【サンルーム①】サンルーム・3つのタイプを詳しく解説!~日差しが溢れる暮らし~
サンルームのあるお家での生活に、憧れたことはありませんか?
存在しているだけでお洒落な雰囲気が溢れています。
自然光の溢れるサンルームで、休日はソファに座ってゆったりとコーヒーを飲んだり、夜は寝そべって星空を眺めたり、子供達と遊んだり・・・想像しただけでワクワクします。
今回から何回かのシリーズに分けて、サンルームについて様々な視点から解説します。
まず初回は、サンルームの概要とタイプについてです。
◎サンルームとは
聞いたことはあるけれど、頭にパッと思い浮かばない方が多いのがサンルームでしょう。
ですが、写真を見れば『あぁ、これか!』とお分かりになられるはずです。
サンルームとは、日光をふんだんに取り入れるために工夫された、居住空間からせり出した部屋のことを言います。
部屋の開口部を広く取ったり、壁をガラス張りにしたりすることで、明るくあたたかい空間となるのです。
リビングなどの居室と同じようなリラックススペースにしたり、洗濯物を干すスペースにしたりと、その活用法は無限に広がります。
サンルームをうまく取り入れているお住まいは、非常にクールでおしゃれな家に変身する『魔法の場所』と言っても良いかもしれません。
◎サンルームのタイプは3つあります
サンルームは、大きく3つのタイプに分けられています。
設置してからの使い方や、設置場所、気候も含めてお住まいの住環境などを考慮した上で選んで行きましょう。
①テラス囲いタイプ
a)特長
テラス囲いタイプは、コストパフォーマンスに優れているため、一般的に選ばれているタイプです。
テラス屋根の商品に、前面ユニットと側面ユニットを装備してあり、ガラス窓やドアを取り付けられるようにした、簡易的な雨よけ・風よけになります。
一見するとサンルームタイプと大きな違いはありませんが、細かい部分でいくつか違いがあります。
それは『基礎』と『屋根』です。
テラス囲いは『テラス屋根にサッシなどで囲いをつけたもの』になりますので、基礎は柱と補助柱のみになります。
屋根はポリカーボネート製で、ガラスではありません。
b)テラス囲いタイプのメリット
なんと言っても、価格が安いということです。
また、大掛かりな基礎工事が不要なため、施工期間が短く、設置条件が整っていれば最短1日で完了する場合もあります。
また、オプションが多いため、思うがままにカスタマイズ出来るというのも魅力です。
ポリカーボネートの屋根を使用しているため、材料費も安く、価格はサンルームタイプの3分の1から2分の1程度に抑えることができます。
また、テラス屋根と同じように柱の周りを固めれば良いので、大掛かりな基礎工事が不要となるのです。
c)テラス囲いのデメリット
ポリカーボネートの屋根を使用しているため、工事費用が抑えられるテラス囲いタイプですが、サンルームタイプと比べると気密性と水密性は低くなります。
大型台風や、雨や風が非常に強い場合には、多少の雨漏りが発生するかもしれません。
とは言っても、通常クラスの雨や風では、雨漏りが発生したり、侵入することはありませんので、そこまで神経質に考えなくても良いでしょう。
②サンルームタイプ
a)特長
サンルームタイプは、太陽の光を多く取り込むため、屋根や壁をガラス張りにしたタイプになります。
『ルーム』と名のつく程ですので、気密性や水密性も高く、もともとあった居住スペースのサッシと同じくらいの機能を持ったサッシが使用される事もあります。
建築基準に合うよう、コンクリートで基礎を作り設置しますので、取り付けるというよりは『増築』と考えた方が良いかもしれません。
b)サンルームタイプのメリット
サンルームタイプは建築物という扱いになりますので、不燃物で構成されています。
屋根部分にポリカーボネートではなく、ガラスを使用しているのはそのためです。
基礎工事も、建築基準法に適したものでなければいけませんので、型枠にコンクリートを流し込んで作る布基礎となります。
非常に頑丈、そして気密性と水密性に優れています。
末永く快適に使用することが可能です。
c)サンルームタイプのデメリット
どうしても、商品価格と工事費用が高くなってしまいます。
一定の強度を確保するため、資材も多く必要です。
屋根に使用するガラスも、ポリカーボネートと比べると高価になります。
また、基礎工事だけでも数日掛かりますので、工事期間も比較的長めになってしまいます。
③ガーデンルームタイプ
a)特長
ガーデンルームタイプは、季節や天候、気温に応じて折戸パネルを開閉することができます。
外の開放感も感じつつ、家の中で過ごしているときと同じような安心感も得られる、室内により近い構造が特長です。
天候や季節などの影響を受けにくく、1年を通して暮らしやすい寛ぎスペースを作ることができるでしょう。
b)ガーデンルームタイプのメリット
外壁に当たる部分を折戸パネルにすることで、天気が良い日は庭と一体化した開放的なテラスに。
寒い時期や天候不順の際は、折戸パネルを閉めきって、リビングの延長として使用するなとの使用方法の幅が広がります。
c)ガーデンルームタイプのデメリット
折戸パネルの外壁は、どうしても断熱性や気密性が劣ってしまうため、室内環境をより快適にとお望みの場合は、固定式の外壁を選択された方が良いでしょう。
固定式の外壁にすると、扉の開閉によるテラス利用は出来なくなってしまいますが、窓の大きさや天井の材質を工夫することで、テラスに近い使用感を確保することができます。
また、ガーデンルームタイプの場合、基礎工事だけでなく、壁などの大掛かりな工事が必要となりますので、どうしても工事費用が高くなってしまいます。
施工箇所や既存住宅の構造、形状によって、費用が変動することは頭に入れておきましょう。
さらにデメリットとして挙げられるのは、雨漏りの危険性があるということ。
ガーデンルームタイプの増築は、リビング等設置箇所の屋外側に取り付ける形となりますので、設置方法によって、既存の建物外壁とガーデンルームの接続部分から雨漏りが発生する可能性があるのです。
工事の際は、この接続部分にシーリング剤を充填することで雨漏りを防止していますが、外壁に張りつけるような設置方法ですと、地震や台風などで建物が動いた場合、シーリングが破損し、十分な耐水性を維持することができません。
日当たりについても注意が必要です。
元々日当たりが悪い箇所にガーデンルームを設置する場合、これまで以上に太陽の光が内部に入らなくなり、ガーデンルームの良さを発揮することができません。
日当たりが良すぎる場合も、夏の強い日差しによって温度が上昇し、快適に過ごすことが難しくなってしまうという可能性もあります。
リフォーム会社に日当たりをシミュレーションしてもらい、設置箇所を一緒に検討してもらったり、日差し対策ができる製品を提案してもらうと良いでしょう。
◎まとめ
今回は、サンルームの概要とタイプについて解説しました。
3つのタイプのメリットとデメリットを知ると、サンルームに対する夢が崩れかけてしまう方もいるかもしれません。
ですが、それぞれのデメリットに対する対処法もありますので、そこは安心してください。
次回は、サンルームを取り付けるメリットについて解説します。