【シート防水】シート防水の工法と耐用年数について解説します!
年間の降水量が多い日本では、建物に防水処理を施すことが殆どです。
防水工事は建物の耐久性を高めるだけでなく、住み心地にまで大きく影響するといわれていますのでとても重要な工事です。
防水工事にはさまざまな方法がありますが、今回はマンションやビルの屋上防水工事の施工方法で代表的な「シート防水」についてご紹介していきます。
シート防水とは
シート防水とは、塩化ビニールやゴム製のシートを施工箇所に接着し、水の侵入を防ぐ工事のことです。
プラスチックや合成ゴムなどの原料をシート状に加工したもので、厚さ約1.2~2.5mmのシートが防水の施工に用いられます。
また、このシートは工場で生産されたものですので、均一な厚みで出来ています。
その特性から広い面積をむらなく施工できるということで、アパートやマンション、ビルの屋上等でよく使われています。
工法
シート防水には施工の方法が2つあります。
①密着工法
専用の接着剤で防水シートを下地に接着していく工法です。
まず、下地にプライマーと言われるシート防水用の下地処理材を塗って、その後乾燥させます。(接着剤を塗るので、十分に乾燥させる必要があります)
その上から接着剤を塗り、ローラーで防水シートと下地を接着・固定させます。
通気性は無いので、まだ雨漏りしていない箇所向けです。
また、下地の傷みが激しい場合は、新たなシートを接着させることが難しいため、接着工法は不向きです。
次でご紹介する機械固定工法での工事を依頼しましょう。
②機械固定方法
接着剤を使用しないで、金具で防水シートを下地に固定する工法です。
密着工法に比べると、下地処理にかかる費用を安く抑えらるのでコストパフォーマンスの良い改修工事向きの工法です。
しかし、固定するのは部分的なので、風圧の影響を防水シートが受けやすく、最悪の場合はシートが風で飛ばされてしまう可能性があります。
想定される風の強さを計算し、適切な数の金具で固定することが必須の作業ですので、シート防水の施工実績が多い業者に工事を依頼することをおすすめします。
施工箇所に合っていない工法を選んでしまうと、工事後に不具合が発生する原因となります。
施工を依頼する際は、工事前に必ず専門業者に点検を依頼して、どちらの工法が適しているのか決めましょう。
また、シート防水に使われるシートの材質によって、耐用年数も変わってきます。
■塩ビシート・・・13年~15年 厚さ 1.5~2.5mm
■ゴムシート・・・10年~12年 厚さ 1.2~2mm
ゴムシートは塩ビシートに比べ薄いので、外からの衝撃で傷みやすいです。
その為、現在では塩ビシートを使っての施工が一般的になってきています。
防水工事の種類
防水工事の種類を一覧表にしてみました。
ウレタン防水 |
FRP防水 |
シート防水 |
アスファルト防水 |
|
単価相場 ㎡ |
4,500~7,000円 |
6,000~8,000円 |
4,000~8,000円 |
5,500~8,500円 |
耐用年数 |
8~10年 |
10~12年 |
10~15年 |
15~25年 |
工法 |
防水材を塗る |
防水材を塗る+貼る |
防水材を貼る |
防水材を塗る+貼る |
施工場所 |
ベランダ バルコニー マンション ・ビル屋上 |
ベランダ バルコニー |
マンション ビルの屋上 |
マンション ビルの屋上 |
シート防水は耐用年数と費用のバランスが良いので、コストパフォーマンスに長けた工事といえるでしょう。
◎ まとめ ◎
いかがでしたか?
今回はシート防水の工法と耐用年数のついて解説しました。
防水処理を施すと耐久性が向上するだけでなく、住み心地もよくなるといわれていて、
よりいっそう快適な環境を手に入れることができるはずです。