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【塗膜】外壁塗料の塗膜について徹底解説!

住宅を購入して10年前後で外壁や屋根のメンテナンスが気になりだす方がほとんどではないでしょうか。

インターネットで「外壁塗装」といったキーワードにたどり着き、調べているとよく出てくる塗膜という用語。

「塗膜ってなんだろう?」と、疑問に思うかもしれません。

「塗膜」は「とまく」と読みます。

文字通り、塗装時の塗料が皮膜になった状態を指します。

でも、読み方がわかったところで、どんな働きをするものなのか、さっぱりわかりませんよね。

今回は、外装塗装の検索キーワードでよく出てくる「塗膜」について、詳しく解説していきます。

 

 

 

◎塗膜ってなんだろう?

①塗膜とは?

塗膜とは、液体の塗料が乾燥して硬化した状態で、膜状になったものを指します。

塗料が乾燥して膜となり、コーティングする役目をしているのですね。

お住まいの外壁や屋根など、屋外に露出している外装部分は、直射日光、紫外線、風雨にさらされる過酷な環境です。

そのため、経年で少しずつ劣化していきます。

屋外の劣化した部分からお家の内部に雨水が浸入することもあり、住宅の劣化は加速してしまいます。

そんなとき外壁塗装を施すと、塗料の硬化でできた塗膜が建物を保護する働きがあります。

住宅の外壁に強度と保護する働きがある塗料は、さまざまな液体・成分を混ぜ合わせて作られています。

主な塗料の原材料を大雑把にまとめると、「顔料」「樹脂」「水or溶剤・添加剤」になります。

これらをまとめて、ひとつの外壁用塗料が誕生します。

この形成された塗料を外壁材や屋根に塗装して乾燥させると塗膜ができる仕組みになります。

 

 

 

②塗膜の重要性・役割

住宅を外壁塗装する目的は、大きく分けて2つになります。

 

a)塗料の膜(塗膜)で雨水や紫外線から保護する役割

外壁塗装で塗料が乾燥して塗膜が形成されることは、今までご説明した通りです。

この塗膜が水を弾き、内部に雨水などが侵入できないよう保護するのが一番の目的です。

塗膜は年月が経ってくると、だんだん水を弾けなくなっていきます。

そこに雨水が染み込んで、建物の柱や土台を腐食させていきます。

いわゆる、住宅の「雨漏り」状態ですね。

建物を守るために定期的に外壁塗装を施し、塗料による塗膜形成を促すことがとても重要なのです。

 

 

 

b)住宅の外観を美しくするため

お住まいの外壁塗装について調べた人は、建物の見た目の綺麗さも気になっているはず。

建物の見た目は、目視で確認できるところだからです。

塗料の耐用年数によっても若干の違いはありますが、一般的な住宅は約10年程度で塗膜が劣化します。

色褪せが目立ってくるのは塗膜の劣化によってです。

新築のときのような美しい外観を取り戻したいのであれば、外壁塗装工事を行います。

今までの外壁と同じ色を塗装しても、他の色を塗装をしてイメージを刷新するのもいいかもしれませんね。

外壁塗装は建物の保護を第一の目的に、次点で美観を保つことなのですが、知識がないとどうしても見た目重視になりがちです。

それでも、見た目が美しく華やかになると、毎日の生活が豊かなものになりますから、「ついでに外壁を守ってくれる」という意識でも良いのかなとも思います。

せっかくご購入されたお住まいですから、適切なメンテナンスでキレイに保つことも大切ですよね。

 

 

 

③塗膜の寿命について

「塗膜の寿命」は、塗装した塗料の耐用年数になります。

今現在、塗料にはさまざまな樹脂で作られたものがあり、塗料の種類によって耐用年数が大きく異なります。

塗料の種類ごとの耐用年数と、塗り替えの目安時期は下記になります。

 

塗料の種類

耐用年数

塗り替え時期
アクリル樹脂塗料

4年

3~4年
ウレタン樹脂塗料 6年 5年
シリコン樹脂塗料 10年~12年 10年
フッ素樹脂塗料 15年~20年 15年~18年

 

塗料の種類によっては耐用年数が4~5倍も違いますし、かかる費用も異なってきます。

もっと厳密に言えば、同じ樹脂塗料でも発売しているメーカーごとに違いがあります。

使用する塗料が水性塗料か油性塗料かでも、塗膜の寿命は変わってきます。

同じ樹脂塗料で同メーカーが販売している塗料でもいくつか種類があり、塗料に含まれる成分の配合量などでも耐用年数や費用が違ってくることをまず知っておいてくださいね。

外壁塗装では、建物に合った高品質な塗料を選択することが大切なのです。

 

 

 

④塗膜ができるまで

塗装時に塗料が規定量よりも薄く塗られた場合、塗膜が薄くなり本来の性能を発揮できず、再びひび割れを起こしてしまったり、剥がれてしまったりする事もよく起こります。

塗装は色が付けば良いわけではなく、正しい工程で、且つ、正しい量の塗料(塗布量)を、正しい施工方法で作ることが塗装工事を成功させる上でとても重要となります。

では、正しい工程と正しい塗布量、正しい施工方法とはどのようなものなのか、ご紹介します。

 

塗膜を形成するには、大きく3つの工程により形成されます。

素地と中塗り・上塗り塗料の密着を良くするための下塗り、基材を保護したり色をつけたりするための中塗り(上塗り1回目ともいう)、上塗りという流れで塗膜を形成していきます。

ですが、塗料によって下塗りが不要であったり、素地(外壁や屋根本体のこと)が傷みすぎている場合は、これ以上の回数を塗装しなければならない場合もありますので、使用する塗料の仕様書(説明書)をしっかり確認する必要があります。

 

基準塗布量とは、正しい性能を発揮するための塗膜を形成するために、一定の面積に塗布しなければならない塗料の量のことです。

これは塗料によって様々で、パンフレットに記載されています。

『紙』と『のり』をイメージすると分かりやすいかと思うのですが、紙と紙を貼り合わせる時、のりを極薄く伸ばして紙同士を貼り合わせ、数日で剥がれてしまった経験はないでしょうか?

正しい量を塗らないと完全に紙と紙がくっつきません。

塗料もそれと同じで、正しい塗布量を守らなければ、本来の性能が発揮されず、不具合を発生させてしまいます。

 

 

 

 

◎正しい施工でない場合、塗膜の劣化症状はどうなる?

リフォーム業界には、残念ながら悪徳業者が存在します。

料金が高いだけならまだしも、正しい施工を行わない場合もあるようなのです。

建物の状況に合わせた正しい施工をしなかった外壁塗料は、すぐに劣化してしまう場合が多いもの。

定められた耐用年数どころか、最悪の場合2~3年程度で劣化症状が出てきてしまうケースもあります。

もし正しい施工でなかった場合、塗膜の劣化症状はどのように現れるのか。

さっそく確認してみましょう。

 

①塗膜のひび割れ

外壁に塗装する塗布量は予め定められています。

ですが、塗料の規定量を守らなかったり、塗料の乾燥時間を設けずに作業を進めた場合、塗膜にひびが入ったり、外壁に亀裂が起きたりしてしまいます。

外壁の見た目が悪くなるだけでなく、耐用年数も大幅に短くなってしまうことは一目瞭然ですね。

 

 

②光沢のムラ

外壁塗装は正しい施工ならば、光沢は均一でキレイな仕上がりになります。

ですが、塗り方が雑だと表面の光沢にムラができてしまいます。

原因は「塗料の塗布量が均一でない」や、「塗装するローラーが汚れていて、所々、毛の長さが違う」などが考えられます。

 

 

③塗膜の膨張

塗膜が膨張して浮いてしまい、外壁にボコボコと膨らみが出ている状態です。

原因は、塗料の塗布量に問題がある、もしくは塗料の希釈率が間違っている可能性が考えられます。

 

 

④塗料の剥がれ

「塗料の剥離」と言われる症状は、よくある塗膜の劣化症状です。

塗料の表面がボロボロになって剥がれてしまう状態です。

剥離の原因はたくさんありますが、主には「塗布量が適切でない」もしくは「塗料の希釈率が正しくない」などです。

 

 

⑤チョーキング現象

チョーキング現象とは、外壁に塗装した塗料の顔料が乾燥してむき出しになり、手で軽く触ると白いチョークのような粉が付く現象のことを指しています。

本来であれば、塗料の耐用年数を迎え始めるころに起こる劣化現象なのです。

チョーキング現象が起きる原因は、紫外線や熱の影響での劣化が主なのですが、外壁に塗装する塗料を決められた量で施工しなかった場合など、起きてしまうことがあるのです。

 

 

 

 

◎塗膜は塗料の機能によって違う

最近の塗料は耐用年数だけでなく、様々な機能が付いているものがあります。

住宅の環境に合う機能が付加されている塗料を選ぶと、お住まいの維持や生活面で快適に感じることが多くなります。

塗料の機能についても触れていきますね。

 

①親水性塗膜

「親水性塗膜」は、塗膜についた汚れが落ちやすくなるという理由から、外壁に多く使われています。

汚れが塗膜よりも浮いて付着するので、雨が降ると汚れを雨水で洗い流す効果があります。

主にフッ素塗料や無機塗料に多い機能で、フッ素塗料や無機塗料は耐用年数も長いです。

汚れやすい色の塗料でも親水性機能が付いていると、ある程度築年数が経っても綺麗な外壁なのはうれしいですね。

雨天が多く、外壁が汚れやすい環境でお住まいの方にオススメの塗料です。

 

 

 

②防音性塗膜

外壁用塗料の中には、なんと音を緩和してくれるものも存在します。

特に、断熱塗料や遮熱塗料に多い機能なんだとか。

中空ビーズ配合の断熱塗料は吸音機能が付加されています。

ご自宅が大きな通りのそばだったり、公園が近くにあったり、騒音が気になったりという方にオススメな機能です。

 

 

 

③遮熱性塗膜

「遮熱性塗膜」の効果は、太陽熱を跳ねのけて、暑さを塗膜に浸透させない機能にあります。

真夏の暑さの中でも太陽の熱を跳ねのけられるので、実際より2~3℃低くすることができるのです。

2~3℃の体感は結構違いますから、とても涼しい感じがします。

 

 

 

④耐水性塗膜・防水性塗膜

「耐水性塗膜」「防水性塗膜」は、防水材のような効果を発揮する塗料です。

建物の雨漏り防止に使用され、特にベランダなどの防水塗装に利用されています。

雨漏りしている箇所を正確に探し出すのは難しいのですが、耐水性塗料を使って塗装することで防水膜を張り、雨漏りを止めることができる効果はとても頼もしいですね。

耐水性塗料は密着性が高く、ほとんどの外壁材に塗装することが出来ます。

また、耐水性塗料、防水性塗料には透明な塗料もあるため、全く目立たずキレイなまま、耐水性、防水性を持たせる使い方もあります。

 

 

 

⑤耐摩耗性塗膜

耐摩耗性塗膜とは、摩擦によって塗膜が劣化しにくい効果が付加されています。

外壁や屋根のような、紫外線や太陽熱を浴びてしまう厳しい環境であっても、劣化しにくいのが特長です。

高品質塗料に使用されていることが多く、塗膜の摩耗が少ないため、結果的に外壁などのメンテナンス費用を抑えることにつながります。

シリコン塗料の2倍の耐久性を発揮する場合もあるので、オススメする機能の一つです。

 

 

 

⑥防カビ・防藻性塗膜

防カビ・防藻性塗膜は、外壁面に防カビ機能が付加されている塗料です。

日が当たりにくい面の外壁には、カビや藻が多く繁殖して緑色に変色していたりしますね。

防カビ機能がある塗料を外壁に塗装することで、カビや藻の繁殖を防ぐことができるのです。

外壁全面に塗装しなくても、日の当たらないカビや藻が繁殖しやすい外壁面のみ塗装することも可能です。

また、防カビ機能がある塗料はもちろん、機能がない塗料にも「防カビ剤」という専用の材料を使って「防カビ塗料」にすることができますので、ご自身の好みの外壁の色を楽しむことも出来ますよ。

 

 

 

 

◎まとめ

今回は、外壁塗料の「塗膜」について細かく解説しました。

塗料の塗膜が『外壁』を、そして『家』を守っていると言っても過言ではないのです。

塗膜の力・効果をしっかり発揮するためには、やはり正しい施工が必要となります。

手抜き業者の被害に遭わないためにも、外壁塗装、そして塗料の基礎知識を少しずつ理解してくださるとうれしいです。

そして、大事なお住まいを守り、住宅の現状にぴったりの塗料を選んで外壁塗装をしていきましょう。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

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