【トタン屋根③】トタン屋根の塗装金額は?DIYについても詳しく解説!
ここまで【トタン屋根①】では、トタン屋根の概要と屋根が発信しているメンテナンスのサインについて解説しました。
そして前回の【トタン屋根②】では、トタン屋根のメリット・デメリット、そして施工手順について解説しました。
トタン屋根の特徴やメンテナンスのサイン、また、トタン屋根であることのメリットやデメリットを知識として持っていることで、住居スペースだけではなく物置などの屋根材にトタン屋根を選択した場合も、そのメンテナンスの方法やタイミング的なものが分かりますね。
さて今回は、屋根塗装の際に掛かる費用についてと、近年流行しているDIYについて解説します。
◎トタン屋根の塗装費用はどれくらい掛かる?
トタン屋根の塗装費用は、あなたが選択した塗料によって大きく左右されます。
塗料には大きく分けて、『アクリル塗料』、『ウレタン塗料』、『シリコン塗料』、『フッ素塗料』の4種類があります。
コストが一番掛からないのは、『アクリル塗料』で、平米単価は1,200~1,400円になりますが、耐用年数が約5~8年と短いのがデメリットです。
耐用年数はあくまでも標準的なものになりますので、それよりも短いスパンで次の塗り替えをしなくてはならない場合もあります。
3年おきに足場を組んで塗装というのは、決してランニングコストが良いとは言い難いかもしれません。
次にコストが掛からないのが『ウレタン塗料』で、こちらの平米単価は1,800~2,000円です。
お値段がそこまで張らない割に、耐摩耗性に優れていますので、タフな塗料と言えるでしょう。
耐用年数は約8~10年と、アクリル塗料に比べると若干長くなります。
『シリコン塗料』の平米単価は1,800~2,200円になります。
こちらは現在屋根塗装に使用される塗料の中で、主流になっていると言っても過言ではありません。
耐用年数も約12~15年と長いうえに、汚れにくくカラーバリエーションも豊富です。
コスト面と機能面、耐久性のバランスが良い塗料と言えます。
『フッ素塗料』の平米単価は3,300~4,500円と、他の塗料に比べると随分高価なものになります。
ですが、これまでの3つの塗料のどれよりも撥水性に優れていますので、強い塗膜を生成します。
また、耐用年数も約15年以上と非常に長いため、ランニングコストの削減に繋がります。
◎塗装費用が左右される要因は他にもある
アクリル塗料からフッ素塗料まで、どの塗料を選択するのかによって、塗装費用が左右されることは、ここまでにお伝えした通りです。
しかし、それ以外にも塗装費用が左右される要因があります。
屋根塗装を行うには、塗料の材料費だけではありません。
高所作業となりますので、足場の設置が必須となり、足場代が掛かります。
そして、例えばトタン屋根に小さな穴が空いている場合は、鉄板や防水テープ、コーキング剤などを用いて補修を行いますが、その分費用はプラスになります。
屋根の傷みが広範囲の場合は、部分補修では間に合わず、葺き替え工事をしなくてはならない場合も出てくるでしょう。
その他、塗装を行うまでのところでケレン作業などの下地処理費用、下塗り、中塗り、上塗りといった塗装に係る人件費や、諸経費が発生します。
屋根の形状や勾配によって左右されるということも、覚えておきましょう。
◎トタン屋根の塗装をDIYで行うことについて
近年DIYがブームとなり、ホームセンターでは様々な道具や材料が簡単に手に入るようになりました。
中にはプロ顔負けのような腕前の人も。
トタン屋根の塗装をDIYで出来るか出来ないかで言えば、『出来ないわけではありません』としか言えません。
そこで、トタン屋根の塗装をDIYで行うことのメリット、デメリットをお伝えします。
①トタン屋根の塗装をDIYで行うことのメリット
なんと言ってもコスト面でしょう。
人件費や諸経費など、業者に依頼すれば必ず発生する費用が掛からず、大幅なコストカットが望めます。
また、自分の好きなタイミングで塗装出来るというのも魅力です。
②トタン屋根の塗装をDIYで行うことのデメリット
デメリットは大きく4つ。
まず1つ目は、常に危険と隣り合わせの作業となることです。
屋根塗装はどうしても高所作業になるため、常に危険が伴います。
建築業界で発生している事故のおよそ30%が、屋根や梁からの転落と言われています。
足場を組んだ現場で、その道のプロが塗装をしていても、転落事故を完全に防ぐことは難しいというのが現状なのです。
2つ目に、時間が掛かるということです。
トタン屋根の塗装は、『ただ塗料を塗ればいい』というわけではなく、ケレン作業や錆止め塗装など、塗装を開始するまでの下処理にかなりの時間を要します。
また、塗装作業や下地処理は簡単に見える作業かもしれませんが、屋根塗装のプロの腕に掛かっても、『知識と技術と時間が必要な作業である』ということは、理解しておきましょう。
3つ目に、施工不良につながりやすいということです。
一見綺麗に仕上がったように見えても、ケレン作業や必要に応じた部分補修などの下処理が不十分な場合は、塗膜の劣化が早くなってしまいます。
作業手順は業者と同じように行ったとしても、下地処理や塗装にムラがあった場合は、塗膜の劣化が早まり、耐用年数よりも早いタイミングで次の塗り替えが必要になってしまうケースが多く発生してしまいます。
4つ目に、道具を揃えるための費用が意外に掛かるということです。
安全に作業を行うためには、塗装したい屋根に十分届く長さのハシゴを用意しなくてはいけません。
その他にも、ヘルメットや軍手、ほうき、ケレン作業に必要な道具、塗装に必要な道具など・・・最終的にDIYの方が高くついたということもあります。
◎まとめ
今回こちらでお伝えした塗装費用は、あくまで一般的なものになります。
依頼する塗装業者によって変動がありますので、詳しくは業者に見積を取り、疑問に感じた箇所があれば質問をしましょう。
また、DIYについても、優先すべきは『安全』です。
それぞれのメリット、デメリットを踏まえ、どの方法を選択すべきか、どの塗料を選択すべきか、しっかりと見極めてくださいね。