【屋根外壁塗料】フッ素塗料について
屋根や外壁に使用される塗料は主に「アクリル塗料」、「ウレタン塗料」、「シリコン塗料」、「フッ素塗料」、「無機塗料」の5種類があります。
その中でリフォーム時の屋根塗装や外壁塗装で使用されることが多いものが、シリコン塗料やフッ素塗料です。
今回はフッ素塗料の特長やメリット・デメリットなどについてご紹介します。
◎フッ素塗料の特長
①耐久性と耐候性が高い
しっかりと既存屋根材や外壁材に密着するため、雨風に晒されても影響を受けにくく、建物をガードします。
現在主流のシリコン塗料の耐用年数は10~15年とされていますが、フッ素塗料では屋根で12~15年、外壁で15~20年と言われています。
また建物は常に紫外線を受けていますが、この紫外線のダメージから住まいを守る耐候性が高いという点も魅力のひとつです。
フッ素樹脂はフッ素と炭素の結合が非常に強いため、紫外線によって破壊されにくい特長があります。
そのため紫外線を受け続けていても、色褪せやその他の劣化の進行を抑えることが可能です。
②親水性に優れている
親水性とは、水に濡れにくく密着しやすいということです。
同じ意味合いで「低汚染性」と言われることもあります。
空気中のホコリやチリ、排気ガスなどが塗膜に付着しても、優れた親水性によって汚れが雨などで自然に流れ落ちる効果が期待できます。
雨が少ない時期であれば、ホースで水を掛けることでも同じ効果が期待できます。
③防藻性と防カビ性がある
フッ素塗料は防藻性や防カビ性も持ち合わせています。
そのため太陽の光があまり当たらない建物の北面や、通風が悪くなりやすい壁面において、藻やカビの発生を抑える効果があります。
そのため綺麗な状態を長期間維持することが可能となります。
④耐摩耗性に優れている
フッ素塗料は耐摩耗性に優れていますので、長期間光沢を保つことができます。
その減少率は20年で1割程度と言われていますので、耐摩耗性の高さが分かります。
⑤耐薬品性に優れている
フッ素塗料は薬品に対しても強さを発揮します。
近年問題となっている酸性雨に対して強い効果を発揮しますので、長期間住まいを健康な状態で維持することが可能です。
◎フッ素塗料のメリット
①耐用年数の長さ
特長の部分でも触れていますが、フッ素系塗料は耐用年数の長い塗料になります。
例えばアクリル塗料は5~7年、ウレタン塗料は7~10年、シリコン塗料は10~15年ですが、フッ素塗料は15年以上です。
その分施工時の価格は高くなてしまいますが、長期的に考えた場合は塗り替えの回数が少なくなり、結果トータルのメンテナンスコストが抑えられる場合が殆どです。
②メンテナンスコストの削減
耐用年数が長いということは、長期的に考えた場合は塗り替えの回数を減らすことが出来ますので、結果としてトータルコストを抑えることが出来ます。
例えば同じ建物をフッ素塗料と、1つ下のグレードのシリコン塗料でメンテナンスをした場合は、50~60万程度費用を抑えることが可能です。
③美観が長持ちする
フッ素塗料は親水性を高くするため、艶有塗料になっています。
艶の程度にも種類がありますが、親水性が高いということは汚れが付きにくく落ちやすいということですので、綺麗な状態を長期間維持することが可能です。
◎フッ素塗料のデメリット
①お値段が高い
フッ素塗料は他の塗料と比べて高価な部類になります。
そのため同じ面積を塗装するとしても、ウレタン塗料やシリコン塗料と比べると費用が高額になります。
②艶有しかない
フッ素塗料は親水性の高さによってそのメリットを発揮しますので、これで塗装をするとピカピカと光沢のある仕上がりになります。
マッドな艶消しでの仕上げを希望される方には不向きな塗料となってしまいます。
③追従性に劣る
フッ素塗料は耐久性の高い塗料ですが、その反面他の塗料と比べると塗膜が硬く、例えば外壁にひび割れが発生した場合は塗膜も一緒に割れてしまう場合があります。
既存塗料がモルタルなど動きのある素地へ塗装する場合は、注意が必です。
◎まとめ
いかがでしたか?
塗料を決める際は業者の言いなりになるのではなく、特長やメリット・デメリットも把握しておきましょう。
そうすることで、建物やライフプランにあった塗料が見えてくるでしょうし、納得感や満足度が違ってくるでしょう。
塗装によるメンテナンスをする場合は、塗料の特長やメリット・デメリットをある程度知っていると、業者との打ち合わせもスムーズですね。