【外壁汚れに悩むあなた必見!】カビ汚れについて徹底解説
日本は季節の移り変わりがあるため、四季折々の風を感じることが出来、素敵な国ですよね。
ですが、もうすぐやってくる梅雨だけは、あまり嬉しくないと思われている方も多いのではないでしょうか。
ジメジメと湿度が高い日が続くと、洗濯物も外干しは出来ませんし、窓を開けて空気の入れ替えをすることも、風を感じる事も出来ません。
そしてそんなに湿度が高いと、どうしても発生しやすいのがカビです。
カビの発生と言えば食品や建物内での水回りなどが連想しやすいと思いますが、外壁にもカビは発生します。
そこで今回は、外壁に発生するカビについて、詳しくご紹介します。
◎そもそもカビとは?
カビは『真菌』の仲間で、肉眼では確認することの出来ない『微生物』になります。
糸状構造になることから『糸状菌』とも負われています。
発生すると、種類によって異なる色を出すという特徴から、アオカビ(ペニシリウム)、クロカビ(クラドスポリウム)、アカカビ(フザリウム)、ハイイロカビ(ボトリチス)など色で表現されることが一般的です。
カビの胞子は条件が整うと育っていき、私たちが普段目にしているような形に繁殖していきます。
上記でも述べた通りカビが繁殖する条件が整えば、屋内だけではなく外壁にも発生します。
外壁だから大丈夫だろうと放置し続けると、建物の美観が損なわれるだけではなく劣化を早めることになり、そこで暮らす家族の身体に害を及ぼしてしまいます。
◎カビの発生条件
外壁にカビが発生・繁殖してしまう条件として、5つのポイントが挙げられます。
①カビが繁殖しやすい養分がある
外壁は常に外気に触れています。
砂埃、チリなど、どうしても汚れが付着しやすい箇所になりますが、この外壁汚れがカビの栄養となります。
特に有機物と呼ばれる、動植物、その中で作られる脂肪やたんぱく質なども栄養にしてしまいますし、外壁塗装に使用される塗料も、栄養源になってしまいます。
そのため何かしらの対策を講じないと外壁にカビが発生する可能性は十分にあるわけです。
外壁の近くに樹木や花など緑が多い場合も湿度が上がりやすく、湿気を好むカビにとって繁殖しやすい環境になってしまいます。
②酸素がある
私たちは酸素がなければ生きていくことが出来ません。
カビも同じように、酸素がなければ育つことが出来ません。
酸素がないと私たちも生きていくことはできませんので、この条件についてはどうしても防ぐことが出来ません。
③発生・繁殖に適した温度
私たちが暮らしやすいと感じる環境は、実はカビにとって育ちやすい条件と重なります。
一般的にカビが繁殖するための最適な温度は、25℃~30℃と言われています。
私たちと異なるのは、カビは5℃程度の気温でも繁殖することが出来るということです。
真冬を除けば、ほとんどの季節がカビの発生・生育に適しています。
④湿度が高い
屋内では、湿度の高いキッチンや浴室などの水回りでカビが発生しやすいですね。
カビは湿度が高ければ高いほど、繁殖しやすい環境になります。
一般的に湿度60%以上だとカビが繁殖しやすいと言われていますが、80%以上を超えるとその繁殖スピードが加速します。
梅雨や台風のシーズンは湿度が非常に高くなりますので、外壁にカビが発生する条件に合ってしまうのです。
屋内の場合はエアコンや除湿機などである程度の湿度調整は可能ですが、屋外ではそうも行きません。
外壁は天候の影響を大きく受け、屋内に比べると湿度が上がりやすいため、カビにとって過ごしやすい環境となります。
⑤長期間放置されている
北に面した外壁は日光の当たる時間が一番短く、乾燥しにくく、湿度が上がりやすいため、カビが繁殖しやすい面となります。
南面の外壁と比べると、その違いは一目瞭然です。
また外壁表面に凹凸が多いと、隙間にホコリや水分が溜まり易くなります。
このような環境下の中で外壁を長期間放置しておくと、カビが繁殖しやすくなります。
◎カビが建物に与える影響
自宅の外壁にカビを確認したら、それは外壁そのものが劣化しているということになります。
外壁塗装に使用されている塗料には、紫外線や雨水、チリやホコリなどの汚れ、温度や湿度の変化など、様々な劣化の原因から建物を保護する機能が備わっています。
外壁にカビが発生しているということは、その塗料の機能が著しく低下し、外壁そのものに湿気が溜まりやすくなっている状況であると言えます。
例えば防カビ効果のある塗料を使用しているのであれば、その機能が果たされていないということになります。
カビが外壁に長期間付着したまま放置されている状態は、外壁の表面が侵され、表面の水を弾く機能が低下しているということです。
水を弾かなくなった外壁は水分や湿度を吸収しやすくなるため、カビの繁殖速度が加速します。
◎カビが人体に与える影響
カビは見た目にも気持ちの良いものではありませんが、人体に与える影響も多くあります。
特に小さなお子様や高齢の方、身体が弱っていて抵抗力が低下している場合などは注意が必要です。
①アレルギー疾患
自分の身体を守ろうとする自己防衛反応がアレルギーです。
元々人間の身体には、ウィルスや細菌などの異物が入っても、その働きを止める免疫という仕組みが備わっています。
この免疫機能が過剰反応すると、鼻炎や目のかゆみ、皮膚の炎症といった形で現れるのです。
アレルギー疾患の代表的なものとして、『夏型過敏性肺炎』、『気管支喘息』、『アレルギー性鼻炎』、『アトピー性皮膚炎』が挙げられます。
②感染症
ウィルスや細菌に感染することで発症してしまう病気のことを感染症と言います。
ウィルスや細菌などの異物が体内に入ったとしても、病原体に対して抵抗できるだけの免疫力があれば感染症にかかることはありません。
しかし体力低下などの理由から抵抗力が低下している場合は感染を許し、感染症を引き起こしてしまうことがあります。
感染症の代表的なものとして『肺アスペルギルス症』、『クリプトコッカス症』、『水虫、たむし、しらくも』が挙げられます。
③カビ中毒
体内に毒性を持った物質が入り、身体の機能や代謝に障害や影響が生じてしまう状態を中毒と言います。
カビの中には毒素を作り出す種類のものがあり、その毒素によって中毒症状が起きる場合があります。
カビ中毒の代表的なものとして『食中毒』が挙げられます。
◎人体に影響を及ぼす代表的なカビと発生場所
カビが人体にどのような影響を及ぼすのか、上記でお話しました。
ここでは具体的にどのようなカビになるのか、その発生場所はどこなのかをご紹介します。
①アレルギー疾患を引き起こすカビ
★トリコスポロン
カビの胞子が3~10ミクロンと非常に小さいカビです。
このカビを繰り返し吸い込むと発熱や咳、呼吸困難などの症状が表れ、『夏型過敏性肺炎』という病気を引き起こします。
また非常に小さいカビのため肺の中まで入りやすく、肺炎を引き起こすこともあります。
トリコスポロンは日当たりや風通しが悪く、湿気の多い場所に発生します。
キッチン、洗面所などで発生する場合が多いですが、マットや畳、寝具にも注意が必要です。
エアコン内部に発生する事もあります。
★アルテルナリア
このカビは空気中に舞いやすい一方、粒子が他のカビと比較して大きいため、鼻や喉に溜まって炎症を起こしやすく『気管支喘息』や『アレルギー性鼻炎』を引き起こします。
別名ススカビとも言い、浴室やキッチンなどの水回りといった湿気の多い場所や、外壁に多く発生します。
②感染症を引き起こすカビ
★アスペルギルス
このカビには多くの種類があります。
その中の一部種類が原因となり、咳や胸痛、発熱、ひどい場合には呼吸困難などの症状が表れ、『肺アスペルギルス症』という病気を引き起こします。
気管支疾患のある方、他の病気などで免疫力が低下している方、過去に肺結核などを患い病変部分に空洞が出来ている方は注意が必要です。
空中だけではなく土中にも存在しています。
★クリプトコッカス・ネオフォルマンス
このカビによる感染症を発症すると、頭痛や嘔吐、発熱などの『髄膜炎』の炎症や、咳や胸痛といった肺症状を引き起こします。
主に鳥の糞や腐敗した植物に生息しているカビです。
『鳩にエサをあげないでください』という貼り紙や立て看板を見かけることがありますが、それは鳩のフンによる健康被害を引き起こさないようにするためです。
★白癬菌
感染した場所が足であれば水虫、背中であればたむし、頭であればしらくもと呼ばれますが、原因となる菌はすべて同じです。
このカビは全身の至る箇所に生息していますが、健康な状態であれば感染症を発症することはありません。
ただし免疫力が低下している場合は、菌に対する抵抗力も低下するために菌が繁殖し、角質層まで侵入した結果感染症を発症するということになります。
例えば1日中革靴を履いていると水虫になりやすいというのは、カビが繁殖する条件が揃い、カビ菌が繁殖しやすくなるからです。
③毒素
★アフラトキシン
カビ毒に汚染されてしまった食べ物を口にしたことで腹痛や下痢、嘔吐などの症状を引き起こします。
また、アフラトキシンに汚染された餌を乳牛が食べた場合、牛乳やその他加工品も汚染されることになります。
穀類やナッツ類、とうもろこし類などに寄生するカビが作り出す毒素です。
◎カビを掃除する方法
発生してしまったカビは、どのように掃除をすると効果的でしょうか。
掃除をするには大きく分けて、セルフクリーニングと業者に依頼する方法の2つがあります。
それぞれのメリットやデメリットと併せてご紹介します。
①セルフクリーニング
★ブラシを使って洗浄する
外壁洗浄用のブラシやカビ取り専門の洗剤を購入して、カビを落とします。
メリットは『費用が安い』ということです。
デメリットは、外壁に合った洗剤を使用しなければ、外壁が『変色する恐れがある』ということです。
さらに強く擦りすぎると塗膜が剥がれてしまうため、力加減が必要となります。
また場合によってはカビの根が外壁に残り、短期間で再びカビが発生するということも十分考えられます。
高所作業になる場合はハシゴ等を使用することになりますが、ブラシでの洗浄は難しい上に転落の危険性を伴います。
ブラシを使った洗浄は、時間と体力が掛かっても掃除費用を安価で抑えたい人に向いているでしょう。
★高圧洗浄機を使って洗浄する
ホームセンター等で販売されている高圧洗浄機を使って、カビを落とします。
メリットは『ブラシで洗浄するよりも確実にカビを落とすことが出来る』ということです。
デメリットは『圧力を掛けすぎると外壁を傷付けてしまう』ということです。
高圧洗浄機を使用した洗浄は、まるで塗り替えたように汚れが落ち、手間も掛かりません。
しかし誤った圧で洗浄すると外壁が傷付き、その部分の塗装が剥げてしまいます。
塗装が剥げた外壁は水も溜まりやすく、結果として洗浄前よりもカビの繁殖を助長する結果に繋がります。
高圧洗浄機の使用に長けた人に向いているでしょう。
②業者に依頼する
改めて説明するまでもなく、業者に依頼してカビを落とします。
メリットは『カビが根こそぎ綺麗に落ちる』ことと『業者に全部任せるので楽』ということです。
デメリットは『費用が掛かる』ことです。
外壁塗装をする業者は塗装前に必ず高圧洗浄を行うので、高圧洗浄機の扱いに慣れていますし、カビを落とすための知識や経験も豊富にあります。
デメリットとして費用が掛かると挙げていますが、高圧洗浄機を自分で購入した場合と比べてコスト的に大差ありません。
外壁汚れが広範囲で対応しきれない場合や、汚れが酷い場合に向いているでしょう。
◎カビを予防する方法
カビが発生している場合、1ヶ月に1回のペースで掃除するのが好ましいとされています。
しかし現実的に考えると体力的・精神的な負担は相当なものになるでしょう。
そこで、月1回の掃除以外で出来るカビ予防をご紹介します。
①風通しを良くする
もし外壁に沿って何かを積み上げていたり、物置などが隙間なく設置されていたりする場合は風通しが悪くなるため、カビが発生しやすい状況にあります。
処分できる物があれば処分したり、場所を移動したりするなどして、少しでも風通しを良くすることを意識しましょう。
②艶あり塗料で外壁塗装をする
艶のある塗料で外壁塗装を行った場合と、艶なし塗料で外壁塗装を行った場合と比較すると、艶あり塗料の方が外壁表面がつるつるになりますので、水はけが良くなります。
また、カビの栄養となる外壁汚れも付着しにいというメリットがあります。
③防カビ機能のある塗料で塗装する
外壁にカビが発生している場合は塗装の劣化が進み、塗替えをする時期に来ている可能性が高いと考えて良いでしょう。
塗替えの際、カビに強い塗料で外壁塗装をすることで、建物の健康寿命を長くする効果があります。
④業者に防カビ塗装を依頼する
カビの発生度合いがあまりにも酷かったり、築10年以上若しくは前回の塗替えから10年以上経過したりしている場合は、業者に防カビ塗装を依頼しましょう。
近年塗料の開発が進み、防カビ塗装に特化した塗料も販売されています。
ただし注意しなくてはいけないのは、防カビ塗装で使用する塗料は業者によって種類や金額が異なるということです。
依頼を検討する際は、納得が行くまで話を聞く必要があります。
⑤金属製の外壁にする
現在の一般住宅に使用されている外壁材には、サイディングやモルタルなどが多く使用されています。
ガルバリウムという金属製の外壁材は表面がつるつるしていますので、汚れが付きにくくカビの発生も抑制します。
金属製の外壁にしたからと言ってカビを100%防ぐことが出来るわけではありませんが、少しでもカビに強い外壁にしたいと考えている場合は、選択肢の1つに加えても良いでしょう。
⑥定期的なメンテナンスをする
外壁は一般的に、10年ごとに塗装工事をする必要があると言われています。
適正な塗装時期を過ぎてもメンテナンスをせず放置しておくと、カビは増殖するだけでなく、カビの根も広がるため、簡単に落とすことが出来なくなってしまいます。
上記に挙げた5つの方法に加えて日頃からこまめに洗浄をしたり、定期的なメンテナンスを行ったりすることで、建物の健康寿命を長くすることが出来ます。
◎まとめ
今回は外壁カビについて様々な角度から説明しました。
日々暮らしていると、家の中のことは目が行く機会もあるでしょうが、外壁に目が行くことはなかなか無いかもしれません。
そんな時は築年数や前回の塗替えからどれくらいの年数が経過しているかを目安に、メンテナンスを検討してみてください。
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