【外壁塗装】吹き付けタイルとは?① ボンタイルについても徹底解説!
外壁で、このような凹凸の模様のようなものをよく目にしませんか?
これは「吹き付けタイル」という工法で作られた外壁で、モルタル外壁の仕上げ方法の一つです。
吹き付けタイルというネーミングですが、タイル工事ではなく塗装工事のうちの1つです。
タイルと聞くと、正方形のタイルが並んでいるのを想像するかもしれませんが、吹き付けタイルではタイルを使用するわけではありません。
最近は、外壁の仕上げ材としてサイディング材が用いられることが多くなってきましたが、吹き付けタイルもまだまだ根強い人気を誇る仕上げ材の一つです。
今回はその「吹き付けタイル」について徹底解説します!
「吹き付けタイル」とは?
吹き付けタイルとは、一昔前に良く採用された塗装方法です。
外壁塗装の模様吹き付け塗装の中の1つであり、別名、玉吹き塗装とも言われています。
スプレーガンで模様吹きをして、表面が丸くボコボコした塗膜に仕上げます。
吹き付けタイルは複層仕上塗材と呼ばれるもので、塗料を下塗材、主材、上塗材と3回塗り重ねます。
同様の吹き付け工法である、リシンやスタッコは塗料の中に骨材やセメントを混ぜていくのに対し、吹き付けタイルは骨材は入れませんので表面の仕上がりはザラザラすることはなく、凹凸はあるものの滑らかな仕上がりとなります。
吹き付けた後に、ローラーで凹凸を潰す方法もあります。
また、サイディング外壁と違い、吹き付けタイルは習熟した塗装職人が施工します。
スプレーガンを用いて吹き付けをしますが、綺麗で一定の模様に吹き付けをするには高い技能が要ります。
一級塗装技能士の試験には、スプレーガンによる吹き付け技能の実技試験があるという程です。
技術が低い職人や素人が吹き付けを行うと、模様がバラバラで粗が目立つ仕上がりになります。
「ボンタイル」とのちがいは?
吹き付けタイルと同様なモルタル塗装仕上げの事を「ボンタイル」と呼ぶこともあります。
1963年に西ドイツより技術導入した内外装用の大盤美術タイルの正式名称がボンタイルで、それを参考に施工されていたものが吹き付けタイルと呼ばれるようになり、両方の名称が広まったようです。
ボンタイルと吹き付けタイルは、現在ではタイルの名称、模様の名称の両方を指すことが多いです。
ここでは吹き付けタイルとして解説していきます
「吹き付けタイル」の特徴
吹き付けタイルの施工は厚塗りで行われます。
先にも記述しましたが、完成までに3工程を必要とするため「複層仕上塗材」に分類されます。
タイルは紙粘土のような練り物素材になっており、外壁に吹き付けて使います。
吹き付けタイルはボコボコした模様でありながら、表面が陶器のようにツルツルなのが特長です。
一般的な建物にもよく用いられているので、「あ!あの建物に使われている模様だ!」とわかると思います。
硬質な吹き付けタイルは比較的安価ですが、ひび割れすることがあります。
他に、弾性タイルと呼ばれるタイプもあり、その名のとおりひび割れしにくい素材で出来ています。
弾性タイルは汚れにくさと防水性が高められており、下地材の微細なひび割れに追従することができます。
ですが、年月が経つと硬くなり、劣化によるひび割れはします。
このため定期的なメンテナンスが必要になるのは他の外壁塗装と同じです。
吹き付けタイルの仕上げの種類
①中粒仕上げ
中粒仕上げはその名の通り、数センチの凹凸が外壁の表面に広がるタイプの仕上げ方です。
紙粘土のようになっているタイル材を外壁に吹き付け、数センチの凹凸模様を作っていきます。
吹き付けタイルの仕上げ方法としてはあまり用いられないタイプの仕上げ方で、後で解説する押さえ仕上げの方が人気が高いと言えますが、模様が均等になるので、中粒仕上げでの仕上げ方法を好まれる方も多いです。
②押さえ仕上げ
吹き付けタイルを用いた外壁塗装の仕上げ方として最も人気があるのが、この押さえ仕上げです。
中粒仕上げと同じように紙粘土状のタイル材を外壁に吹き付けた後、タイル材が完全に乾いてしまう前にコテやローラーなどの工具でタイル材を押さえます。
そうすると玉状になっていたタイル材が潰れ、不規則な模様が生まれます。
外壁の仕上げとして吹き付けタイルを用いる場合、ほとんどの施工がこの押さえ仕上げによっておこなわれます。
吹き付けタイルは、色や光沢のバリエーションも豊富になっており、外壁仕上げ材の中でも高い人気を誇ります。
吹き付けタイルの外壁塗装・メンテナンスのタイミング
外壁塗装によるメンテナンスの時期は、吹き付けタイルの主材やその上の塗料のタイプによって異なります。
吹き付けタイルの外壁はこのような症状が出たら、外壁塗装・メンテナンスが必要です。
■色が褪せてきている
■カビ・コケ・藻が生えている
■塗料が剥がれたり、膨れたりしている
■模様が薄くなってきている
■クラック(ひび割れ)がある
■チョーキング現象(外壁を触ると手に粉が付く)がある
◎ まとめ ◎
最近はサイディングの外壁が圧倒的に主流となってきましたが、吹き付けタイルはまだまだ人気の高い外壁の仕上げ材です。
吹き付けタイルは、ツヤのある玉のような模様を付ける特殊な塗装方法の為、多少の汚れは付きにくく、そして目立たなくさせる大きな利点があります。
塗膜も厚いので、外壁を外的刺激から守ってくれる効果も発揮してくれます。
また、適切なタイミングで塗り替えを行えば、その耐久性が復活します。
吹き付けタイルは職人さんの技術がはっきりと出てしまう工法です。
綺麗な仕上がりを目指すのであれば、「業者選び」から検討してくださいね。
次回は吹き付けタイルのメリット・デメリットについて解説します!