床下換気口カバーの後付け方法!設置が必要な家の特徴は?
床下換気口カバーの後付け方法!設置が必要な家の特徴は?
住宅をよりよい状態で保つための設備・機能はさまざまですが、その1つに床下換気口があります。床下換気口のカバーが割れたりしてしまった場合、後付けすることはできるのでしょうか。
今回は、床下換気口カバーの後付け方法を解説します。また、床下換気口の役割や、床下の換気が必要な家の特徴にも触れていますので参考にしてください。
床下換気口とは?
床下換気口とは、住宅の基礎部分に設けられている小さな換気口を指します。換気口にはカバーがついており、床下に小動物が侵入するのを防ぎます。
床下換気口には床下の空気を効率よく循環させ、湿気がこもるのを防いでくれる役割があります。
建築基準法によると、床下換気口は5メートルごとに設置するのが義務です。しかし、最近は基礎と土台のあいだにすき間を設ける「基礎パッキング工法」を採用し、床下換気口を設置しない住宅も増えています。
■床下換気口の効果■
床下換気口によって空気を入れ替えると、どのような効果があるのでしょうか。住宅、そして住む人が得られる3つのメリットを紹介します。
害虫対策
床下は、地面からの湿気の影響を受けやすい箇所です。そして、シロアリやムカデ、ゴキブリといった害虫は、湿気の多い場所を好みます。
シロアリは木材をエサとするので、発生すると住宅に使用される木材に深刻な被害を及ぼします。また、ムカデが住宅周辺・住宅内に増えると刺される危険性が高まります。ゴキブリは雑菌を持ち込み、衛生面での不安が大きくなります。
床下換気口によって床下の湿気をできるだけ取り除くことは、害虫対策に有効です。住宅の状態を保つことはもちろん、住む人の安全を守るためにも大きな効果を発揮してくれるでしょう。
基礎構造部の劣化防止
床下の湿度の高さは、基礎構造部の劣化を早める原因にもなります。地面と接する部分をはじめ、床下の土台は特に腐りやすい部分です。湿度が高く、木材が含む水分量が多くなると、「腐朽菌」という木材を腐らせる菌が繁殖し、土台の木材に影響をもたらします。
腐食などにより基礎構造部が劣化すると、住宅全体の強度も下がってしまい危険です。床下換気口があれば、湿度を下げて基礎構造部の劣化を最小限に食い止められます。
健康被害防止
湿気で発生しやすいものの1つに、カビがあります。床下にカビが発生すると、カビをエサとするダニも増えやすくなります。カビやダニの死骸・フンなどが体内に入ると、ぜんそくや皮膚炎といった健康被害にもつながることもあるため、注意が必要です。
床下をよい状態で保てれば、湿気によるトラブルを防止できます。床下換気口はカビ・ダニによる健康被害を回避し、清潔な環境で生活するためにも役立ちます。
床下換気が必要なのはどんな家?
床下換気口を設けることで得られるよい効果は多くありますし、建築基準法で義務付けられていることから、どの住宅も床下換気口や「基礎パッキング工法」による床下の換気が欠かせないといえます。特に床下換気が必要なのは、以下のような場所に建っている家です。
- 過去に水田や湿地地帯だった場所
- 坂の下などの低地
- 台風や洪水など、過去に水のトラブルがあった場所
- 隣家との距離が近い、住宅が密集している場所
水田や湿地地帯だった場所は雨水が溜まりやすい性質があるため、床下の湿気によるトラブルが起こる可能性が高くなります。また、坂の下のような低い場所には、雨水が流れ込んだり溜まったりしやすく、水はけも悪いです。
台風や洪水といった災害による被害があった場所、起こりやすい場所も、地面そのものが大量の水を吸っている状態が長く続きます。また、こうした条件に当てはまらない場合も、住宅密集地などは風通しが悪く、床下に湿気がこもりやすいので注意しましょう。
床下換気口カバーの後付け方法!
床下換気口についているカバーには、猫やネズミといった小動物が外部から床下に侵入するのを防ぐ、重要な役割があります。カバーが割れたり外れたりしていると、床下の換気はできてもその他の被害につながるかもしれません。
床下換気口のカバーは、後付けも可能です。必要な道具と手順を解説します。
必要な道具
床下換気口のカバーを後付けする際に必要な材料、工具は以下の通りです。
- 換気口カバー
- 強力接着剤(コンクリート、金属などに使えるもの)
- 軍手
- メジャー
- ペンチ
- カッター
- サンドペーパー など
換気口カバー購入前には、床下換気口の寸法を測ることも忘れないようにしましょう。
後付けの手順
換気口カバーの後付けは、以下の手順で行います。
- 現在ついている換気口カバーを取り外す
- サイズが合わない場合は、ペンチやサンドペーパーでカバーのサイズを調整する
- 換気口カバーの縁に接着剤を塗る
- 基礎部分にはめ込む
換気口カバーはどのようなものがおすすめ?
床下換気口のカバーを後付けする場合、どのようなカバーを選べばよいか迷うこともあるでしょう。ネットショップやホームセンターなどでは、さまざまな種類の換気口カバーが販売されていますが、おすすめはステンレス製で目の細かいものです。
カバーの目が粗いとすき間から害虫や小動物が侵入しやすいため、後付けする意味がありません。最近はスライド式で換気口を開閉できるもの、メッシュつきのもの、取り付けが簡単なものなどさまざまな商品が展開されていますので、機能性も重視して選ぶとよいでしょう。
床下換気口のカバー、後付けは自分でできる?
床下換気口のカバーを後付けする場合、自分で作業することも可能です。しかし、自分で後付けするデメリットもあるので、できれば業者に依頼することをおすすめします。
DIYが得意な人は自分で行うこともある
DIYが好き、得意という人が、床下換気口のカバーを自分で後付けする事例は少なくありません。日頃からものづくりや修理をしている人にとっては、床下換気口カバーの取り付けは非常に難しいわけではないので、業者に頼らず後付けすることもできるでしょう。
失敗のリスクや手間がネック
修理などの作業に慣れていない人が床下換気口のカバーを自分で後付けすると、失敗する可能性があります。失敗すれば商品を再度購入したり、結局業者にお願いしたりと、費用負担も大きくなってしまいます。
また、作業手順だけを見ると単純そうですが、後付けには手間がかかります。事前にサイズを測って購入しても、自宅の床下換気口にぴったりとはまる商品は少ないため、床下換気口、もしくはカバーのどちらかを調整しなければなりません。DIYが好きではない人は、作業による手間をストレスに感じてしまうこともあるでしょう。
おすすめは業者への依頼
床下換気口カバーはサイズを調整してはめ込むというシンプルな作業ですが、サイズを調整したり、外れないようにしっかり固定したりと、細かなコツがいります。失敗するとすき間から小動物が侵入するなど、床下トラブルの原因にもなりますので、できれば業者に依頼して施工してもらうとよいでしょう。
業者に依頼する場合のメリットと費用相場
業者に依頼して床下換気口のカバーを後付けしてもらう場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。メリットともに、確認しましょう。
業者を利用するメリット
業者に依頼する最大のメリットは、失敗なく、そして美しく仕上げてくれる点です。熟練のスタッフは、最適なサイズに調整するだけでなく、見映えも美しく施工してくれます。
自分で材料や道具を用意し、作業をするという手間が省けるのも、業者に依頼して得られる利点です。最適なカバーを提案してもらったり、施工と同時に床下をはじめとした住宅トラブルがないかを点検したりもしてもらえるので、迷ったら業者への依頼を検討しましょう。
費用相場はどれくらい?
床下換気口カバーの取り付け費用は、1カ所あたり6,000円前後が相場です。床下換気口の数や、使用するカバーによっても総額は変わってきます。
ちなみに、床下換気口の増設や「基礎パッキング工法」の住宅に床下換気口を設ける工事などは、あまり事例がありません。床下の湿気対策として行われるリフォームで多いのは、床下換気扇や防湿シート、床下調湿剤の設置などです。こうした施工を検討する場合も、施工の必要性や費用について業者に相談してみるとよいでしょう。
床下換気口のカバーは、後付け方法や費用相場を知っておくと安心!
床下換気口についているカバーは、外部から動物や害虫などの侵入を防ぐために必要です。カバーが劣化している、割れている、すき間が大きいなどのお悩みがある場合は、後付けでよりよいものに交換しましょう。
床下換気口カバーの後付け方法は一見シンプルですが、作業には手間がかかります。
後付け作業や湿気対策など、床下の施工に関するお悩みも、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。