鉄骨柱が腐食した!補修費用はいくらくらい?
鉄骨柱が腐食した!補修費用はいくらくらい?
鉄骨柱は高い強度をはじめとしたメリットがありますが、腐食のトラブルが発生するケースも少なくありません。
鉄骨柱が腐食した場合、補修費用はどれくらいになるのでしょうか。
今回は、腐食した鉄骨柱の補修費用相場を解説します。また、鉄骨柱を採用するメリットやデメリット、腐食を防ぐための対策も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
住宅に鉄骨柱を採用するメリット・デメリット
住宅の柱には木を採用することが多いですが、鉄骨柱にすると以下のようなメリット・デメリットがあります。
【メリット】
- 柱や壁を減らせる
- 火災保険料が安くなる
- 品質がよい
【デメリット】
- コストがかかる
- 気密性・断熱性が低い
木造にはないメリットもありますが、一方でコスト面などのデメリットも生じます。
【メリット】柱や壁を減らせる
住宅建築に欠かせない柱は、家を支える重要なものです。強度の高い鉄骨は、木造よりも少ない数の柱で建物を支えられます。
壁も少なくできるので、広々としたリビング、大きな窓などを実現しやすく、開放感のある家づくりを実現できます。
【メリット】火災保険料が安くなる
木は燃えやすいですが、鉄骨は燃えにくいという構造の材質が保険料の算定に影響するので、木造住宅と比べて火災保険料が安いのも、鉄骨柱のメリットです。火災保険は万一のときのお守りとして継続的に加入するもので、費用も安くありません。長い目で見て出費を抑えられ、家計にもよい影響を及ぼします。
【メリット】品質がよい
鉄骨柱の材料や部品は、工場での一律生産です。また、一定の部分まで工場で組立を行ってから現場に運び、組み合わせていく工法が一般的なので、品質のよさが保たれています。木造住宅の場合は、ハウスメーカーや職人によって品質に差がでることがありますが、こうした差が出にくいので安心です。
【デメリット】コストがかかる
住宅に鉄骨柱を採用すると、木造よりも建築コストがかかります。材料費が高いことはもちろん、工期も長くなるため、費用がかさんでしまいます。火災保険料は安くなりますが、リフォームや増改築の際も木造住宅より高くなるのは、デメリットだといえるでしょう。
【デメリット】気密性・断熱性が低い
鉄骨柱は壁を減らせるのがメリットですが、その分1つひとつの空間が広くなり、気密性や断熱性が下がってしまいます。寒い時期を想定して断熱材を高性能なものにしたり、熱を逃さないための対策を取る必要があり、ここでも木造住宅よりコストがかかってしまうので、注意が必要です。
鉄骨柱が腐食すると困ること
住宅を支える鉄骨柱も経年劣化しますが、腐食するケースは非常に多いわけではありません。腐食が起こりやすいのは、ベランダやカーポート、鉄製の屋外階段など、外に設置されているものを支える鉄骨柱です。腐食すると起こる可能性のある問題は、3つ考えられます。
- 強度が落ちて危険
- 見た目がよくない
- 触ると汚れる
建物を支える柱の強度が落ちるのは非常に危険ですし、見た目などに影響するのも腐食によるトラブルだといえます。
強度が落ちて危険
強度が高い鉄骨は、「頑丈だから大丈夫」だという安心感がありますが、腐食すれば当然強度は落ちてしまいます。たとえば鉄骨の階段が錆びて腐食がどんどん進むと、それまで問題なく使用できていたのに、少しの衝撃で崩壊することもあります。
鉄骨柱も、強度が落ちれば建物全体の安全性に影響するため、放っておくのは危険です。
見た目がよくない
鉄骨が腐食すると、見た目も悪くなります。柱の表面がボロボロだったり、茶褐色の錆びが生じていたり、穴が空いていたりすると、建物全体の印象にも影響します。鉄骨柱の腐食をそのままにすると、「メンテナンスが行き届いていない」「古い」「汚い」というイメージを持たせることもあるため注意が必要です。
触ると汚れる
腐食や錆びが見られる部分は、触ると鉄粉などがつきます。ベランダの鉄柱が腐食すれば、洗濯物が当たってせっかく洗った衣類が汚れてしまうこともあります。布についた汚れは落ちにくいですし、手などについてもあまりよい気分はしないので、不要な汚れで悩まないためにも、腐食した鉄骨柱の放置は厳禁です。
鉄骨柱の補修費用はどれくらい?
鉄骨柱の腐食は、放置すると危険なだけでなく、見た目や汚れなどの不快感につながることもわかりました。
では、鉄骨中を補修する場合の費用はどれくらいなのでしょうか。
補修費用は状態によって異なる
腐食した鉄骨柱の補修費用は、材料費と施工にかかる工賃です。腐食の進行度合によって補修費用は変わってきますし、鉄骨柱が立っている場所でも、補修費用に差が出る場合もあります。
補修費用の目安
鉄骨柱の補修費用の目安は、1本あたり数万円から15万円程度です。腐食部分が小さい場合は、補修費用も安く済みます。しかし、腐食状態によって柱そのものを取り替えなければならない場合は、費用は高くなります。
腐食した鉄骨柱は自分で補修できる?
「ベランダの鉄骨柱が腐食して小さな穴ができた」といった程度であれば、自分で補修できる場合もあります。費用も業者に依頼するより安く済みますが、手間がかかりますし、DIYに慣れていないとうまくいかないかもしれません。
腐食が進んでいる柱は、自分で補修するより専門業者に任せたほうが安心です。柱は要となる部分で、腐食によって折れたりすると危険なので、迷ったら業者に相談することをおすすめします。
鉄骨柱の腐食対策で補修費用を節約!
ベランダやカーポート、外階段などに使われる鉄骨柱は、雨風にさらされ腐食する可能性が高いです。腐食すれば補修をしなければなりませんが、事前の対策でできるだけ腐食しないようにすることもできます。
最後に、4つの鉄骨柱の腐食対策方法を紹介します。
リン酸で洗う
リン酸は鉄と反応しやすく、鉄骨柱をリン酸で洗うとリン酸塩が被膜となって、赤サビや腐食を起こしにくくなります。すでに赤サビがある場合にも効果が期待できるので、リン酸を主成分とした製品を使って対策をするとよいでしょう。
サビの発生を防ぐ塗料を塗る
鉄骨柱にサビが発生していない場合は、サビの発生を防ぐ塗料を塗るのもおすすめです。サビから腐食へと進行するリスクを軽減できます。しかし、サビ止め塗料は、サビが発生しないようにするためのもので、すでにあるサビへの効果はありません。
サビを閉じ込める塗料を塗る
鉄骨柱のサビや腐食は、酸素や水に触れることで進行します。すでにサビが発生している場合は、サビを閉じ込める塗料を使って酸素や水を遮断しましょう。サビの進行を食い止めれば、腐食も起こりにくくなります。
サビを見つけたら放置しない
鉄骨柱にサビを見つけたら、「これくらいなら大丈夫だろう」と放置してはいけません。少しのサビもそのままにしておくと周囲を侵食し、腐食につながる可能性があります。腐食してから対処しようと思うと、補修費用もかさみます。早めに対処すれば危険や見た目の悪さなども起こりにくく、補修費用も安く済みます。
鉄骨柱の腐食補修費用は安くない!サビを見つけたら早めの対処を
鉄骨柱が腐食すると、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。また、補修費用は腐食の度合いなどにもよりますが、決して安くはないため、早めの対処が必要です。
サビを起こさない、サビの進行を食い止めるための対策をすれば、腐食によって悩むことも少ないでしょう。自宅に鉄骨柱を採用している場合は、状態を確認し、すぐにできる対処法を実践してみてください。