【サッシ】樹脂サッシとアルミサッシの違いについて分かりやすく解説します
現在お住まいのお家。
「外壁や屋根のメンテナンスも終わったし、次はサッシを考えようかな」
そうお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし「サッシを考える」と簡単に言っても、サッシには様々な種類があり、その材質によってメリットやデメリットもありますので、やみくもに調べれば調べるほど迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は、「樹脂サッシ」について、また樹脂サッシに次いで多く採用されているアルミサッシとの違いについて、分かりやすく解説します。
◎樹脂サッシとは
まず樹脂サッシの「樹脂」とは何でしょうか。
「樹脂」とはプラスチックの1つで、塩化ビニールと呼ばれることもあります。
加工がしやすく、腐食を起こしにくい。
さらに、メンテナンスが簡単で手間が掛からないというのが特長です。
樹脂サッシは寒さの厳しいドイツで、いかに室内を暖かく保つかという発想から開発されたと言われています。
断熱性に優れているため、日本では北海道や東北地方といった寒冷地でよく使用されています。
◎樹脂サッシのメリット
①優れた断熱性
樹脂サッシは熱伝導が低いため、室内の空気を屋外へ逃がしにくくします。
そのため戸建て住宅や集合住宅に関係なく、多くの人が頭を悩ませる結露が出来にくく、それによってカビやダニの発生を抑制できます。
樹脂サッシは溶接加工によってつくられているため、気密性が高く、隙間風の防止にも期待できるでしょう。
②高い防音性
気密性が高いために隙間風の防止に期待できる樹脂サッシですが、それは「音」に対しても同じことが言えます。
室内の音は屋外に漏れにくく、反対に屋外の音は室内に入りにくいという防音性の高さが特長です。
自宅で楽器を演奏する人や、とにかく家の中が賑やかだという方、幹線道路に面しているため外からの騒音に困っているという方にオススメです。
③豊富なデザイン
樹脂サッシは着色しやすいため、和風・洋風を問わず多くのデザインがあります。
純和風住宅であっても、洋風住宅であっても、窓がもたらす影響は大きなものがあります。
建物全体の雰囲気や屋根・外壁の色、それぞれの部屋のテイストに応じて模様替えをするのも良いかもしれません。
◎樹脂サッシとアルミサッシの違い
樹脂サッシに次いで多く使用されているのが、アルミサッシになります。
アルミサッシとは、文字通りアルミニウムで作られているサッシになります。
樹脂サッシとアルミサッシでは、どのような違いがあるのでしょうか。
①断熱性
断熱性の高さでは、樹脂サッシの方が高くなります。
アルミサッシは熱を通しやすく、そこが熱橋となって結露が発生します。
②強度
同じ厚さで比較した場合、強度が高いのはアルミサッシになります。
樹脂サッシの場合は、強度を補うために厚みを持たせて作られていますので、その分窓の重さが出てしまいます。
強度を重視すると、樹脂サッシ窓の開閉では窓が重く感じてしまうでしょう。
③劣化速度
劣化速度がゆっくりなのはアルミサッシです。
しかし現在は樹脂の改良も進んでいますので、劣化しにくい樹脂サッシができると期待されています。
④価格
アルミサッシと比べると、樹脂サッシは1.5~2倍の価格帯になります。
◎樹脂サッシの効果を上げる方法
樹脂サッシとアルミサッシを比較すると、どちらも一長一短のような印象を受ける方も多いのではないでしょうか。
では、樹脂サッシのデメリットとも言える劣化速度をゆっくりにし、メリットを引き出すにはどうすれば良いのでしょうか。
それは、「二重窓」の内窓として樹脂サッシを設置することです。
各メーカーやリフォーム業者もPRをしていますが、二重窓とは窓を2枚取り付けることです。
窓を2枚にすることで、窓と窓の間に空気層ができ、断熱性を高めつつ結露の発生を抑え、防音効果も高まります。
さらに内窓であれば外気に直接触れる機会も少なくなりますので、劣化速度をゆっくりにすることが可能となるのです。
また二重窓になっていることで、外から見てセキュリティ意識の高い家という印象も与えますので、防犯効果という面でも期待できます。
◎まとめ
樹脂サッシは腐食が起きにくくメンテナンスの手間が掛からない材質ではありますが、長らく使用していればどうしても劣化は起きてしまいます。
その劣化症状として代表的なものは、割れや色あせになります。
他にも強度や価格帯など、アルミサッシと比べると劣ってしまう点もありますが、劣化を防ぐための定期的なメンテナンスを欠かさず、使用場所や使用方法を考えることで、そのデメリットはむしろメリットに変化するのではないでしょうか。
二重窓の内窓として追加する場合、窓全体を樹脂サッシに交換する場合、また窓の大きさやサッシの種類などによっても値段は変わってきます。
家中の全ての窓を樹脂サッシに交換すると、かなりの高額になってしまうことが予想されますので、リビングや寝室のみ樹脂サッシを採用するという案もあるでしょう。
窓からの空気の出入りは相当なものになります。
お気に入りの暮らしを手に入れるため、サッシの見直しをされてみてはいかがでしょうか。