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クラックとひび割れの違いは?原因や補修の方法を解説

クラックとひび割れの違いは?原因や補修の方法を解説

外壁のひび割れは、さまざまな原因で起こります。

ひび割れは「クラック」と呼ばれることもありますが、どういった違いがあるのでしょうか?

 

今回は、クラックとひび割れの違いを解説します。

また、ひび割れの原因や補修費用の目安にも触れていますので、外壁補修の参考になれば幸いです。

 

 

 

クラックとひび割れの違い!厳密には同じ?

クラックとは、住宅にできるひび割れをいいます。外壁のひび割れはもちろん、土台部分や内装に起こるひび割れも、「クラック」と表現されるのが一般的です。

 

「クラック」と「ひび割れ」は同義語で使用されるケースがほとんどで、違いはないといえます。

しかし、後述する通りひび割れの度合いによって、「~クラック」といったり、「~のひび割れ」といったりすることはあります。

 

 

 

外壁材によるクラックの違い

一戸建ての外壁には、モルタルが多く使用されていましたが、昨今はサイディングを採用した住宅も増加しています。

クラックはどういった外壁にも起こり得るトラブルですが、外壁材によってひび割れ方に違いがあります。

 

セメントに砂を混ぜ、水で練ったモルタル外壁は、サッシ部分から斜めにひび割れることが多いです。

一方のサイディングは、セメント質と繊維質を主原料とする外壁材を、壁に貼るタイプのものです。

サイディングの場合、「シーリング」と呼ばれるサイディングボードのつなぎ目部分からひび割れるケースが多いといえます。

 

もちろん、上記以外のクラックが発生することもありますが、よく見られるパターンなので、外壁材の特徴によってもひび割れ方が変わることを覚えておきましょう。

 

 

 

クラック(ひび割れ)が起こる原因

住宅のクラックはさまざまな場所で起こる可能性がありますが、その原因は大きく3つです。

 

  • 経年劣化
  • 乾燥
  • 地震などによる衝撃

 

雨風から生活スペースを守る外壁は経年劣化していきますし、乾燥も大敵です。

また、大きな衝撃が加わり、クラックが起こることもあります。

 

 

■経年劣化

外壁は塗装されていますが、紫外線などによって塗料が劣化していきます。

また、サイディングボードやタイルなどのつなぎ目である「シーリング」も、紫外線による劣化が起こる素材です。

 

長い年月、紫外線をはじめとした外部からの刺激を受けた外壁は経年劣化し、ひび割れが起こることがあります。

 

 

■乾燥

モルタルやコンクリートなどの外壁には、原料に水を使用しています。

こうした外壁材はじゅうぶんな水分がなくなると、乾燥によってひび割れてしまう可能性があります。

 

また、外壁塗装でできた塗膜も、乾燥が進むとひび割れが生じるため、モルタルやコンクリート以外の外壁材を使用している場合も、乾燥には注意が必要です

 

 

■地震などによる衝撃

地震が起こるなどして外部から大きな衝撃が加わり、この衝撃に外壁材が耐えきれないときにも、クラックが発生します。

外壁材そのものが衝撃によってひび割れるだけでなく、シーリングが衝撃に耐えられず、外壁にひび割れが起こることもあります。

 

 

 

 

クラック(ひび割れ)の種類

クラック・ひび割れといっても、その度合いはさまざまです。クラックの種類は大きく以下の4種類に分類されます。

 

  • ヘアクラック
  • 垂直水平のひび割れ
  • 斜めのひび割れ
  • クロスしたひび割れ

 

それぞれの特徴を、解説します。

 

 

■ヘアクラック

ヘアクラックは、「hair(髪)」とクラックが組み合わさった言葉で、髪の毛のように細いひび割れを指します。

また、ヘアクラックには縮れ毛のような形状という特徴もあります。

 

国土交通省では、幅0.3mm以下のひび割れを「ヘアクラック」と呼びますが、0.4mmほどのクラックも、ヘアクラックに分類されるケースも少なくありません。クラックを分類する場合は、大きさはもちろん、「縮れ毛のような形状」かどうかにも注目しましょう。

 

 

■垂直水平のひび割れ

国土交通省では、0.3mmを超える幅のひび割れを「構造クラック」に分類しています。構造クラックは「建物の構造にも影響する深刻なひび割れ」で、ひび割れたところから雨などが侵入し、柱を腐食させる可能性も高くなります。

 

構造クラックの1つである「垂直水平のひび割れ」は、建物の垂直・水平に平行してできるひび割れです。垂直・水平方向のひび割れは重力によって発生しやすく、構造がしっかりした建物にも起こり得ます。

 

よって、構造クラックのなかでは比較的危険度が低く、ひび割れの大きさや割れ幅にもよりますが、補習をすれば建物に深刻な被害を及ぼすことはあまりないといえます。

 

 

■斜めのひび割れ

斜めのひび割れも、構造クラックの1つです。こちらは前述の垂直水平方向へのひび割れとは異なり、危険度が高いといえます。

 

斜めにできた構造クラックは、建物の構造バランスが悪いことを表します。

補修をしても、建物の構造そのもののバランスに問題があるので、別の場所に同様のひび割れが起こる可能性は高いです。

また、地震などで衝撃を受けた場合にも、斜めにひび割れることはあります。

 

 

■クロスしたひび割れ

斜めのひび割れ以上に危険度の高い構造クラックが、クロスしたひび割れです。クロスしたひび割れが起こりやすいのは、大地震のときです。揺れが大きければ住宅へのダメージも大きくなりますが、地震でもないのに「×」のようなひび割れができている場合は、建物の根本に問題があるといえます。

 

斜めのひび割れが起こった場合は、構造を見直し、耐震補強を施せば解決する可能性が高いです。

しかし、クロスしたひび割れが起こった住宅は、耐震補強だけではなく、改築や立て替えといった大がかりな作業を要することもあります。

 

 

 

クラック(ひび割れ)の大きさごとの補修方法

クラックは大きさによって、補修方法が変わってきます。幅0.3ミリ以下のヘアクラック、幅0.3~0.7ミリの小さな構造クラック、幅0.7ミリ以上の大きな構造クラックは、それぞれどのように補修するのでしょうか。

 

 

■0.3ミリ以下の場合

0.3ミリ以下のひび割れは、表面の塗膜のみにひびが入っているケースが多いので、塗装によって埋めて補修するケースがほとんどです。しかし、業者によって補修方法が変わりますし、ひび割れが下地まで届いている場合は、塗装だけでは済まないこともあります。

 

 

■0.3ミリ~0.7ミリの場合

構造クラックは小さなものでも、モルタルまでひびが入っていることが多いです。

0.3ミリから0.7ミリのクラックは、シーリング材を注入してひび割れ部分を埋めてから、微弾性フィラーによる下塗りを行い、最後に塗装をして補修します。

 

 

■0.7ミリ以上の場合

0.7ミリ以上ある大きなひび割れは、シーリング材が奥まで届きません。よって、Vカット工法で補修をします。

 

Vカット工法は、ディスクサンダーという機械を使って行います。ひび割れを20センチ幅まで削り、その後、シーリング材を注入してひび割れ部分を埋めます。ここからは、0.3ミリから0.7ミリのクラックと同様の方法で補修します。

 

 

 

クラック(ひび割れ)の補修費用の目安

クラックの補修費用は、ひび割れの度合いや補修方法によって異なります。

一般的には、シーリング材を注入する場合は1㎡あたり500円から1,200円程度、Vカット工法を行う場合は1㎡あたり1,700~4,000円程度だといわれています。

 

 

 

「クラック」と「ひび割れ」に大きな意味の違いはない!幅の広いクラックを見つけたら早めの補修を

「クラック」と「ひび割れ」は、どちらも住宅にできたひびを指す場合に使用される言葉です。大きな違いはありませんが、「クラック」と呼ばれることが多いといえます。

 

クラックはひびの幅によって、大きな影響があまりない「ヘアクラック」と、建物が深刻な問題を抱えている可能性がある「構造クラック」に分類されます。構造クラックはもちろん、ヘアクラックも住宅の見た目のよさや強度を長く保つためには、早めの補修が必要です。

 

クラックの補修費用は、ひび割れの度合いや業者によって異なります。迷ったら、まずはお近くの専門業者にご相談ください。

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