塩ビ管の塗装方法は?最適な塗料やDIYの手順を解説
塩ビ管の塗装方法は?最適な塗料やDIYの手順を解説
住宅の施工にも用いられる塩ビ管は、使用箇所によっては定期的な塗装が必要です。
DIYを検討する際には、塗装方法や最適な塗料を知っておくとスムーズに作業ができます。
今回は、塩ビ管の塗装方法を解説します。塩ビ管の特徴、DIYのメリット・デメリットなども知り、メンテナンス時の参考にしてください。
塩ビ管とは
塩ビ管は、「硬質ポリ塩化ビニル管」の略で、その名の通り「ポリ塩化ビニル」という素材でできた配管をいいます。
まずは、塩ビ管の特徴や種類を確認しましょう。
塩ビ管の特徴
塩ビ管の特徴は、鉄製の管よりも軽量で、腐食に強い点です。
塩ビ管の素材であるポリ塩化ビニルは、耐水性や耐酸性、耐アルカリ性、耐候性、電気絶縁性、難燃性にも優れており、コストを抑えた施工も可能と、メリットが多くあります。また、鉄製と比べて流体の受ける抵抗が少ないのも、特徴だといえるでしょう。
塩ビ管の種類
塩ビ管は「VP管」と「VU管」の大きく2種類に分けられます。
VP管のほうが肉厚で、耐火性・耐衝撃性・耐熱性をさらにアップさせた製品もあります。VU管は肉薄で、VP管とVU管は用途に合わせて最適なものを選択可能です。
住宅で塩ビ管が使われている場所
住宅の施工で塩ビ管が使われるのは、主に配管部分です。前述の通り流体の受ける抵抗が少ないので、水道や下水道管には塩ビ管を使うケースが多いです。また、雨樋からの排水対策にも、塩ビ管が用いられます。
ほかにもケーブルを保護するなど、メリット豊富な塩ビ管は、住宅のさまざまな場所で重宝されています。
塩ビ管の塗装方法は大きく2種類
塩ビ管は住宅の見えない場所に用いられることが多いですが、排水対策に使用する際などは、屋外の人目につく場所に設置しなければならないため、「見映えをよくしたい」と塗装を検討する人もいます。
塩ビ管の塗装方法は、スプレー塗料を使う方法と、刷毛などを使って手作業で塗る方法の2種類があります。必要な道具や塗装方法を見てみましょう。
必要な道具
塩ビ管の塗装に必要な道具は、以下の通りです。
- 塗装する塩ビ管
- 紙やすり(目の細かいもの)
- アセトン(少量)
- きれいなタオル
- 塗料
- 刷毛(手塗りの場合)
- 新聞紙
- 手袋
- 安全ゴーグル
- マスク(化学薬品をブロックできるもの) など
塗料は塗装方法に合わせてスプレーか刷毛で塗るタイプかを選択し、塩ビ管の表面に塗装できるかどうかも確認しましょう。
また、安全に作業をするためのアイテムも忘れてはいけません。
作業環境にも、注意が必要です。換気のよい、広い場所で作業をすれば、アセトンや塗料から出る有害なガスが充満しにくく安全で、塗料も早く乾きます。
スプレー塗料を使った塗装方法
スプレー塗料を使った塗装方法は、以下の通りです。
- 塩ビ管を用途に合わせて切っておく
- 塩ビ管の表面にやすりがけをする
- タオルにアセトンを含ませ、塩ビ管の表面を拭く
- 塩ビ管にスプレー塗料を塗る
- 20~30分乾燥させる
- 好みの色になるまで重ね塗りする
- 乾燥・硬化させる
塩ビ管は用途によって大きさを整えたり、組み立てたりする必要があります。塗装後に行うと塗料が落ちることもあるため、事前に用途に合わせた形にしておきましょう。やすりがけは目の細かい紙やすりを使い、厚みに差がでないように行います。こすりすぎは塩ビ管の劣化につながるため、注意が必要です。
スプレー塗料は縦方向に向かって吹きかけていきます。ゆっくりと、薄く塗るよう意識すると、液だれやムラが起こりにくくなります。片側に塗装をしたら塩ビ管を回転させ、反対側も縦方向に塗装します。
完成後の乾燥が不十分だと、塩ビ管が熱や圧力、傷などに弱くなってしまいます。触れられる程度になるまでにも、24時間ほどの乾燥時間が必要です。
手塗りの塗装方法
手塗りの塗装方法はスプレー塗料を使う場合とほとんど同じですが、塗装段階での工程が異なります。
- 塩ビ管を用途に合わせて切っておく
- 塩ビ管の表面にやすりがけをする
- タオルにアセトンを含ませ、塩ビ管の表面を拭く
- プライマーで下塗りをする
- 1層目を塗る
- 乾燥させ、好みの色になるまで2~3回重ね塗りをする
- 24~48時間乾燥させる
下塗りに使用するプライマーは、光沢のない白色がおすすめです。
刷毛を使って塗る場合も、縦方向に向けて塗っていくのが基本です。刷毛は小さく、毛が柔らかいものだと塗料を均等に塗りやすいでしょう。
塩ビ管の塗装におすすめの塗料は?
塗料の種類によっては、塩ビ管の塗装に適さないものもあります。
塩ビ管にしっかり塗装を施すなら、プラスチックの表面塗装に特化した塗料がおすすめです。
ただし、ポリ塩化ビニルはプラスチックのなかでも塗料の付着が比較的よいので、外壁用の塗料を使っても塗装できます。外壁用塗料は種類によって耐用年数が異なりますが、10年前後持つウレタンやシリコン塗料なら、塩ビ管も美しい状態を長く保ちやすいといえます。塗装した塩ビ管の設置箇所によっては、アクリル塗料を用いても問題ないでしょう。
塩ビ管の塗装はDIYより業者への依頼がおすすめ!
塩ビ管の塗装方法は非常に複雑というわけでもないので、「自分でもできるかも」とDIYを検討する人もいるかもしれません。
しかし、塩ビ管も専門業者に塗装してもらうと安心です。
DIY塗装のメリット・デメリット
DIY塗装のメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット
- 道具代のみで費用を抑えた塗装が可能
- 自分好みの塗料が選べる
- 業者への相談やスケジュールの設定などの手間がかからない
デメリット
- 塗装に失敗する可能性がある
- 安全面でのリスクが高い
- 道具をそろえたり作業したりする時間を確保しなければならない
業者に依頼するのと比べて、各段に費用を抑えられるのはDIYの大きなメリットです。また、ホームセンターなどで仕上がりイメージに合った塗料を選ぶ時間も、DIYの醍醐味だといえます。さらに、業者に依頼すると「問い合わせ→打ち合わせ→契約→スケジュール決め→施工」と、塗装作業がスタートするまでの工程が長いですが、DIYなら「道具をそろえる→塗装」と、作業がスムーズに始められます。
しかし、DIY塗装はプロの職人が行うわけではないので、慣れていないとうまく塗装できない可能性が高いです。塗料が飛び散って塩ビ管以外のものに色がついてしまうといった失敗もあるかもしれません。作業に適した環境作りができていないと、安全面のリスクも高まります。塩ビ管を切る際にケガをする、換気が甘く気分が悪くなるなどのトラブルには、注意が必要です。
また、DIYはすべての工程を自分で行わなければならないので、まとまった時間を確保できないと実現は難しいでしょう。
業者に依頼するメリット
塩ビ管の塗装を業者に依頼すると、以下のようなメリットが得られます。
- 安全かつ正確な作業で、美しく塗装してくれる
- 塗装作業における依頼者の身体的負担がかからない
- 住宅のその他のメンテナンスも同時に行ってくれる
費用はかかってしまいますが、経験豊富な職人による作業は正確で、安全に行ってくれるので安心して任せられます。依頼者は道具をそろえたり塗装をしたりしなくてよいので、身体的負担がありません。さらに、塩ビ管の塗装以外にも、住宅の気になる部分の点検・メンテナンスを行ってもらえるのは、DIYにはないメリットです。
お金をかけるぶん、費用対効果を高めるためにも、施工実績やクチコミ、相見積もりなどを活用し、保証も十分な業者を選びましょう。
塩ビ管の塗装方法はやや難しい!メンテナンスは業者に相談を
塩ビ管の塗装方法は、手順だけを見れば比較的簡単そうですが、きれいに仕上げるのはやや難しいといえます。塗装が必要な際は業者に相談し、素材に合った塗料で美しい見映えを実現しましょう。
弊社でも、塩ビ管の塗装に関するご相談を承っております。業者による塗装方法や費用目安を知りたいという方も、お気軽にお問い合わせください。