【外壁塗装】リシン吹き付けとは?② アスベストとの関係性も徹底解説!!
「リシン吹き付け外壁ってどんな外壁なのだろう?」
「リシンにアスベスト?!怖っっっ・・・」
外壁リフォームを検討中の方は、情報収集時にこのワードがヒットしたという方も多いのではないでしょうか。
リシン吹き付けの外壁は和ヨーロピアンテイストのお洒落な住宅でも非常に人気のある外壁の仕上げ方法ですが、アスベストが含有されているとして問題になったこともあります。
今回は外壁の仕上げに使われるリシン吹き付けと、アスベストとの関わりを解説していきます。
まずはリシン吹き付けの特徴についておさらいです↓
【外壁塗装】リシン吹き付けとは?① メリット・デメリット、メンテナンスのタイミングを徹底解説!!
リシンとアスベストの関係
現在は新築住宅にアスベストが使われることなくなりましたが、アスベストが全面禁止されることになったのは2006年、それ以前に建てられた住宅で、リシン吹き付けなどで施工されている場合アスベストが使用されている恐れがあります。
そのため、自宅のリフォームを検討している場合はアスベストに関する正しい知識を持つ必要があります。
アスベストの性質と危険性、建材への利用
アスベストは、2005年頃に人体への健康被害から大きな問題となったものです。
毒物であると考えていらっしゃる方が多いのですが、実はアスベスト自体には化学的毒性はありません。
アスベストは別名「石綿」と言われていて、その名前のとおり、鉱石が繊維状に変形した形状をしています。
安価でありながら高い耐久性・耐火性・耐熱性を持っていたので、全面禁止されるまでは「奇跡の鉱物」と呼ばれるほどに建築業界で重宝されるものでした。
アスベストの直径は0.03マイクロメートルであり、これは髪の毛の約5,000分の1の細さと言われています。
そのため様々な建材に混ぜ込む形で利用されていました。
空気中に飛散したアスベストは目にも見えないほどに細く、呼吸を介して肺の中に吸い込まれてしまいます。
もちろん吸い込んでも違和感がないほどです。
しかし材質は石であるため人体に吸収されることはなく、肺の中に刺さったままとなります。
こうしてアスベストを吸い続けることで肺に慢性的な炎症が起こり、肺がんなどのアスベストに由来する健康被害に繋がるのです。
いずれの病も命を落とすことにつながるもので、まさにアスベストの危険性が世間に広く認知されることとなった原因です。
このようにアスベスト自体に毒性こそありませんが、あまりに細く小さい形状から吸引によって人体に被害をもたらすのです。
また「リシン=アスベスト」のイメージですが、吹き付けタイルやスタッコ仕上げの住宅でも建築された年代によってはアスベストを含有する材料が使用されていたおそれがあります。
※スタッコ・・・塗装仕上げ材のうちの1つで、リシンや吹き付けタイルのようにスプレーガンを使用して施工する場合や、コテで塗る場合もある。
吹き付けタイルについてはこちら↓
【外壁塗装】吹き付けタイルとは?① ボンタイルについても徹底解説!
【外壁塗装】吹き付けタイルとは?② メリット・デメリットについて徹底解説!
アスベスト含有の外壁を使用中・・・危険性は?
2006年以前にリシンなどの吹き付け塗装で施工された住宅は、そのまま住み続けても問題はないのでしょうか?
結論から言うと大丈夫です。
リシン・スタッコ・吹き付けタイル仕上げの外壁にアスベストが配合されていたからといって、アスベスト疾患などの健康被害を心配する必要はありません。
これらの仕上塗材は、いずれもセメント質や樹脂などの主材が凝固しており、配合されたアスベスト繊維も主材とともに凝結されています。
年数が経ったからといっても、リシンなどの外壁にアスベスト繊維の毛羽立ちが生じたり、綿を噴いたりするなどということはありません。
現状で目立ったひび割れなどの損傷がなければ、問題なく使用を続けることができます。
しかし、外壁の損傷によって少量とはいえ飛散する危険性はゼロではありません。
住宅のリフォームなどを検討している場合は、一度専門家の調査を受けておくと安心です。
アスベストを含む外壁の解体・除去には対策が必要です!
アスベストを含有したリシン・スタッコ・タイル仕上げの外壁をリフォームなどで解体・除去する場合、アスベスト飛散対策として都道府県への届出や作業現場における措置を徹底する必要があります。
まずは、アスベスト調査を受けてください。
アスベスト対処法
①アスベスト含有壁の上に塗装をする。
②アスベスト含有壁の上に新しい外壁材を設置
築20年以上も経過しているような住宅では、外壁に施された塗装の膜が機能を失っています。
上から別の塗料を使って塗り替えたり、新しい外壁材を設置することで、アスベストの飛散を防ぐことができます。(アスベストを封じ込めるイメージです)
アスベスト飛散による健康被害の可能性は低いですが、そもそも外壁塗装や外壁張り替えは素人には難しいのでDIYは禁物です。
施工は必ず専門の業者に依頼してください。
また、上記のような外壁リフォームでは、住宅の周囲に足場を敷設することになるため、ついでに屋根にもアスベスト建材が使用されていないかチェックしてもらいましょう。
③アスベスト含有壁を解体・除去してから張替える
アスベスト専門業者に解体・除去を依頼すると、まずはどの部分にどのようなアスベストが使用されているのかを徹底的に調査します。
建築図面などから情報を収集したり、建材の一部をサンプリングして科学的に分析して、アスベスト建材を特定します。
アスベスト建材が判明すれば、飛散性・発じん性・危険性などを考慮して適切に除去作業を行ってくれます。
解体・除去が終われば、適切な方法でアスベスト廃棄物を処分します。
費用はかかりますが、これでマイホームから危険なアスベストを完全除去することが可能です。
また外壁のみを張り替えるよりは、他の箇所にリフォームの必要がある場合はそれと合わせて依頼した方が別々に依頼するよりも費用をおさえることができます。
そのためリシン吹き付けなどによってアスベストが外壁に使用されている場合は、他のリフォームの必要性がある際に同時に対処もするのがおすすめの方法と言えます。
◎ まとめ ◎
2006年以前に建てられた住宅で、吹き付け塗装で行われた外壁にはアスベストが使用されている可能性があります。
我が家の外壁にもアスベストが使用されているのかもしれないと感じた方、今すぐ撤去を検討しなればならないというわけではありません。
まずは建築年数などから簡易的に判定し、アスベスト使用が疑われる場合はアスベスト調査を依頼してみましょう。