【屋根葺き替え②】時期・メリット・デメリット・判断基準について詳しく解説!
この先も長く今の家で暮らし続けたい。
そう思われるのであれば、適切な時期に適切な屋根工事をすることは、住まいの建物寿命を延ばす上で非常に大切なことです。
屋根工事の中で一番大掛かりとされる屋根葺き替えは、屋根材だけでなく下地材も全て新しいものに変えますので、見た目だけでなく機能性も新築の時のように一新されます。
でも、『葺き替えのタイミングって何で判断したらいいの?』など、素朴な疑問もあると思います。
そこで今回は、素材別の葺き替え工事が必要な時期の目安、屋根葺き替えのメリット・デメリット、屋根葺き替えと最近多い屋根カバー工法(重ね葺き)のどちらにするのかという判断基準について、詳しくご紹介します。
◎屋根の素材別・葺き替えが必要な時期の目安
①瓦屋根
瓦には日本瓦(和瓦)・洋瓦がありますが、いずれも耐久性が高く耐用年数は20~60年と言われています。
セメント瓦の耐用年数は20~40ねんですが、セメントは防水性が乏しいため10~20年のスパンで塗装工事が必要です。
和瓦は原則として再塗装はしません。
葺き替え目安としては素材によって異なります。
陶器瓦(釉薬瓦)は50~60年、いぶし瓦は30~60年、素焼き瓦は40~50年程度となっています。
瓦屋根で雨漏りが起きる場合の原因は、瓦よりも内部の防水シートなどが殆どです。
出来れば20~30年のスパンで葺き直しなどのメンテナンスを行い、その際劣化状態が激しいようであれば葺き替えると良いでしょう。
②スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)
スレートは広く採用されている屋根材の1つになります。
スレート屋根にはアスベストを含んだものと、そうではないものがあります。
アスベストを含んだスレート屋根は耐久性があり、耐用年数も20~25年とされていますが、健康被害の問題から2004年(平成16年)より使用が禁止されました。
それ以降のスレート屋根の耐用年数は10~35年となります。
お住まいの屋根材がいつ頃製造されたものが、確認しましょう。
③ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は金属屋根の1つで、その軽さから屋根が軽量化され、建物全体に掛かる負担が軽減できる屋根材です。
耐震性向上を重視した屋根リフォームとして、瓦屋根からガルバリウム鋼板屋根に葺き替える方が増えています。
ガルバリウム鋼板の耐用年数は30~40年とされていますが、10~20年スパンで屋根点検を受け、必要に応じて防水シートの交換や葺き替えリフォームを検討すると良いでしょう。
④トタン屋根
トタン屋根(瓦棒屋根)は、6~10年を目安にサビが発生し、放置しつづけるとサビが広がって穴が空いてしまいます。
5~10年スパンで屋根塗装をすれば寿命を延ばすことは出来ますが、元々の耐用年数が20年程度と短いことから、コストパフォーマンスの悪い屋根材と言えるかもしれません。
そのためトタンからトタンに葺き替えるというのは、現在では殆どみられず、他の屋根材に葺き替えをされる方が殆どです。
◎屋根葺き替えのメリット・デメリット
①メリット
屋根葺き替えには、屋根の下地の状態をしっかりと確認することが出来るというメリットがあります。
例えば屋根材の下にある防水シートが傷んでいた場合、カバー工法(重ね葺き)は既存の屋根材を剥がすわけではないので、その異常に気付く事ができません。
葺き替え工事であれば異常個所や劣化箇所の補修を行うことができます。
屋根全体のリフォームによって、自然災害からの危険を防ぐというメリットもありますし、重量のある瓦屋根からスレート・ガルバリウム鋼板・軽量瓦といった軽い素材の屋根に葺き替える場合は、建物が軽量化されますので耐震性の向上も期待できます。
②デメリット
屋根葺き替えは既存屋根材をしますので、その運搬費や処分費、下地に不具合があればその補修費用が掛かります。
他の屋根工事と比べて工事期間も長くなる上、天候によっては当初の予定よりもさらに延びることもあるでしょう。
◎葺き替えとカバー工法の判断の仕方
①葺き替えが向いている場合
・現在の屋根材が瓦である
・すでにカバー工法(重ね葺き)でリフォームをしたことがある
・下地が劣化しているかもしれない
・雨漏り発生箇所がある
・屋根の劣化状態が酷い
・屋根の耐久性を向上させたい
②カバー工法が向いている場合
・下地の劣化や耐震性について不安がなく、工事費用を抑えたい
・騒音や工事中のホコリといったトラブルが少ない工法での屋根工事を希望している
・既存の屋根が2004年(平成16年)以前に製造されたスレート屋根で、アスベストを含有している(可能性も含む)
◎まとめ
いかがでしたか?
屋根リフォームをするには、その時期や葺き替えのメリット・デメリットなど、総合的に判断する必要があります。
しかしその判断は素人では難しい部分があるため、屋根工事の方法を含め専門業者に現地調査を依頼し、見積を縦てもらいましょう。
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