錆びた鉄をきれいにする方法は?錆(サビ)の種類や原因と併せて解説!
錆びた鉄をきれいにする方法は?錆(サビ)の種類や原因と併せて解説!
鉄部分に生じたサビは、放置するとトラブルの原因になります。
また、見映えもよくないのできれいな状態にするのがおすすめです。
今回は、錆びた鉄をきれいにする方法を解説します。サビの原因や種類も知り、適切な対処法を実践しましょう。
鉄が錆びる原因
まずは、鉄が錆びる主な原因を見てみましょう。サビの発生には、環境も大きく関わっています。
錆(サビ)の原因
鉄が錆びる主な原因は、酸化です。鉄は金属のなかでも酸化しやすく、空気中に含まれる酸素や水分でもサビが発生してしまいます。
また、鉄の傷ついた部分に長時間水が付着しても、サビの原因となります。
鉄が錆びやすい環境
サビの発生には、環境も影響します。
屋内よりも屋外のほうが錆びやすく、特に湿気が多い場所、水滴がつきやすい場所ではサビの発生率が高くなります。
また、海沿いの地域は潮風に含まれる塩分や水分により、鉄はもちろんさまざまな金属が錆びる原因となるため注意が必要です。
錆の種類は主に3つ!
サビの分類方法は複数あり、その1つが見た目(色)による分類です。
赤や黒、白、緑、茶色、青、黄色と7色に分類されるサビのなかでも、生活のなかでよく目にするのは次の3種類です。
赤錆
最も多いのは、褐色の赤錆でしょう。赤錆は鉄の表面が空気に触れたり、水分が付着したりすることで酸化して発生します。
コーティングされていない鉄は赤錆が発生しやすいですが、コーティングされていても傷ついた部分から錆びていき、内部の腐食が進むケースは少なくありません。
黒錆
赤錆は自然発生しますが、黒錆は人工的に作られるものです。
鉄を高温で熱して作るだけでなく、錆転換剤を使えば赤錆を黒錆に換えることもできます。
黒錆は赤錆と違い、腐食を食い止めたり鉄の表面を保護したりします。南部鉄器や中華鍋などは、黒錆によって酸化膜が作られているものの1つです。
青錆
青錆は、銅や銅合金に発生するサビです。
古い十円玉が錆びているのを見たことがある人ならわかるでしょうが、青緑色をしています。
また、鎌倉の大仏の表面の色も、青錆によるものです。青錆も保護膜の役割を持っており、銅の腐食の進行を食い止めてくれます。
自宅にあるもので錆びた鉄をきれいにする方法
鉄に発生しやすく劣化にも影響する赤錆は、見つけたら早急に対処する必要があります。
自宅にあるもので錆びた鉄をきれいにする方法は、主に4つです。
酸性洗剤
トイレのサンポールなどが有名な酸性洗剤は、酸性の力で汚れを分解・中和して落とす働きを持っています。
錆びた鉄に使うと、鉄から酸素を切り離してくれる「還元作用」が働き、きれいにできます。
ただし、洗剤が残っていると新たなサビの発生につながるので、錆取り後にはしっかり洗い流すことが大切です。
歯磨き粉
軽度のサビは、歯磨き粉でも落とせます。歯ブラシに歯磨き粉をつけて錆びた部分をこすると、歯磨き粉に含まれる研磨剤がサビを削り落としてくれます。また、研磨剤の力できれいな見た目も取り戻せるでしょう。こちらもこすり終わったら、水でしっかりと洗い流してください。
クエン酸・酢
クエン酸やお酢を使うと、酸性洗剤と同じ「還元作用」で錆びた鉄をきれいにできます。
キッチンペーパーやいらないタオルに含ませ、錆びた部分にしばらくあてておきましょう。
その後、ブラシでこすって錆を落とし、水で洗い流せば完了です。水を流せない場所では、雑巾に水をたっぷり含ませてふき取るのがおすすめです。
重曹
掃除の際に重宝される重曹も、錆びた鉄をきれいにするために使えます。
重曹は柔らかめの研磨剤になるので、鉄の表面にできるだけつけずに錆落としができます。重曹を使う場合は、少量の水で練ってペースト状にしましょう。このペーストをサビ部分に塗って30分以上おき、ブラシでこすって洗い流すとサビが落とせます。
本格的に錆びた鉄をきれいにする方法
自宅にあるもので錆びた鉄をきれいにする方法は手軽に実践できますが、サビが広範囲に発生している場合、ブラシや雑巾を使って地道に作業するのは大変です。
自分では処理できないようなサビは専門業者に相談し、専用の機器を使ってきれいにしてもらうことも視野に入れましょう。
ここからは、本格的なサビを自分で落とす方法や、業者が行う錆落としの方法などを紹介します。
ワイヤーブラシ
ホームセンターなどで売っているワイヤーブラシは、金属でできたブラシで錆をこすり落とせるアイテムです。
安価で入手しやすく、歯ブラシなどを使うよりも一気に広範囲の錆落としができます。
ただし、ブラシでこするのは手作業のため、やや手間がかかるのが難点です。
また、金属でできたブラシは鉄を傷つけやすいので、できるだけ傷つけずにサビを落としたいときには向きません。
金属用洗剤
金属用洗剤は、液体状の洗剤をつかって研磨し、金属の光沢を出すために使うものです。
広範囲でも軽めなサビなら、研磨しながら錆取りができます。鉄はもちろん、さまざまな金属に使えるのも金属用洗剤のメリットです。しかし、サビが深部にまで及んでいる場合はきれいにするのに時間がかかってしまいます。
錆取り剤
錆取り剤は、鉄表面に発生したサビを化学の力で取り除ける薬剤です。
ホームセンターなどで手軽に入手でき、重度のサビの除去にも使用できます。スプレーで噴射すれば、小さな部品に発生したサビも簡単に落とせます。
ただし、浸け置きが必要で作業に時間がかかるのがデメリットです。
また、洗い流した水は環境に悪影響を及ぼすのも、あまりよいこととはいえないでしょう。
高圧洗浄
高圧水の力でサビや汚れを落とす高圧洗浄は、圧力の調整で重度のサビも簡単に取り除けます。
水の力だけでサビを落とすので、環境への配慮も可能です。
最近は家庭でも使える高圧洗浄機も販売されており、入手・使用のハードルも下がっています。
しかし、慣れていないとうまく扱えなかったり、圧力の高さで怪我をする危険があります。
また、鉄の厚みによっては水圧によって変形することもあるため注意が必要です。
レーザークリーニング
レーザークリーニングは、専用の装置でレーザーを照射してサビや汚れを除去するものです。
1秒間に数万回ものレーザーを高速照射し、高温のプラズマを発生させることで錆びた鉄もきれいにできます。鉄を傷つけずにサビが落とせますが、ホームセンターなどで購入できるアイテムを使用するのと比べると費用が高いので、住宅での錆落としが目的の場合はややハードルが高いかもしれません。
サンドブラスト
サンドブラストは、細かな研磨材(砂)を錆びた場所に吹き付け、表面を削り取る方法です。
大量の砂を吹き付け、短時間で錆落としができます。形状が複雑な場所に発生したサビも簡単に落とせますが、サビだけでなく鉄表面も削り取るため、錆落とし後はザラザラしてしまいます。また、細かな研磨材が舞うので、環境への配慮が難しいのもデメリットです。
ウェットブラスト
ウェットブラストは、サンドブラストと同じ研磨材(砂)を、水に混ぜて噴射する方法です。
錆びた部分とともに表面を削り取るのは同じですが、洗い流しも同時に行うことで油分や汚れも落とせます。
水と混ざった研磨材が舞い散らないのもよい点ですが、濡らしてはいけない部分には使えません。
鉄が錆びないための対策はある?
自動車やバイクだけでなく、住宅でもフェンスや屋外階段などに鉄を使用していると、経年劣化によって赤錆が発生する場合があります。そもそも錆びないようにする方法はあるのでしょうか。
鉄を使用している場所には、建築時に防錆かこうを施すケースが多いです。
しかし、表面の加工部分に傷がつくと、そこから赤錆が発生し、腐食が進んでいきます。
こうしたトラブルを防止するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
屋外部分の塗装や防水層の機能は、10~15年ほど維持できるといわれています。
よって、10年に一度はメンテナンスを行い、塗装や加工で鉄を守るようにしましょう。
メンテナンスを怠り、サビも放置すると、穴があく、倒壊する、触ると鉄粉がつくなど、さまざまなトラブルの原因になります。
撤去や新たな階段・フェンスなどの設置は、定期的な施工以上に費用がかかることも多いので、信頼できる業者にこまめにチェックしてもらうと安心です。
錆びた鉄をきれいにする方法は多数!本格的な錆取りは専門業者に相談を
錆びた鉄をきれいにする方法には、自宅にあるアイテムで実践できるものもあります。
しかし、サビがどれくらい進んでいるかは、素人では判断できない場合もあります。迷ったら業者に相談し、適切な方法を実践してもらうのがおすすめです。
住宅の鉄部分は、サビが発生しないための予防も重要です。弊社でも、錆びた鉄をきれいにする施工や、定期的なメンテナンスを実施していますので、お気軽にお問い合わせください。
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