には施工を行うときに、防水性を与えるために塗装が行われています。しかし、塗装は日頃の雨風によって、徐々に劣化が進んでいくため、防水性能は徐々に失われてしまうでしょう。
塗装の劣化は色落ちやひび割れで気付くことができますが、気付いたときにはかなり劣化が進んでいる恐れがあります。そのため、10年周期くらいで、定期メンテナンスを行っておくことが大切です。
自然災害
地震や台風などの自然災害の影響で、外壁の塗装が剥がれてしまうケースがあります。普段の雨風であれば、外壁が剥がれるまで10年程度の時間がかかるでしょう。
しかし、自然災害の影響で外壁に大きな力で負担がかかった場合、外壁の寿命より早く、剥がれがひび割れが生じる可能性があります。
■モルタル外壁が劣化しているか見極める方法■
モルタル外壁が劣化した場合、速やかに補修を行う必要があります。モルタル外壁が劣化したかどうか見極めるためにはどうすれば良いのでしょうか。
モルタル外壁が劣化しているか、見極める方法としては下記の通りです。
- 色褪せ
- 塗膜のチョーキング
- コケやカビ
- クラック
- 剥がれ
具体的に、モルタル外壁が劣化しているか見極める方法について、詳しく解説します。
色褪せ
モルタル外壁の塗膜が劣化すれば、徐々に色褪せが生じてきます。色褪せを放置すれば、塗料の機能性が失われるため、防水性も損なわれる可能性があるでしょう。
また、色褪せは住宅の見た目も悪くするきっかけになります。色褪せが出始めたら、モルタル外壁が劣化している証拠なので、早めに補修をかけましょう。
塗膜のチョーキング
塗膜のチョーキングとは、外壁に触れたときに手に付く白い粉のことです。外壁に触れて粉状になって手に付着したときは、塗装が劣化している証拠になります。
改めて塗装をするなどして、チョーキングが発生しないよう対策を講じることが大切です。塗膜のチョーキングは、定期メンテナンスで発生を防げるので、気になる人は業者にメンテナンスを依頼しておきましょう。
コケやカビ
外壁は常に雨風にさらされているため、経年劣化によってコケやカビが生じる可能性があります。表面に水分が含んでいると、コケやカビの発生が激しくなるので、早めの対策が肝心です。
特にモルタル壁は、水に弱い性質を持っているので、定期的に外壁の状態を確認してコケやカビが生えていないか確認しておきましょう。
クラック
クラックとは「ひび割れ」のことを指しています。幅や深さによって「ヘアクラック」、「構造クラック」と分類されることもあり、それぞれ補修の内容が異なるのが特徴です。
ヘアクラックの場合は、幅0.3mm以下、深さ4mm以下のクラックを指しています。この程度であれば、それほど住宅に対して大きな心配はありません。
構造クラックの場合は、幅0.3mm以上、深さ4mm以上のクラックを指しています。構造クラックの場合は、雨水がひび割れに入ってしまい、住宅の劣化に繋がる恐れがあるでしょう。そのため、速やかな補修が必要になります。
剥がれ
経年劣化によって塗装が剥がれることがあります。塗装の剥がれがひどいと、外壁の耐久性が失われるので、住宅の寿命が短くなる恐れがあるでしょう。
早急に補修する必要があるので、外壁の様子がおかしいときは速やかに業者に相談してください。
■モルタル外壁の剥がれを補修する方法■
モルタル外壁の剥がれを補修する場合、いくつか対処法があります。
主な対処法としては、下記の通りです。
- DIYで補修する
- 業者に依頼して補修する
モルタル外壁の剥がれを補修する方法について、詳しく解説します。
DIYで補修する
モルタル外壁の剥がれは、軽度な状態であればDIYで補修できます。必要な道具と補修材を用意しておけば、自分で補修可能です。
DIYで補修できるケースとしては、ヘアクラックといった浅いひび割れが発生しているときなどでしょう。少し手間はかかりますが、業者に依頼する費用が抑えられます。
業者に依頼して補修する
構造クラックのように、深いひび割れや剥がれが発生している場合は、業者に依頼して補修してもらうのがおすすめです。構造クラックは、個人で補修するのは難しく、失敗すると外壁に負担をかけてしまう恐れがあります。
業者に依頼する場合は費用がかかりますが、安定した品質で補修を行ってもらうことが可能です。
■モルタル外壁の剥がれやひび割れをDIYで補修する方法■
モルタル外壁の剥がれやひび割れは、軽度な状態であればDIYで補修できます。ひび割れをDIYで補修する方法としては、下記の通りです。
- 1mm以下のひび割れの場合
- 1mm以上のひび割れの場合
具体的に、モルタル外壁の剥がれやひび割れをDIYで補修する方法について、詳しく解説します。
1mm以下のひび割れの場合
1mm以下の小さなひび割れであれば、防水材を使用すれば補修できます。補修の流れとしては、下記の通りです。
- 補修したい箇所の汚れや油分を落とす
- 乾燥したらひび割れ箇所に防水材を吹き付ける
- 防水材が乾いた後は塗装を行う
綺麗に乾燥するまで、ひび割れ箇所が塗れたり触ったりしたら、やり直しになる可能性があります。完全に乾くまで、補修箇所はそっとしておきましょう。
1mm以上のひび割れの場合
1mm以上のひび割れの場合は、充填剤を使用すればDIYで補修できます。1mm以上のひび割れを補修する方法としては、下記の通りです。
- 補修部分の汚れや油分を落とす
- 乾燥した後は、ひび割れ箇所を細い物で綺麗にする
- 充填剤をひび割れ箇所に塗りつける
- 完全に乾いた後は塗装を行う
深いひび割れは、充填剤をうまく塗り付ければ綺麗な状態に補修できます。ただし、かなり深いひび割れに関しては、充填剤でも補修できない可能性があるでしょう。
自分で対応できないときは、業者に相談して補修を行ってもらってください。
■モルタル外壁の剥がれの補修を業者に依頼するときの費用相場■
モルタル外壁の剥がれやひび割れが深く、DIYで補修できないときは業者に依頼するのがベストです。しかし、業者に依頼する場合は、費用がかかるため、どれくらいかかるのか事前に確認しておきたい人もいるでしょう。
モルタル外壁の剥がれの補修を業者に依頼するときの費用相場について、詳しく解説していくので参考にしてみてください。
ヘアクラックや構造クラックの費用相場
モルタル外壁にヘアクラックや構造クラックが生じている場合、業者に依頼したほうが手早く済みます。業者に依頼するときの費用相場は、下記の通りです。
外壁の状態 |
単価 |
ヘラクラック |
約1,000~2,500円/m2 |
構造クラック |
約1,200~2,800円/m2 |
業者や状況によって、費用設定は異なります。今回紹介した費用相場はあくまでも参考程度にしておき、細かい金額が知りたい人は業者に依頼して見積もりを取得しましょう。
2階などの高所作業での補修の場合は、足場の設置や撤去費用がかかります。金額が高額になるケースもあるので、事前にいくらかかるのか見積もりを取得してから業者に依頼するか判断しましょう。
DIYでの補修で症状が悪化すれば費用が高額になる
モルタル外壁の補修はDIYで行う場合、適切に処置を施す必要があります。補修の仕方によってはひび割れや剥がれの症状が悪化し、業者に依頼するときの補修費用が高額になる恐れがあるでしょう。
例えば、見た目以上に深いひび割れが生じていても、気付かず表面だけを補修するケースがあります。その場合、外壁の劣化に気付けず、一気に老朽化が進む恐れがあるでしょう。
中途半端にDIYで外壁を補修すると、トラブルの原因になるので注意が必要です。
■モルタル外壁の剥がれをDIYで補修するときは慎重に■
モルタル外壁の剥がれをDIYで補修する場合は、事前に準備や用意を進めてから始めましょう。また、DIYで補修できるのは、小さいひび割れや剥がれのときだけです。
構造クラックなどの深いひび割れや剥がれが生じているときは、業者に依頼しましょう。業者に依頼するときは、事前に費用相場を理解しておき、予算を確保しておくことが大切です。
今回紹介した、モルタル外壁の剥がれをDIYで補修する方法を参考に、実践してみてください。