【シート防水】シート防水のメリット・デメリットについて解説します!
防水工事にはいくつかの種類があります。
そのうちのひとつがシート防水です。
塩化ビニール系シートなどを貼り付けて施工します。
耐久性が高く、下地の状態にも柔軟に対応でき、マンションやビルの屋上などで広く普及しています。
今回はシート防水のメリット・デメリットについて解説していきます。
シート防水のメリット
①下地を気にせず施工できる
以前に行った防水工事が防水シート以外のものでも、その上からシートを被せて施工ができます。
また、機械固定工法で施工すると、湿気の影響をほとんど無くす事ができて、下地と防水材の相性が原因で起こる不具合を防げます。
②耐久性に優れている
シート防水は、耐久性に優れています。
熱や紫外線に強く防水性のあるシートの為、最大で15年ほど長持ちさせられます。
この特長を活かして、何度も足場を建てるのが難しいビルやマンションの屋上への施工がおすすめです。
参考)
防水工事の種類 |
耐用年数 |
ウレタン防水 |
8~10年 |
FRP防水 |
10~12年 |
シート防水 |
10~15年 |
アスファルト防水 |
15~20年 |
シート防水で使用するシートが、塩ビシートかゴムシートかによって耐用年数が変わってきます。
ゴムシートよりも塩ビシートのほうが丈夫ですので、最近では塩ビシートで施工することが一般的です。
③工期が短い
シート防水ならビルやマンションも短期間での施工が可能です。
防水材となるシートは厚さが一定なので、広い面積も一気にむらなく施工ができるからです。
ウレタン防水のように、液体の防水材を塗装する場合は、乾燥する時間が必要な上、職人の腕次第でムラが出てしまう恐れがあります。
効率よく、綺麗に仕上げるならシート防水がおすすめです。
参考)
防水工事の種類 |
工期 |
ウレタン防水 |
3~10日 |
FRP防水 |
1~2日 |
シート防水 |
2~4日 |
アスファルト防水 |
5~7日 |
※一般的な工期です。下地処理や面積などにより若干変動します。
シート防水のデメリット
①凹凸のある場所の施工には不向き
シート防水は、凹凸があるといった複雑な面や固定されている物が多い箇所には不向きです。
それは、防水材がシート状ですので、複雑な形状の箇所を覆うのが難しいためです。
シートの隙間から水が入り、施工後に漏水するおそれがあります。
複雑な形状箇所への防水を検討されているなら、ウレタン防水も候補に入れて専門業者に相談するとよいでしょう。
②工事中に振動音が発生する
シート防水で機械固定工法を行う場合は、結構な振動音が発生してしまいます。
シートを接着するための金具を固定するのに、ドリルを使う必要があるからです。
なにも説明をせず工事にはいってしまうと、トラブルの原因となりますので、工事前には必ず入居者の方へのあいさつ・作業時間帯の案内を行います。
スムーズに工事をするためにも、入居者の方への説明も丁寧にしてくれる業者に依頼すると安心です。
シートの種類とその特徴
シート防水に使われるシートの種類は主に「合成ゴム系シート」と「塩化ビニール系シート」の2種類があります。
それぞれのシートの特徴について解説していきます。
(1)合成ゴム系シート
メリット
①軽度のひび割れにも対応
②耐候性と伸縮性に優れている
③工期が短い
④比較的安価
デメリット
①塩化ビニール系シートと比べると耐候性が劣る
②複雑な形状には不向き
③施工者によって完成度に差が出る
④防水層が薄いため表面に損傷を受けやすい
■耐久年数
約10~13年
(2)塩化ビニール系シート
メリット
①合成ゴム系シートと比べると耐久性が優れている
②下地に施された既設の防水層に左右されず、上から被せることができる
③燃えにくい
④雨天の場合でも施工できるため工期短縮が可能
⑤施工しやすく軽量
デメリット
①合成ゴム系シートと比べると高価
②施工時に振動と騒音が発生する
③複雑な形状には不向き
■ 耐久年数
約13~15年
◎ まとめ ◎
シート防水工事には主に塩ビシートやゴムシートが用いられますが、現在は塩ビシートが主流です。
塩ビシートは耐久性や長期的なコストパフォーマンスの高い工法です。
ただし、施工方法(機械固定工法)は難易度の高い工法となるため、業者を選ぶ際には注意が必要です。
防水工事にも種類がありますが、それぞれの工事の特徴を理解することで、建物に最適な工法を選択でき、悪徳業者からの被害予防に繋がります。