カーポートは結露防止シートが必要?自分でできる結露対策も紹介
雨風や日光などから車を守るカーポートですが、結露が起こって気になるケースもあります。カーポートに結露が起こらないためには、どのような対策をするとよいのでしょうか。
今回は、カーポートで結露が起こる原因や対策を解説します。
結露防止シートを使用するメリット・デメリットも知り、最適な方法を検討してください。
カーポートで結露が起こる原因
カーポートで結露が起こってしまう原因は、主に2つです。
■放射冷却
放射冷却とは、大気に物体の熱を奪われる現象のことです。熱いものが冷たいものに変わっていく現象によって、日光などで熱を帯びたカーポートの屋根も周囲の空気よりも冷たくなってしまい、温度差により結露が発生します。
特に、金属を使用しているカーポートは、プラスチックよりも熱伝導率が高く、熱を奪われやすいです。そのため、放射冷却が起こりやすく、結露の原因となります。
■メンテナンス不足
カーポートの表面には結露防止剤が塗布されており、新しいカーポートは結露防止剤によって結露が発生しにくくなっています。しかし、メンテナンスを行わずに使い続けると、経年劣化によって結露防止剤が剥がれてしまい、結露が起こりやすくなります。
また、カーポートが破損していると雨漏りによって全体に結露を起こすこともあるので、メンテナンスは非常に重要です。
カーポートの結露がもたらす影響
カーポートに結露が起こると、車やカーポート全体にどのような影響が起こるのでしょうか。
■車に水滴が垂れる
カーポートが結露すると、屋根部分に溜まった水滴が垂れてきます。車に水滴が垂れると跡になって、見映えが悪くなることもあります。
金属製のカーポートの場合、金属が溶け出して水滴が白っぽく濁っていることもあり、それが車に垂れれば車にも白い跡がつきます。透明でも白色でも、水滴は布などで拭き取れば簡単に落ち、ボディに大きな影響を与えることはありませんが、こまめに拭かないと車が汚く見えてしまうのは、デメリットでしょう。
■カーポートが腐敗する
カーポートの素材はさまざまですが、骨組み部分を構成するパーツの多くは金属製です。結露が骨組みにまで影響するとサビが発生し、さらに放置すると徐々に腐敗していきます。
金属が溶け出した水滴は車に影響しませんが、サビが溶け出した水滴は、ボディの劣化を引き起こすこともあるため注意が必要です。
カーポートの結露防止シート「ペフ」とは?
カーポートの結露防止には、「ペフ」と呼ばれるシートが使用されるのが一般的です。ペフはカーポートの屋根の裏に貼り付ける、スポンジのような断熱材です。ここからは、結露防止シート「ペフ」を使うメリット・デメリットを解説します。
■ペフのメリット
ペフはシート状の結露防止剤なので、カーポートの屋根の裏側に簡単に貼り付けられるのがメリットです。断熱性に優れているだけでなく、軽量で簡単に成形できるので、屋根の形に合わせやすいのも特徴だといえます。
車2台分のカーポートの屋根にペフを装着する場合の費用相場は6万円程度で、非常にコストがかかるわけではないのもメリットでしょう。
■ペフのデメリット
カーポートの結露対策に有効なペフですが、経年劣化によって大きく損傷してしまいます。ペフの寿命は5~10年程度といわれており、費用対効果が薄すぎるわけではありませんが、経年劣化によってボロボロになってしまうケースが多いです。
メンテナンスによって寿命を延ばしたり、よい状態を取り戻して継続して使えたりするわけではないのは、デメリットではないでしょうか。
■ペフが劣化したらどうする?
ペフが劣化した場合、剥がすことはできますが、その上から新しいペフを貼ることはできません。新しいペフを使いたいと思ったら、屋根ごと交換する必要があります。
ペフを剥がした屋根をそのまま使うこともできますが、結露防止の効果はなくなります。カーポートの屋根そのものも古くなっている場合は、屋根もペフも一新するのも1つの方法ですが、「屋根はまだ使える」というときには、ペフを剥がしたうえから結露防止剤を吹き付けるのが一般的です。
カーポートの結露対策は自分でできる?
カーポートの結露対策に有効な結露防止シート(ペフ)には、メリットもありますが大きなデメリットも存在します。できるだけ費用を抑えて結露対策をしたいと思った場合、どのような方法があるのでしょうか。
■ブルーシート・ビニールシートを貼る
カーポートの屋根の裏側に、ブルーシートやビニールシートを貼ると、結露を防止できます。屋根にできた水滴がブルーシートやビニールシートを伝って、車を避けて外に流れていきます。
しかし、時間が経てばブルーシートやビニールシートも紫外線などの影響で劣化してボロボロになってしまいます。カーポート内の見た目もあまりよくないので、長期的な対策には向かないでしょう。
■ボディカバーで車を覆う
車に直接被せるボディカバーを使うのも、1つの方法です。ボディカバーは雨や花粉、黄砂などから車を守ってくれるもので、カーポートがない住宅や駐車場でも重宝します。結露によって落ちてきた水滴が車につくのも、しっかり防げるでしょう。
しかし、車を保護できても、カーポートの劣化に対しての根本的な解決にはなりません。また、頻繁に車を使う場合は都度ボディカバーをかける手間がかかるので、こちらも一時的な対処法にしかならないといえます。
■結露防止シートを自分で貼るのはNG!
DIYが得意な人は、「自分で結露防止シートを貼ってみてもいいのでは」と考えるかもしれません。結露防止シートはホームセンターやネットショップで購入可能ですが、カーポートの屋根にシートを貼るのは、高所での作業になるため危険です。
もし失敗すれば、結局業者に依頼しなければならず、ペフの購入費用に加えてペフを剥がす、新たな結露防止対策をするといった費用も加わります。
カーポートの結露対策は専門業者に依頼しよう
自分でできるカーポートの結露対策もありますが、長期的なもの、カーポートの不具合を解決するものとはいえません。カーポートの結露が気になるときには、専門業者に相談するのがおすすめです。
専門業者は結露による車への影響や、カーポートの骨組みのサビなどが起こらないよう、最適な対策を提案してくれます。また、全体を点検してカーポートが抱える不具合を見つけることもできます。
結露防止シートを本当につけるべきか、結露防止剤で済ませてよいのかなど、依頼主の疑問や悩みをしっかりヒアリングし、よりよい施工を提案してくれる業者を見つけて、相談してみてください。
カーポートの結露防止シートはメリットだけでなくデメリットも知り慎重に検討を
カーポートの結露を放置すると、車に水滴がついたり、カーポートの劣化を引き起こしたりするため注意が必要です。車もカーポートもきれいに保つには、結露対策が欠かせません。
結露防止シートにはさまざまなメリットがありますが、デメリットがやや大きいため、貼る前にはよく検討してください。最適な結露対策を提案してくれる業者を見つけ、大切なカーポートや車を守りましょう。
弊社でも、カーポートの結露防止シートの疑問やご相談を承っております。点検や新設など、カーポートに関する幅広いお悩みを抱えている場合はマルセイテックへお気軽にお問い合わせください。
前の記事へ
« 遮熱塗料は効果なし?効果を高めるポイントとともに解説!