【コンクリート造】コンクリート住宅のメリット・デメリット
「コンクリート打ちっぱなしのお家ってオシャレ!」
コンクリート打ちっぱなしの住宅に対して、一番最初にこのような印象を持たれる方は多いようです。
確かにコンクリート打ちっぱなしの住宅は、とってもシンプルでスタイリッシュな印象を与えますね。
実際木造住宅と比べると開放的な空間ができますし、デザイン性も幅広く、お洒落なものが多いため人気を集めています。
しかし、人はどうしても良いところばかりに意識が行ってしまうものです。
そこで今回は、コンクリート打ちっぱなし住宅のメリット・デメリットについて解説します。
◎コンクリート打ちっぱなし住宅の特長
コンクリート造の建物は、木枠の中に生コンクリートを流し込んで固めることで作られています。
本来であれば仕上げとして塗装をしたり、外壁表面部(一番外側の部分)にタイルや石などを張ったりするものですが、この仕上工程を行わない状態をコンクリート打ちっぱなしと呼びます。
そして、この状態がデザインとして活用されている住宅を「コンクリート打ちっぱなし住宅」と言います。
主にデザイン性を重視する方に好まれる工法です。
◎コンクリート打ちっぱなし住宅のメリット
①とにかくクールでオシャレ
デザイン性の高さは誰もが知るところでしょう。
コンクリートが持つ独特の無機質さやシンプルさは、クールでオシャレ、都会的なデザインに仕上げたい場合にぴったりです。
②思った通りの形状にしやすい
コンクリート造の建物は木枠の中に生コンクリートを流し込んで、その形を作ります。
そのため柱の位置や間取りに縛られる必要がなく、個性的な形状にも柔軟に対応することが出来ます。
③室内空間が広くなる
柱で建物を支える木造住宅とは違い、コンクリート打ちっぱなし住宅はコンクリートの壁面で建物を支えます。
そのため木造住宅のように、一定の間隔で柱を立てる必要がありません。
室内空間をできるだけ広くしたいという場合や、間仕切りの少ない家にしたいという場合に有効です。
④防音性に優れている
コンクリートは比重が高く、音を通しにくいという特長があります。
そのためシアタールームや音楽レッスン室など、高い防音性が望まれる場所に最適です。
⑤耐火性に優れている
コンクリートは1,000℃近い高温の炎が1~2時間当たり続けても燃えないほど強度を持っています。
住宅密集地でも防災面が安心ですし、その優れた耐火性から万が一火災が発生しても近隣への飛び火という危険性が低いということから、敷地面積ギリギリまで家を建てることが可能です。
またその耐火性の高さから、木造住宅と比べ、火災保険料が約1/3で済むというメリットもあります。
◎コンクリート打ちっぱなしのデメリット
①汚れが目立ってしまう
塗装など、外壁表面に仕上げ加工を行わないことがコンクリート打ちっぱなし住宅の特長と魅力でもありますが、その分汚れが付きやすく見た目も目立ってしまいます。
②結露やカビ対策が必要
生コンクリートに含まれている水分はすぐに乾燥するわけではなく、3~5年という長い時間を掛けて少しずつ蒸発していきます。
この水分こそが、結露やカビの原因となります。
そのため、除湿器を稼働させたり、寒い時期の暖房には水分を発生させる石油ストーブではなくエアコンを使用したりといった対策が必要です。
③軟弱地盤には向かない
コンクリート造にすると、建物自体の重さは相当のものになります。
そのため軟弱地盤に家を建てようと思えば、地盤改良の必要があります。
地盤の状態によって地盤改良の工法も違いますので、専門家への地盤調査を依頼しなくてはいけません。
④建て替えが大変
コンクリート住宅を壊す時には、大型の重機が必要となります。
さらに解体されたコンクリートは産業廃棄物となりますので、処分費も発生し、全体を通してかなりの費用となるでしょう。
次の世代やそのまた次の世代まで受け継がれるのであれば、将来的にこのような費用負担をさせる時期が来るということを理解しておかなくてはいけません。
⑤施工業者が限られる
コンクリートは夏用・冬用と気温や季節に合わせて使用する種類が分けられていたり、温度管理が難しいなど非常に細やかな配慮をしなくてはいけません。
また、コンクリート同士の継ぎ目は、プロでも綺麗に仕上がらないことがあるほど難易度が高く、高い技術を必要とします。
工務店やハウスメーカーならどこでも良いというわけでもなく、コンクリート施工に長けた業者を見つけられるかどうかが、仕上がりの良し悪しに大きく影響します。
その見極めは、今後メンテナンスが必要となった場合にも、影響します。
◎まとめ
コンクリート打ちっぱなし住宅に限らず、素材のメリットだけでなくデメリットも理解しておくと、日々の暮らしの中で気を付けるべき点もおのずと見えてくると思います。
また、シンプルでスタイリッシュな暮らしを維持するためには、適切なタイミングで適切なメンテナンスをする必要があります。
メンテナンスの内容としてはどのようなものがあるのかということも、把握しておきましょう。