【屋根工事】屋根の「葺き替え」「カバー工法」どっちがオススメ?徹底比較!
屋根の劣化が気になりはじめてリフォームについて調べると、屋根塗装以外にも屋根の改修工事の方法があることに気がつきます。
屋根のリフォームには大きく分けると「葺き替え」「カバー工法」とがあります。
あなたのお住まいに合った工事は一体どちらなのでしょう?
掛かる費用も大きく違ってくるようなので、それぞれの違いを知ってから選びたいところですよね。
今回は屋根の「葺き替え」と「カバー工法」、それぞれの特徴から違いを解説していきます。
まずは、「葺き替え」と「カバー工法」の施工方法について簡単に解説します。
葺き替え
これまでの屋根を解体・撤去し、新しい屋根に葺き替えることです。
屋根材だけでなく野地板や防水シートといった下地も新しくなります。
既存の屋根材を剥がしますので、下地や屋根の内部の傷み具合を確認、補修できるのが特徴です。
瓦屋根やスレート、金属屋根など、種類の多い屋根材ですが、葺き替え工事をすることでご自分が希望する屋根材にすることができます。
メリット
①家の寿命が延びる
屋根材とともに下地も全て新しく取り換えるため、屋根の機能が新しくなり蘇ります。
家自体の寿命を延ばすことができるのです。
②家の外観を変えられる
屋根が変わった事によって家に対する印象が大きく変わります。
③軽い屋根にすることで耐震性が高まる
瓦屋根からスレート屋根や金属などの軽い素材の屋根材に取り換えることで、建物への負担が少なくなります。
デメリット
①費用が高く工期が長い
根材を全て取り換えるため材料費が高くなってしまいます。
既存の屋根材・下地材の撤去によりその撤去費用がかかります。
また、大規模工事ということもあり工期も長くなります。
②廃材が出ることによる近隣への影響
既存の屋根材を処分する際に破片が近所まで飛んでしまうことがあります。
より詳しく解説した「屋根の葺き替えについて」はこちらを御覧ください↓
【屋根工事】屋根の葺き替えとは?費用は?メリット・デメリットも徹底解説
カバー工法
既存の屋根の上に、防水シートと新しい屋根を乗せてかぶせる方法です。
屋根カバー工法は「重ね葺き」とも言います。
屋根カバー工法は葺き替えと違って、施工する屋根を選ぶという特徴があります。
それは既存の屋根に新しい屋根材を新設することにより屋根の重量が増すためです。
そうしたことから選べる屋根材も限定的(多くのケースで金属屋根)になります。
メリット
①リフォーム費用が安い
カバー工法は、元々あった屋根の上に新しい屋根材を重ねるだけの工事のため、古い屋根材を撤去するための人件費・廃材処分費が殆ど発生しません。
②工期が短い
葺き替え工事の場合は、古い屋根を取り外す時に養生をする必要がありますが、
カバー工法ではそれを省略することができます。
③断熱効果、遮音性、防水性は向上する
既存の屋根と新しい屋根の二重構造になるので、断熱性や遮音性、防水性が高まります。
④ちりや埃、騒音などのトラブルが少ない
工事中に騒々しい音やチリが発生するリスクが少ない上、工期が短いので、周囲の方に迷惑をあまりかけずに済みます。
➄アスベスト廃材撤去費用対策
既存の屋根がアスベストを含んだ屋根だった場合、アスベストの処分費用は高額で、解体時にはアスベストが近所に飛散しないよう対策をしなくてはなりません。
カバー工法なら、屋根を壊すことなくリフォームできるため、このようなリスクがありません。
※アスベストが含まれているから危険というわけではありません。
デメリット
①屋根瓦には対応できない(不向き)
カバー工法は、元々ある屋根の上にフラットな金属屋根材を固定する工法です。
陶器やセメントで作られた日本瓦の屋根は、カバー工法には不向きです。
②屋根が重くなる
カバー工法は屋根を二重にするだけあって、屋根全体の重量が増加します。
とは言っても、金属屋根はかなり軽量です。
ガルバリウム鋼板などの軽量な屋根材を選択すると良いでしょう。
③内部の補修が必要な屋根には施工できません
屋根の下地や内部が劣化している場合は、その上から新しい屋根をかぶせる事はできません。
より詳しく解説した「屋根の葺き替えについて」はこちらを御覧ください↓
【屋根工事】屋根カバー工法とは?費用は?メリット・デメリットも徹底解説
それでは、どちらの施工方法を選んだらよいのでしょうか?
メリット・デメリット含めて比較しました。
葺き替え | カバー工法 | |
工期 | 7日~30日 | 5日~14日 |
平均費用 | 80万~200万 | 60万~150万 |
近隣対応 | 廃材が出ることにより埃が飛散 | 廃材処理が無いため、葺き替えに比べると少ない |
屋根の寿命 | 屋根材によるが、一般的には20年~25年 | |
屋根材について |
既存の屋根が瓦以外の場合、もともと重量に耐えられる家の設計がされていないので、新規で「瓦」を設置することはできない |
既存の屋根が「瓦」、厚みのある凹凸が激しい屋根材の場合はカバー工法には不向き |
その他 | 既存の屋根より軽量の屋根を新設することにより、建物全体への負担が少なくなる | 屋根の下地・内部が劣化している場合はカバー工法はできないので葺き替えがオススメ |
◎ まとめ ◎
どちらの工法にもメリット・デメリットがあるので悩むところですよね。
費用は全体的にカバー工法の方がお得とは言われていますが、屋根の状況や選ぶ素材によって、葺き替えでも費用を抑えられる事があります。
また、既存の屋根の素材や傷み具合によって、自分が決めた工法を選べない場合も・・・。
予算から判断するのは大事なことかもしれませんが、これからも共存していく大事な住まいです。
予算以外の面も考慮にいれて検討してみてください。